黎明の廃人日記

最近はやや更新が途切れがち、斜めに流し読み。
貴方にも私にも人生の役には立ちません。

キャノンじゃなくてキヤノン

2006年02月01日 19時57分36秒 | Weblog
2月1日分。

 キヤノンの家庭用プリンターに使うインクカートリッジは、基本的に一回使いきりの消耗品である。で、この空になったカートリッジに、まあキヤノンのカートリッジに限らないが、例えば他の会社のインクを再度充填するなどして売っているリサイクル品があるそうだ。プリンター、インク、リサイクルくらいの単語でグーグル検索してやれば、そういったリサイクル品のカートリッジを販売しているネットショップなんぞが引っかかってくる。当然、キヤノンの正規品カートリッジよりは安い。で、こういったリサイクル品カートリッジは特許権の侵害であるとして、キヤノンが裁判に打って出ていたのだという。
 一審の東京地裁ではキヤノン側の請求は棄却されており、控訴して知的財産高裁へと状況が進んでいた。キヤノン側は「純正品は設計上、使い切り品。廃棄されたカートリッジに多くの手間と技術、設備を利用してインクを再注入した再利用品は、特許権侵害に当たる」と主張しており、一方で訴えられた方、リサイクル品を輸入・販売していたリサイクル・アシスト社は「インクの再注入は『修理』にすぎない」として反論して真っ向から対立していたが。この知的財産高裁での判決が出たと言うのが今日のネタ。結果は、キヤノンの逆転勝訴である。但しこいつには裁判所から留意しておくべき意見も付いており、曰く「リサイクル品自体は奨励されるべきもの」という指摘がなされていたりする訳である。
 キヤノンに限らない話だが、家庭用のインクジェットプリンターの場合、プリンター本体ではほとんど利益が出ない。ゲーム機のハードも同じようなもので、ハードを安価に大量供給しておいて、後はソフトを継続的に売っていくことで利益を持っていく。似たようなもので、プリンターも本体より替えのカートリッジを継続購入してもらうことで利益を取る。恐らくはiPodなんぞもこの類と推測されるが、あれはどう考えても、他の同水準のMP3プレーヤーよりも安価過ぎる。ではその分をどこからもってくるのかといえば、アクセサリーと、電池交換になる。アップル社に交換を依頼した場合、通常だと6800円+消費税といったような価格になるようだ。これまでは一万五千ほど持っていっていたそうだから、二回も交換すれば見事にもう本体をもう一台買うようなものだ。半額ほどになったとは言え、やはり高い。
 全く同じではないにせよ、初期的な段階では利益が出ず、後の段階で利益を回収するといったようなモデルのビジネスはたくさんある。そういった中で、言うなれば相乗りというか後からタダ乗りする形で乱入してくる新手が出ることもあるわけで、キヤノンとしてもそういった手合いに利益を持っていかれてはたまらない、という思考から訴訟へ持ち込んでいたはずである。似たような話としては、訴訟までは行かないにせよ、ネット回線網の話がある。みかかさんが必死こいて莫大なお金をかけて作った通信網を、例えばやっほ~さんとかが横からプロバイダとしてかなりの低価格で参戦して掠め取っていった、というような具合だ。まあ、使わせてもらう側としては非常に有難い話だが、作った側としてはたまったものではないだろう。高止まりされても、こちらとしては困ってしまうのだが。
 ただ、iPodの例でも出しはしたが、後から利益を回収するような類の場合、消費者側のランニングコストがかなり高くなる場合がある。ちなみにだが、iPodは自力で電池交換をするという選択肢も無いではない。これをやる場合、本体を自分で開けた時点で保障の対象外となるが、三千円だか四千円だかで送ってもらえるらしい。選択肢としては、悩むところか……。キヤノンのカートリッジなども高いと感じるところで、単色でも千円ちょっと、六色組みのものだと六千円にもなる。これを見てしまうと、まあiPodはともかく、カートリッジはリサイクル品を使いたくもなってきそうだ。ネットで情報をさらってみると、ネットショップでは物によっては定価の半額近いものも見受けられる。さすがにそこまで下がっていると質がおっかないが、安いものを使いたいのは当然の消費者心理だ。
 キヤノンはカートリッジで荒稼ぎしすぎだという指摘もあるし、リサイクルカートリッジ化を進めていけという裁判所側の注文も時流に乗ったものではある。実際問題、カートリッジは回収しているとは言え、店頭でポストに放り込むような形であるから、どの程度の回収率となっているのかは正味、分からんのではなかろうか。回収した使用済み品はセメント材料に再利用しているということらしいが、そもそもその話は、このニュースを聞いて初めて知ったくらいだ。取り敢えず知的財産高裁では勝ったものの、まだまだ難題は多そうな気配である。
(ネタ元:http://www.asahi.com/business/topics/TKY200602010118.html)
(参照先:http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20051104AT1G0400Y04112005.html)

 と言う訳で、ずずずい~っとキヤノン絡みのニュース話を先に持ってきておいて、個人的にこれ叩いてる時間が夜なので勝手にこんばんわなのですわよ皆様方。昨日も中央線快速でえらいめ遭ったと思ったら、今朝も今朝で若干遅れが出ていやがった罠。更にその煽りなのか総武線も混み合っているわ、山手線でも若干の遅れがまたしても出ていやがるわで、何か呪われてるんじゃないか今日はと思わなかったこともない訳だが、さてお祓いして効くのかどうか。
 ぼつぼつ仕事も忙しくなってくる頃合いで、と言うか今日から一週間くらいが一番忙しい……筈なのだが、ど~もまだ波が低い。局所的に高くなることは無いでもないが、全般にまだ水位が低い感じ。ま~た例によって後にずれ込んでくるんだろうなと思ったりしつつ、会社で空いた時間に日経ビジネスを読みつぶしていくのであった。電車と休み時間に文庫、会社での空き時間では日経ビジネス。文字ばっかりじゃないか。
 文字に埋もれて会社から帰ろうとしたら、今度は雨に降られるという罠。どうもずっとオフィスの中にいてまるっきり外へ出ないものだから、雨が土砂降りになっていても全然気が付かないという所がある。終わり間際になって、どうもテレビのサンドノイズみたいな音が遠くから聞こえるような気がするなと思っていたら、オフィスビルの外へ出てみてようやっと雨が本降りになっていたと気が付く不思議。
 冬場の雨は、場合によってはくそやろう止めやがれプチ殺しますわよと言いたくなることもあるが、今日のように景気よくどしゃどしゃ降ってしまうと、それなりのおしめりになるのでむしろ体感温度は上がる。これだけの雨量のときに上空に寒気が入っていたら、それこそ中央線快速辺りは大雪で止まるんじゃあるまいかと思ったりもするが。いい加減トラブルばかりの路線だけに、今更雪で止まってももう腹も立たない。この間の雪のときも、結局は止まったらしいし、と。
 雨で車内の床が濡れると、踏ん張れません。こけそうになりました。もうちょっと床工夫できんのかと思ったりしつつ、本日分お終い。

読み:なし
買い:なし
途中:文庫『空想自然科学入門』
累積読破:文庫0冊、コミックス0冊
累積購入:0冊

それでは。