UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

雪、降りました、積もりました・・・

2022-01-22 01:05:26 | 日記
昨日、午前三時ごろ、もう寝なくてはと思い、その前に夜空を眺めて、きょうもまたムダに過ぎてしまったなあ、一日を少しは反省しようと、北側の窓のカーテンを開けましたら・・・・外は真っ白でした。

雪です

日が暮れてからいつのまにか音もなく降り続け、積もっていたのです

今日の写真はわがガーデンの雪化粧を撮ったものです。写真では夜桜に見えないこともないのですが、正真正銘の雪、久しぶりに雪でした。冷気に包まれて輝く雪、冷たい透明な夜でした

でも、積もった雪を見てキレイだなあなどと思うのは雪国の人ではありませぬ。「細雪」という何やらロマンチックな響きがする言葉もあり、雪や雪景色はポエチックな雰囲気を感じさせるものではあっても、実生活上は雪はそれほど歓迎すべきものではないからです。GGIも若かりし頃、北の大地で、「大志を抱き」勉学に勤しむと称して四年間ブラブラ過ごしていたことがあるのですが、雪なんかキレイでもステキでもありませんでした。雪国出身ではない学生は、凍った路面に足をとられて転倒したり・・・雪は暮らしの一部でありました

その辺の事情を上手に詩に唄ったのが三好達治でありませう。あのたった二行の有名な詩です

 太郎は眠る 太郎の屋根に雪は降りつむ
 次郎は眠る 次郎の屋根に雪は降りつむ

雪国の暮らしなんかに関心がない詩人が唄った詩は、何だかピント外れでおセンチなだけであります

 汚れちまった悲しみに 今日も小雪の降りかかる

中原中也の有名な詩の一節です。おセンチなナルシズムに満ち満ちたキザたらしい詩です。己の欠陥を見せつけられるような気がする詩でありますので、GGIは自虐的にこの詩が好きです。雪国の人からすれば何言ってるんだ、「今日も小雪の降りかかる」ってあたり前じゃないか、それがどうした、小雪であればラッキーと思わなければ・・・大雪になったらたいへんなんだから、というところでありませう

詩はともかく雪を歌ったポピュラーソングにはなかなかいいものがありますね。雪がコンコン、ワン公がどうのこうの、ニャン公がどうのこうのというのんきな童謡の話ではありませぬ。たとえばサルバドール・アダモが歌うシャンソン「雪が降る」です。「雪が降る、あなたは来ない」というフレーズが繰り返される、とってもあきらめのワルイ歌です。そういえば「雪の降る町を」という歌もありましたね、おセンチに満ち満ちた歌ですけれど、いや、おセンチ満杯の歌でありますので、GGIは好きです。

雪のシーンがとてもグッドな映画もありましたね。たとえば「シェルブールの雨傘」のラストシーン、雪が降り積もった夜のガソリンスタンド、偶然の再会、雪の白さが効果的であり、とてもすてきでありました。またフランソワ・トリュフォー監督の「ピアニストを撃て」(1960年)のラストシーンはとても忘れがたいものでありました。ギャングの抗争に巻きこまれた元天才ピアニストを演じるシャルル・アズナヴールが追い詰められ、降り積もった雪の中を必死にはいずり回るシーンです。そういえばあの名作、イタリア映画「道」(1954年、フェデリコ・フェリーニ監督)にも雪のシーンがありました。荒くれ旅芸人ザンバーノを演じるアンソニー・クインが仲の悪い綱渡りを得意とする別の旅芸人を殴り殺すのを目にして気が狂ってしまった、ジュリエッタ・マシーナ演じるジェルソミーナがとある峠で毛布にくるまれて静かに眠っている隙に、彼女を見捨ててオンボロのオート三輪で逃げ去っていく、なんとも悲しいシーン、峠に降り積もった雪が印象的でありました・・・そして、この映画、時を経て我が過去を悔いてアンソニー・クインが夜の砂浜で夜空を見上げてハラハラと涙を流しながら狂ったように砂まみれになってのた打ち回るラストシーン・・・アンソニークイン迫真の名演技が心に残っています

文学作品では野坂昭如の自伝「行き暮れて雪」というのがありましたね。神戸で暮らしていた野坂少年、空襲で焼け出され、やせ衰えた幼い妹を背負って福井へと逃げのびたものの妹は影響失調で餓死、妹を荼毘にふすために自分で薪をなんとか用意して・・・という長~い、力作というよりは「焼け跡闇市派」と称された彼の原点を強く感じさせる非常に優れた作品です

などなど、まとまらない雪話になりましたが、最後に高校生が書いたすなおで簡潔な雪の詩を紹介しておきます

「雪」     庄司 卓哉

音は聞こえなかった
カーテンを開けたら真っ白だった
鼻の奥が「ツーン」と冷たい匂いがした
「ズシ ズシ ズシ」足跡がついた
ぼんやり明るい夜になる
音は聞こえなかった

庄司君は秋田県立秋田きらり支援学校の生徒さんです
http://www.kagayaki.akita-pref.ed.jp/kirari/topics/detail.html?id=137から引用しました

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ

グッドナイト・グッドラック!
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