Ommo's

古い曲が気になる

真夏日だ。

2010-05-05 | 日記・エッセイ・コラム

                       

きょうは、真夏のような天気だった。日差しも強い。丸の内から皇居まで歩こうかと思っていたが、朝からの強烈な日差しに怖じ気づいて、やめにした。近所を散歩して、部屋のなかで本を読みながら、居眠りだった。

東京駅北口の丸の内に、三菱一号館美術館がオープンした。開館記念の「マネとモダン・パリ」展をやっている。しかし、真夏日のゴールデンウィーク最終日に、都内の美術館にいくのは、得策でないと思い直した。混雑は、それはすさまじいはずだ。入館するのに、長時間炎天下に並ぶのは、老人の身体によくない。来週以降の平日に行ってみることにした。

  三菱一号館美術館 http://mimt.jp/index.html

          

真夏日の、近所の花。

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きょう、ときどき居眠りしながら読んでいたのは、『諜報・工作 ラインハルト・ゲーレン回顧録』 (ラインハルト・ゲーレン著 赤羽龍夫訳 読売新聞社 1973年)。

ライハルト・ゲーレンは、第二次世界大戦のとき、ドイツ軍の東方外国軍諜報の責任者だった。つまり、対ソ連諜報のスペシャリストだ。対ソ連スパイのトップだったのだ。ドイツ敗戦後、ソ連関係の膨大な諜報資料をもって、部下の将校たちをつれて、アメリカ軍に投降した。アメリカは、戦犯に問わずに、彼をトップにした対ソ連諜報組織をつくった。「ゲーレン機関」だ。

この「ゲーレン機関」は、1956年、アメリカから西ドイツ政府に移管され、正式にドイツ連邦情報局になった。ライハルト・ゲーレンが初代長官だ。1968年に退官するまで長官をつづけた。

絶版になっているこの回顧録は、古書では7,000円~10,000円と、とんでない値段がついている。連休のための一冊に、図書館にリクエストしていた。(中央図書館は遠い。電車では、東京メトロ東西線で西船橋まで出て、JR総武線に乗り換える。歩くと片道2時間くらいかかる。インターネットで予約をすると、中央図書館の蔵書は、近所の小さい図書館に届いて、電話で知らせてくれる。)

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米ソ冷戦真っ最中の対ソ連諜報機関のトップの回顧だ。メチャクチャおもしろい。そして、じつに冷静な分析をしている。一般新聞や雑誌の記事、ソ連政府が出す正式な統計資料なども、貴重な諜報資料、と言っているのもおもしろい。そこから読みとれる情報も多いという。スパイ小説とはかなり違う。学者たちのようだ。

第二次大戦で、アメリカとソ連は同盟国だった。つまり、米ソは、戦ったことがないのだ。だから、アメリカは、対ソ連諜報に経験もないし、真剣さも、緊張度も、ドイツ人にはとうていかなわない。ドイツとソ連は、すさまじい犠牲者をだして戦った。そこでの諜報の精度は、作戦の勝敗を決定した。

ゲーレンの部下たちは、ソ連との開戦前からソ連国内に潜入して生活していたのだ。ロシアで生まれ育った、ドイツ系ロシア人たちだった。ゲーレンのもとで情報を分析する将校たちもまた、ロシア生まれのドイツ人が多かった。現場のスパイも、無線を傍受する兵も、それらの情報を分析する将校たちも、アメリカ軍や後のCIAとは、較べようもないほどロシア・ソ連に精通したプロフェッショナルで、洗練されていたのだ。