Ommo's

古い曲が気になる

ふたたび、ちあきなおみのこと

2010-05-26 | 日記・エッセイ・コラム

                       

相撲とヤクザのことが、テレビで問題になっている。なにをいまさら、と思う。相撲も、音楽も、芝居も、興行は、何百年も前から、そっち側の社会の仕事だ。いまはスターというが、役者が、河原乞食とさげすまされているときから、ヤクザ者が興行を仕切ってきた。いまもそれは変わらない。それでいいだろう。興行なんて世界は、カタギの人ができることじゃない。

                 

写真家の戸張さんと、銀座4丁目の交差点を歩いているとき、なぜか、ちあきなおみの話になった。ずっと『黄昏のビギン』のことを考えていたせいだろう。

もう30年くらい前のこと、酒場で、「だれが一番、歌がうまい?」という話でもりあがった。エラ・フィッツジェラルドがいい、サラ・ボーンだ、ペギー・リーが好きだ、といろいろ名前がでて、わたしにふられた。「最高に歌がうまいと言うなら、ちあきなおみ、かな」と答えた。わたしは、ロック、ジャズが売りのレコード屋の店長だ。プロだ。専門家だ。そのわたしから、「演歌」のちあきなおみの名前がでたので、一気に座がシラけた。

いまも、「だれが、一番、歌がうまい?」と聞かれたら、躊躇することなく、「ちあきなおみ」と答える。

旦那さんが亡くなって、殉死するように歌をやめた。その生き方も、壮絶ですごい。それほど、人に愛されたいものだが………

  ちあきなおみ 「黄昏のビギン」 http://www.youtube.com/watch?v=VcsDsOEU3B0