tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

炭酸ガス(CO2)が資源になる日

2023年02月20日 15時36分11秒 | 科学技術
空気中のCO2の濃度の増加、地球温暖化の加速、氷河の後退、永久凍土の溶融、そして海面の上昇・・・。

それだけではありません。異常な気候変動、異常な高温・乾燥の発生、集中豪雨の深刻化、まさかCO2が地震にまでは関係ないと思いますが、もしかしたら「今は解らない」という事なのかもしれません。

いずれにしても化石燃料の多消費は人類社会に深刻な影響を与えつつあります。

その一方で、人類の英知はその解決に向かって地道な対応を始めています。このブログでも、注目すべき技術開発などについては折に触れ取り上げて来ています。

今日の日経産業新聞には、水素菌(水素酸化菌)によるCO2を原材料にしたタンパク質生産技術についての記事がありました。

水素菌というのはCO2を食べて、動物性蛋白質を作る性質があり、種々の水素菌の中でも効率の高い「CO2資源化研究所」(東京江東区)の開発した「CUDI水素菌」に着目した富士フイルムが、その水素菌の驚異的な早さでの増殖を可能にしているそうです。

その増殖のスピードですが、1時間で2倍に増えるのだそうで、大したことは無いようですが、10時間で1000倍(正確には1024倍)20時間で100万倍、24時間(1日)経つと1600万倍、つまり1グラムが16トンという事だそうです。

出来るのは粗蛋白質で、プロテイン、バイオ食品から、組み換え技術でプラスチック、ジェット燃料などになるのだそうです。

もともと炭素は、食品からエネルギー源まで、人間に最も役立つ元素ですが、燃えて(酸化して)CO2になって安定するのです。

それをまた炭素と水素にバラスのが大変なのです。
それが細菌や触媒の力で出来れば、というのが温暖化対策の基本でしょう。

自然の中では木や草の葉緑素がCO2を吸収し、太陽光線を使って光合成で幹や枝や葉や花・果実をつくり、余った酸素を放出して、動物の生命を支えているのですが、人間が化石燃料の多用でそのバランスを崩してしまった事が困った結果になっているのです。

矢張り人間の責任で、太陽光・太陽熱の利用、それに触媒の働き、更には細菌の活動などを生かして、化石燃料の消費を減らさないといけないのでしょう。

そうした中で、CUDIのような水素菌を発見してその働きを大幅に促進して新しい未来を切り開く様な技術が日本で進んでいる事には、やはり確りと注目しておかなければならないのではないでしょうか。