tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

緊急事態宣言解除で済むのか

2021年02月27日 20時06分26秒 | 政治
緊急事態宣言解除で済むのか
 日本の新型コロナ対策は、何か堂々巡りをしているようです。今回は、2回目の緊急事態宣言の解除をどうするかという事で、第1回の時と同じ問題が繰り返されているわけです。

 結局、3月7日までと期限を決めたことが原因なわけで、更に、さかのぼれば、何故3月7日にしたかという問題に突き当たるわけです。別にコロナウィルスと相談したわけではなく、いわば相手との相談なしに一方的に決めたわけですから、コロナウィルスの方は3月7日にはお構いなしに、一生懸命増殖しようと努力しているわけです。

 いわば自分で決めて、それに自分が縛られて困っているという、まさに自縄自縛そのものというのが現状の姿です。
 ではなぜ3月7日にしたかというと、それは我々にはわかりませんが、多分、単に2ヶ月ぐらいすれば、その時は何とかなっているだろうという全くの「腰だめ」だったのでしょう。ですから勿論3月7日に決めた理由などは説明も何もありません。

 通常の問題解決プロセスであれば、これこれが達成できて、問題の解決のめどが立った時というのが解除の時期でしょう。

たしかに政府は感染者数、再生産率、病床の逼迫状況などなど基準らしきものは決めているようですが、それが達成されたからと言って、これで安心できる状態になったといったものではなく、結局は、解除しますが、行動制限は続けます、十分気を付けてください、また感染者数がリバウンドするようでしたら、改めて制限をしますという事でしょう。

 つまり、自分で決めた期日が来たから解除しますが、自信があるわけではありません、従来と同様気を付けてください、といいうだけの事です。また同じことの繰り返しになるという恐れや不安を持ちながら、また「腰だめ」でやってみるというだけのことです。

 振り返ってみれば、こうした政府決定の仕方は、最初から全く変わっていません。違っているのは「GoToは当分やりません」という事ぐらいです。これは前回の失敗に懲りたからでしょう。という事は当時繰り返し発言していた「GoToで感染者が増えたのは100人か300人」というのはとんだ間違いだったという事の反省に立っての話でしょう。しかし、そうした発言を何回もしていたこ事については口を拭って素知らぬ顔です。

 こうした政府の態度を見て来ていれば、政府のやって来たことは、適切な根拠や自信があってのことではなく、ほとんどが「当て推量」「腰だめ」の類であることがはっきりしてきます。

 そんな事をやりながら、国民に政府を信用しろとか、政府の指示に従えと言っても無理筋というものではないでしょうか。ついでに憂さ晴らしをすれば、国会議員も官僚も、いろいろと税金の無駄遣いをしながら、国民にはきちんと税金を収めなさいという(真面目な政府なら結構ですが)のも「良く言えたものだ」なんて言いたくなります。

 ところで、世界の情勢を見ていますと、対新型コロナの戦略はすでに「ワクチンの時代」に入って来ているように思います。この点でも日本の政府は、自主開発も当然含むワクチン確保の段階から、全く出遅れてしまっています。
 何万回分とか何十万回分入荷とか接種とかの新聞の見出しですが、差し当たって必要なのは「何千万回分」ではないでしょうか。

 国民が真面目でお人善しなのをいいことに、余りにいい加減なことを続けるのは止めて頂きたいと、最近はつくずく感じるようになりました。以上、残念ながら、率直な感想です。