tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

デジタル化の流れは何処で滞留

2022年05月21日 14時54分51秒 | 経済
昨年、「デジタル国家に近づくには」と書きました。
デジタル庁が出来、デジタル大臣がおかれ、事務方のトップのデジタル監には大学教授(女性)が就いて、菅総理はニコニコ顔でした。

デジタル化推進役として、大臣と大学教授出身のデジタル監のコンビで、いよいよ日本のデジタル時代の幕開けかと期待したのですが、差し当たってマイナカードの普及などの動きはあったものの、その後格別な動きはなかったという印象でした。

岸田内閣になって、大臣は新進の女性政治家が付き、デジタル監には内部昇進の、今度は男性が付きました。

男性か女性かはどうでもいいのですが、デジタル化は進んで行かなくてはならない事ですから,しっかり構想を練り上げて、世界に恥ずかしくないデジタル日本に向けて精力的に動いてほしいと思っています。

 そういう意味では、国の政策としては、折角作ったマイナカード・システムを、本格的に使いこなして、デジタル日本の基礎とすることがまず必要でしょう。
 勿論、デジタル庁としては、それが基本のはずですから、マイナカードの普及が最優先ということになるのでしょう。

これまでも、マイナカードを作ればこんな特典がというキャンペーンがやられています。、マイナカードを作って、それをお好きなカード会社に登録すれば、そのカード会社からこれだけポイントがもらえますといった飴玉で、普及を進めていますが、どうも徹底しないようです。

既にマイナカードを作っている人は、自分の使っているカード会社などのどれかに登録して1000ポイントか5000ポイントか貰うかもしれませんが、それが欲しくて新たにマイナカードを作る気なるかどうかです。

本当は、マイナカードを作れば、いろいろと便利なことが増えるから作るというのでないと本格的な普及には届かないのではないでしょうか。

去年からでしょうか、健康保険証が小さな紙カードになって、便利かと思いましたら、ペラペラの紙で、診察券と一緒にカード入れに入れても取り出しにくいし破れそうで心配でした。

そこで、「マイナカードに登録すればマイナカードが保険証になりますよ」というデジタル庁の助言に従い登録しました。

これで安心と思ったのですが・・・。私も高齢者の常として何か所かの病院・薬局に行っています、しかし、何処も「うちではまだ使えません」とそれが当たり前のような返事でした。ネットで調べたら、国分寺市で使えるところは寥々たるものでした。事前調査が不足でした。

ところで、知識は高い所から低い所に流れます、情報は早い所から遅い所に流れます、人の行動は不便なところから便利な所に流れます。

マイナカードが使えるのは、住民票、印鑑証明、納税証明、所得申告など年に一度あるかないかの用事でしょう。老人がこれはと思った健康保険証もダメでした。(病院・薬局が怠慢と責任転嫁で済ませますか?)

飴玉で釣ってマイナカードを作らせるよりも、こんな便利なものなら早く作ればよかった、とみんなが思う利用環境をどう作るかが先ではないでしょうか。