tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

「取らぬ狸・・・」になりませんように

2021年02月05日 20時52分28秒 | 政治
「取らぬ狸・・・」になりませんように
 新型コロナ制圧大作戦は、いよいよワクチンの力を借りる段階に入ってきたようです。

 日本ではまだ緊急事態宣言頼りという段階ですが、アメリカ、イギリス、EU、中国、インド、韓国など、多分ロシアもワクチンを接種し、その効果を期待する段階に入っているのでしょう。

 そうした状況の中で、どうも、問題になりそうなのが、ワクチンの供給不足という事のようです。
 ワクチンを作るには、ワクチンの元になる新型コロナ菌を大量に培養しなければならないのでしょうが、専門家によりますと、そのプロセスが一番時間がかかるという事のようです。

 先日取り上げました、 アストラゼネカ社が、日本に供給すると約束した1億2千万回分についても、3000万回分は供給するが、残りの9000万回分は、日本の会社に培養から製品に仕上げるまでを任せるという事のようです。

 生きた新型コロナウィルスを使わない「DNAワクチン」の研究は日本でもやられているようですが、政府からはこの言葉も聞かれません。 

 報道によりますと、アメリカでも、イギリスでも足りないという事のようですが、そこで心配になるのは、日本で、現実にどのくらい確保出来るのかという問題です。

 日本の政府は、初めから国産ワクチンという考えはなかったようで、外国製の輸入枠確保ばかり言っていました。

 もともと日本は安倍政権以来、学術研究などを軽視する気風だったのでしょうか、日本学術会議なども、戦時中の大政翼賛会が良いと思っているように見えます。
ですから、学術、研究開発といた分野の予算はあまり増えていません。
 
 この基本的姿勢は、対コロナでも一貫していたようで、日本の開発力は宛にせず、外国頼みになっていたように思われます。

  前にも指摘しましたように、主要国はそれぞれに自前でのワクチン開発体制を懸命に作っていますが、科学技術先進国の日本が、なぜ国の方針として自国開発体制を取らなかったのかは、私にとっては新型コロナ問題始まって以来の謎です。

 いずれ国会で誰かが理由を問うかと思いますが、未だに政府はワクチン確保は「外国との確約」で済むと考えているようです。

 すでに日本政府の行動は、2月中旬から医療関係者への接種をはじめ、高齢者については4月以降と、主要国の中ではずいぶん遅いスタートになってしまいましたが、接種開始は当然緊急事態宣言解除との関係もあるべきと考えられます。

 この辺りのワクチン供給体制との擦り合わせ、必要数の確保の確認といったことは、国民にもはっきりした説明があるべきでしょう。

 ここにきて、アメリカでも、イギリスでも不足といった報道がされる状態は、国民には大変な不安材料です。

 恐らく、ワクチン不足が深刻になれば、東京オリンピック、パラリンピックの開催にも影響が及ぶと考えられます。
 
 杞憂であれば幸いですが、最も大事な、ワクチンという新型コロナ対策が「取らぬ狸の皮算用」だった、なんてことにならないことを願っています。