tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

2022年10~12月GDP一次速報を見る

2023年02月14日 17時38分49秒 | 経済
今日内閣府から、標記GDP速報が発表になりました。

動きは僅かです。マスコミでは2四半期ぶりのプラスで前期比0.2%、年率換算0.6%などと書いていますが、年率0.6%ならば正確には前期比は0.15%と微小です、前7~9月期はマイナス0.3%でしたから、昨年後半は下がり基調がいくらか上がったという冴えない状態だったのですが、何か動いているようです。

この所の経済成長率はコロナの感染状況によって波を打っているようで、昨年4~6月は第6波の減衰期で四半期GDPは前期比プラス1.1%、7~9月は第7波直撃でマイナス0.3%、ところが10~12月は第8波にも拘らず微小ながらプラスです。

ウィルスが主役の事ですから解りませんが、第8波になって、何か、コロナは怖くないといった雰囲気が出てきたようです。
政府もその雰囲気に乗ってマスクは自由との方針で、専門家の先生方の警鐘もほとんど無視されています。   

それで、経済活動活発化という流れが出てきているようです。インバウンドもじりじり増え、最近は新聞も厚くなって頁をめくれば国内旅行の広告ばかり目につく毎日です。

進行中の春闘も、物価上昇をきっかけに、経団連が賃上げOKという状況は、このままいけば、日本経済も少しは元気が出るといった予想も出来そうな雰囲気です。

そこでマスコミが重視する実質成長率だけではなく、みんながカネをいくら使ったかという名目成長率を見ますと、下のグラフになります。

      最近のGDPと消費の動き(単位:%)

               内閣府「四半期GDP速報」

GDP成長率(青)と、昨年まで不振だった民間最終消費支出(緑)の4半期ごとの名目成長率を共に対前年同期比で見れば、この所の消費支出の伸びの大幅な増え方が解ります。

ここでは2つ問題が在ります。
1つは、消費支出が増えないから日本経済は不振、とい視点から見れば、、消費支出が増え始めたことは日本経済の成長にとって大変結構という見方です。

もう1つは、消費支出が増えたのは、消費者物価が上がって、仕方なしに増えたので、消費が盛んになったのではない(茶色)。だから実質成長率はまだ低いという見方です。

さて、どちらが正しいかは、今後を見ないとわからない事ですが、プラス思考で可能性を考えれば、
・コロナが収まれば、みんなの生活が活発になり消費は伸びそうな気がする。
・物価上昇で家計支出が増えるのなら、物価が上がらなくなれば、実質消費は増える(緑と茶色の差の部分)。
・春闘の結果も後押しするかもしれない。

話は飛んで、これで、ロシアのウクライナ侵攻問題や米中対立激化が少しでも安心できるような方向に向かえば、世界経済の安定も期待でき、日本経済もその恩恵にあずかれると思うのですが、さて、今年はどんなことになるのでしょうか。