tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

バイデン政権のアメリカとどう向き合うか

2021年02月01日 20時09分12秒 | 国際関係
バイデン政権のアメリカとどう向き合うか
 難産の末みたいな感覚ですが、アメリカがバイデン政権になって世界中がほっと一息
という所ではないかと思います。

 ところでこれからの日米関係はどうでしょうか。
 確かにトランプさんの気まぐれと付き合うよりも安定した関係は期待できるのでしょう。しかし、これからの日米関係も、基本的に容易でないことは変わらないような気がしています。

 この4年間は、まさにトランプさんと日本(安倍さん)の関係だったように思えますが、これからは、バイデンさんと日本の関係というよりは、アメリカと日本の関係に帰るという事になるのでしょう。 

 本来の日米関係と言えば、戦後の「日本を戦争の出来ない国にする」という方針、言い換えればアメリカにとって安全な国にするために、戦争放棄・民主主義教育を徹底した段階から、米ソ対立の中で、対共産圏の防波堤の役割期待、経済面では、向上する日本の国際競争力からアメリカ経済を守るための、日米繊維交渉に始まり鉄鋼交渉、自動車交渉、半導体交渉といった日本製品の対米進出の防圧、そして最後にはプラザ合意で大幅な円高誘導による日本経済の成長阻止という歴史を作ってきているのです。

 そして今のアメリカは、経済力低下の結果の万年赤字国転落の中で、日本の巨大な蓄積資本をいかにアメリカのために役立てるかが大きな問題となっているのでしょう。

まともに考えれば、万年赤字国になったアメリカが、覇権国としての役割、そのための活動をするだけの力を持った国になるためには、改めて、アメリカ自体の経済力、国際競争力を世界最高水準に上げていくことが必要でしょうが、それは容易な事ではありません。

確かに、ビジネスでも技術でもアメリカの多様な開発力は偉大ですが、それを製品、商品にするのは殆ど中国をはじめとした途上国のモノ作りです。

せめて航空機はアメリカでと考えたのでしょうか、日本には航空機は作らせないとしても、ボーイング機の部品、部材は大幅に日本製です。

こうしたアメリカが、覇権国にふさわしい健全な経済状態を回復するのには国民全体にそれだけの意気込みが必要でしょう、しかし、現在のアメリカ、分断状態のアメリカでは、そのために国民が一致してといったことは至難でしょう。

当然日本への種々の要請・要求は出て来るでしょう、アメリカが日本を自分にとって都合の良い国にしたいという気持ちは、本来アメリカという国の意思であって、大統領によって変わることはないでしょう。

 そのアメリカに対して、日本はいかなる態度で臨むべきかという基本理念を菅政権は持っているのでしょうか。
 アメリカに押され押されて集団的自衛権まで来たしまった日本ですが、経済面でのアメリカへの協力と武力行使の問題は、平和憲法を持つ日本としては、確り分けて考えるべきでしょう。

 経済の場においても、基本的な考え方は、日本経済とアメリカ経済を共に健全なものにする為に役立つかどうかが判断の基準になるべきでしょう。

 そして、そうしたことが出来るためには、日本の持つソフトパワーを徹底して磨き上げておくことが必須でしょう。

 今の、政権、政権の維持だけに汲々として、視点は近視眼的、進むべき方向も理念も国民によく解らない様な政権で、その大役は果たせるのではないでしょうか。
多くの国民は心配しているように思われますがこれからどうなっていくのでしょうか。