tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

北海道のIR誘致断念に賛意

2019年11月29日 22時58分46秒 | 文化社会
北海道のIR誘致断念に賛意
 現政権がアメリカに背中を押されたのか、 日本にもカジノを作りたいと言い出し。統合型リゾート(IR)という呼び名で、まずは国内に3か所と決めました。

 それに対して8つの地方自治体が候補地に名乗りを上げて来ましたが、今日北海道が候補地から降りることを表明しました。
 このブログとしてはその決断を高く評価し、最大の賛意を送りたいと思います。

 先に、オリンピックのマラソンなどの協議を札幌で、といいうIOCの決定については、突然の決定で大変としながらも、受け入れを表明しているのが北海道の首都である札幌市ですから、北海道が物事に引っ込み思案な地域ではないと思います。

 基本的な理解としては、「オリンピック」と「カジノ」の違いを北海道の道民諸氏が適切に判断した結果という形で理解すべきだと思っています。

 オリンピックは、「 競いの文化」の象徴で、古代ギリシャの「古代オリンピック」以来、オリンピック期間中は戦争はお休みというほどに重視・尊重すべき文化として認識されてきたものです。

 一方、カジノはというと、人間の最も低級な欲望の象徴である金銭的射幸心を利用して「金を儲けよう」という邪心の表れで、本来犯罪であるものを、国家が金のために合法化したものにほかなりません。

 今回の北海道の断念の理由としては、希少な動植物の生息する自然環境の破壊、急なことで、時間と費用の見通しが立たないなどと同時に、道の行った調査で、66%の道民が誘致に不安を持っているという点が挙げられています。

 この断念の理由は大変多様な配慮を含む、行きとどいたものですが、やはり最も大事なのは道民の3分の2が、カジノに「疑念」を持っているという点でしょう。

 人間誰でも、心から「賭博」が良いこととは思っていないでしょう。しかし時に金に目がくらんで、手を出すという弱さも持っています。
 特に一国のリーダーや、地方自治体の首長であってみれば、通常、歳入の不足に悩み、もっと歳入があればもっと良い行政ができるという意識に駆られて、その資金をIR誘致で得られるのであれば・・・、などと考えるのでしょう。

 首長ご自身も、1人の人間としては「カジノが良いもの」とは思っておられないのではないでしょうか。

 賭博は本来胴元が儲けるのもです。IRのカジノは地方自治体が胴元ではないでしょう。集客の落とす金のおこぼれにあずかろうという事なのでしょうが、カジノに吸い上げられた金は地元に落ちません。

 最後に、ひとつ付け加えれば、賭博は殆ど何らかの犯罪を伴います。これは賭博の本来の性格に根差すものでしょう。
 派生する病「ギャンブル依存症」も不可避です。誘致賛成の首長は、一度、個人としての自分自身に立ち帰っていただきたいと思うのですが、それでもカジノに賛成でしょうか。

 もう一つ、付け加えれば、民主主義の原則です、民意の調査をしていますか。