UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

岸田君、戦争はお遊びなんかではありませんよ、あるいは「シビリアンコントロール」について・・・

2023-06-19 01:21:42 | 日記
先日、某知人が手にしていた普段は読まない某新聞を手に取って何となく眺めておりましたら、岸田首相が写っている小さな写真が目に入りました。どのような場面の写真だろうと目を凝らしてよく見てみましたら、岸田君、何と軍服(戦闘服)を身につけているではありませんか・・・写真に付された説明によれば、どこか陸上自衛隊の基地か施設を訪れたときの写真とのこと、今日の写真はこの某紙の写真を勝手に借用したものです。どうかクリックしてご覧になりご確認くださいませ

写真ではよく分からないのですが、岸田君はヘルメットをかぶり、戦闘服を着こんで軍用の車両かなにかに乗り込んでいるようですが、写真の説明によれば陸自の10型戦車とされています。着用している軍服の胸には何やら位が高い自衛官であること示すマークのようなものが付されています。日付は2021年11月27日とされていますから、首相就任からまもなくのことでありませう

察するに、首相の視察を出迎えた大張り切り自衛官氏に「首相、いかがですか、ひとつ軍服に身をかためてヘルメットをかぶり戦車にお乗りになってみては!」と勧められて、そやなあ、一度軍服を着て戦車なんかに乗って戦闘気分になってみるのも悪くないなあ、などと何も深く考えずに自衛官の言葉に文字通り乗せられてしまったのでありませう・・・しかしながら、一国の首相である岸田君は、この自分の行動がいかに軽率であるか、あるいはいかに軽率ではすまされない重大な問題をはらんでいるかいうことに、まったく気づいていないようです。

と申しますのは、民主主義の国家では、軍隊という「実力組織」(必要とあらば「実力を行使する」つまり暴力をふるうことがある組織:以下の注をお読みになってください)は「シビリアンコントロール」(文民統制)の対象とされるのが鉄則であるからです。すなわち、民主主義国家においては、選挙で選ばれたわけではない軍が勝手な行動をしたりすることがないようにするため、軍人ではなく「文民」(政治家・官僚)が軍を統制することが鉄則とされています。ですから、文民つまり政治家と軍が癒着するような行為に関係することは決して許されません。

(注:「実力組織」という用語は国際的には「軍」を指していますが、日本の場合は自衛隊を意味するとされています。「実力組織」というのは、いざとなれば実力を行使する、つまり暴力を使うことが許される国家の組織を意味する用語です。社会学の分野では、軍や警察は、実質的に同じ意味なのですが、より直截に国家の「暴力装置」と称されています。ついでに申しますと、いわゆる「暴力団」は国家が認める組織ではありませんから「実力組織」や「暴力装置」ではありません!)

このため、政治家、とりわけ一国を代表する政治家である大統領や首相が軍服を着用するような行為はタブーであるとされています。どのような状況においても「文民」の代表である大統領や首相は軍と明確に一線を画すことが求められています。ですから、このたびの岸田君の行為はタブーを侵す看過されざる由々しき行為なのです。

岸田首相の行為はそんな大げさなことを意味するものなんかではないと思われるかもしれませんが、そうではありません。たとえば、かつてイラク戦争のとき、当時のブッシュ米大統領が軍のヘリコプターに乗って米海軍の艦艇を訪れたことがあるのですが、そのときブッシュ大統領は海軍のジャンパーを着用してヘリコプターから艦艇に降り立ちました。ところが、その姿が報道されると、このブッシュ氏の行為は物議をかもしました。大統領の行為はシビリアンコントロールの原則に触れかねないからです。

実は、軍事オタクのうわさが高かかった故安倍首相も同じことをやっていました。ヘルメットをかぶって軍服を身に着け戦車に乗ったりしておりました。しかし、当時、メディアの諸氏は報道はしていたものの、たいして問題にしませんでした(ヘルメット姿の安倍君の写真をこの日記に載せておいた記憶があります)。このたびの岸田君の「雄姿」も、メディア諸氏は何も問題にしておりません。岸田君の雄姿を掲載した某紙もぼけているようであり、防衛予算の増額の問題には触れていても、シビリアンコントロールの問題には何も触れておりませぬ。もちろん自民党の諸氏も無節操な準与党の諸氏も、それに野党諸氏もオール・ボケボケのようであります・・・

・・ったく・・・日本はノーテンキな放置国家だなあと言いたくなります。この調子でいきますと民主主義の知恵であるシビリアンコントロールという原則はわが日本では名ばかりとなり、わが自衛隊は親分のの米軍と一体となって一段としゃしゃり出ることになるのではないか、などというのは考え過ぎでありませうか・・・・岸田君よ、戦争はお遊びなんかではないのですよ、軍服なんか着こんでご満悦なようでは、「文民」代表の政治家としては失格ですよ!

それに、首相の側近たちは何をしていたのですか!首相が自衛官の勧めで戦車に乗りそうになったときに、「首相、いけません、おやめになってください。そんなことをしたらシシビリアンコントロールの原則に反しますから」と首相を諌めるのが仕事というものでありませう。何も公邸で宴会騒ぎしたり、非常識な失言をすることだけが仕事ではないでせう。そんなこともできないようでは、「側近だ」とえらそうにしていても、軍服ならぬ首相の衣(威)を借りる太鼓持に過ぎませぬ・・・

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・
グッドナイト・グッドラック!