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古い曲が気になる

永代橋を渡る

2011-05-27 | 日記・エッセイ・コラム

                 

 ひさしぶりに、秋葉原にでかけた。近所の家電量販店で製品を買うと数千円はするものを、100円くらいのジャンク品をバラして、部品をとって組み合わせるといいかな、と思ってジャンク品をあさりにでかけたのだ。ほしかった物は、120円くらいでそろった。あとは、バラして、必要な部品だけとって、いろいろハンダ付けをしたりすると、目的の物はできる。

 震災直後の薄暗さはもうなく、秋葉原は、震災まえのにぎわいがもどっていた。パソコン・ブームのころとは違って、電気街はそこそこだが、アニメオタクの街のにぎわいが復活していた。チラシくばりの、メイド姿のおネイちゃんが街にあふれていた。

 秋葉原の帰り、人形町通りを歩いて、人形町まででた。ここは、歌舞伎公演の明治座や水天宮がある、古い街だ。町名のように、江戸時代は、人形作りの職人の町だ。日本橋も兜町も近いせいか、東京の下町繁華街では、雰囲気が洗練されている。数年まえ、日本橋小網町のビル改修工事で、この界隈に一年くらいいた。なつかしい街だ。

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 人形町から、東京証券取引所がある兜町を通って、茅場町にでた。ここまで歩くと、永代橋を歩いて、隅田川をみたい。永代橋の上で立ち止まって、隅田川のほとりの高層ビル群の夜景をながめた。

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 門前仲町まで歩いて、もっとむこう、東陽町まで行こうか、と心は騒いだ。だが、思いとどまり、涙をのんで、門前仲町で地下鉄に乗った。

 そのまま歩いて東陽町までいくと、きっと、その先、荒川の橋を歩きたくなる。荒川大橋を越えると、いっそ、江戸川まで行こうか、と思う。そうして、千葉県の、じぶんの部屋まで歩くことになる。日本橋小網町からは、3時間かかる。

 いい運動にはなる。歩いていると、さまざまな考えが浮かぶ。それも楽しい。しかし、今夜、読もうとしていた本もあった。観ようとしていた映画もある。やたらと歩くのが好きだが、そればかりやってられない。

 そんなわけで、涙をのんで、門前仲町で長い散歩を断念して、地下鉄に乗って帰ってきた。