tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

2022年4月消費者物価2.5%上昇

2022年05月20日 11時53分00秒 | 経済
今日、総務省から4月の消費者物価指数が発表になりました。このブログでは、4月には消費者物価の上昇は2%を越えるとみて来ていましたが、2.5%とは予想外の大幅という感じです。

これから日本でも消費者物価の上昇がいろいろ問題になりそうなので、消費者物価の種々の問題も、取り上げてきたいと思います。

消費者物価の総合指数にはご承知のように3種類ありまして、全てをカバーする「総合」、不規則の動きが多い生鮮食品を除いた「生鮮食品を除く総合」、海外の変動に影響されるエネルギーも除いた「生鮮食品とえねるぎーを除く総合」の3つです。

生鮮食品とエネルギーを除く総合は、日本経済そのものの基本的な状態を表すので、アメリカでは、は「コアコア(核心部分の意)」と呼ばれ、その国の経済の在りかたが物価に反映する部分と理解されています。(政府のインフレ・ターゲット2%などはこの部分の「はず」です)

ということで、最近の動きをみましょう。
次のグラフは、2000年=100とした、消費者物価指数の動きで「原系列」と呼ばれ。前月比の上昇率とか、対前年同期比上昇率とかいうのはこの数字から計算されます。
    消費者物価指数の原系列の動き(2020年=100)


一目してお解りのように「総合」と「生鮮食品を除く総合」は絡まり合っていますが、だいたい同じ動きです。生鮮食品は、天気などに影響されますから、豊作だと安くなり凶作だと高くなりますが、豊作と凶作はかわるがわる来ますから、長い目で見ると、絡まり合って大体似た動きになるわけです。

更にエネルギーも除いたのが緑の線ですが、これが日本経済自体がインフレ体質かどうかを見る、アメリカでいえばコアコアの動きです。
ずっと低くて、しかし少し上がって来ています。

次のグラフを見て頂けばはっきりしますが、これは対前年同月比の上昇率です。青と赤の線は今年1月から1年前より上に来ていますが、緑の線は3月までマイナスで、4月で初めてプラスに転じたところです。

      この1年間の消費者物価指数の対前年同期比変化率

 エネルギーと野菜などの値上がりがなければ、日本の消費者物価はほとんど上がっていなかったという事です。
 
ただ4月からは、円安で エネルギー以外の輸入品の値段も上がっていますし、加工食品や、対個人サービスなどの価格も、長い間我慢してきたこともあって、この際少し値上げさせてくれといった事情もあり、いわゆるコアコアの部分も上昇してきているようですから、5月以降の動きに注目の必要がありそうです。

2つほど付け加えておきましょう。
先ず、マスコミでは4月の消費者物価上昇率2.5%というのと2.1%というのがあるようです。2.5%というのが総合で、2.1%というのは生鮮食品を除く総合の数字です。

もう1つですが、消費者物価の中身の動きは、大まかには10大費目別の上昇率でわかりますが、4月分の10大費目別の対前年同月上昇率は以下の通りです。

食料   102.9
住居   101.0
水道光熱 114.3
家具等  103.7
被服等  102.4
保健医療 98.9  
交通通信 93.0
教育   101.1
教養娯楽 103.1
その他  102.1    以上