tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

経済政策が重要な時期に政治は何を・・・

2019年11月14日 23時15分46秒 | 政治
経済政策が重要な時期に政治は何を・・・
 世の中巧くいかないものですね。米中貿易摩擦は、アジアを中心に世界経済に影を落とし、日本経済も、深刻な影響を受けそうです。
 主要企業の決算は減益に転じ、今日発表の2019年7-9月期のGDP速報も、その辺りを反映したものになっているようです。

 昨年の10-12月期からこの7-9月期までの対前期の名目GDPの伸び率は、0.4%、0.5%、0.5%、0.1%で,7-9月期は、やっと微かにプラスです。  
 内訳は内需が+0.2%、外需が-0.2%で、四捨五入の関係でGDP合計は0.1%のプラスです。内需の内訳は民需が0.1%の増、官公需が0.6%の増で、政府支出に支えられた経済になっています(災害がひどかったからでしょうか)。

 安倍さんは「国民総活躍社会」などといっていますが、国民の方は白けていて、「別に活躍なんてしたくないよ」という意見の方が多いようです。
 スローガンや掛け声ではなく、国民が国づくりに頑張りたくなるような日本社会にすることが重要なはずですが、国民は将来不安から防衛的になるばかりです。

 今国会も、「お花見」の話で、前向きな国づくりのための議論などはとても出て来そうにもありません。
 「お花見」の話の問題点は、誰が見ても、筋の通らないおかしなことでしょうが、政府は一丸となって「無理が通れば、道理がひっ込む」を絶対多数を武器にやり通そうという雰囲気です。
 与党の中にも、普通の人の感覚を持った人がいてもいいと思うのですが、そういうまともな常識人は全くいないみたいです。

 海の向こうではトランプさんも大変のようです。テレビで見ると「嘘だ、嘘だ、でっち上げだ、魔女狩りだ」と絶叫していますが、品性や知性や理性のかけらも感じられない風情というのが実感です。
 
 アメリカの最大の問題は、自国の労働力を活用して、世界に通用する商品を作って貿易収支を改善するしかないのでしょうが(第一次所得収支やサービス収支は黒字ですから)、トランプさんの考えているのは「ドル安にして」それを達成という事なのでしょうか。

 こうした世の中になってしまったのも、社会学、政治学的には、ポピュリズムの流行、といった所に原因があるようです。
 外見をうまく飾って人気が出て票が集まれば、後は多数を盾にすればなんでも通るというのなら、それは民主主義の死でしょう。

 加えて、経済学的には、マネー資本主義の流行が、真面目にコツコツよりも、あぶく銭でも一攫千金の方がかっこいいというギャンブル資本主義を生み、せっかく作り上げた人間と資本が表裏一体の人間中心の資本主義(渋沢栄一流)が古臭くなったという事もあるのではないでしょうか。日本でもいよいよ公認の賭場を作ろうという事になるようです。

 なんでもアメリカについていこうという日本ですが、今、アメリカと日本で、政治が大揉めになっているという事もその辺りと何か繋がりがあるように見えて来ませんか。