tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

原発問題論議、恐ろしいデータの欠如

2019年11月20日 22時35分17秒 | 科学技術
原発問題論議、恐ろしいデータの欠如
 日本列島もいよいよ冬景色で西高東低の気圧配置、日本海側は雪も、という気象状況に続く説明で、フィリピン沖で台風27号が発生、沖縄に接近、本州も要注意(?)などと来て、一体どうなってるのと思うと同時に、また海面温度の上昇の問題が気になりました。

 ところで、原発の問題では、使用済み核燃料の始末、汚染水の廃棄、などが問題になっていますが、冷却水を排出、つまり温排水が火力などに比べてどうなのか、聞いた事がありません。
 ただ、火力は止まっている時は温排水は出ませんが、原発は、燃料棒がある限り、休止していいも冷やし続けなければならないはずです。このあたりのデータは現実にあるのでしょうか。
 
 という事で、原発が多くなったことが、海水の表面温度にどの程度の影響を与えているか、客観的なデータが必要になって来ているような気がしています。

 勿論、さらに重要な問題は使用済み核燃料の保管や、原発から出る汚染水の処理でしょう。
 安倍さんはオリンピック招致の時、有名な「アンダーコントロール」という発言をしました。当時から「嘘はよくないよ」といっていた人も大勢いましたが。今、汚染水は日本列島から溢れ出しそうで、いよいよ海洋投棄問題になっているようです。

 ここでまた正確なデータが必要です。福島の汚染水など、フランスの再処理工場の排水の濃度に比べれば、ずっと綺麗だという説もあります。フランスと組んでいるロシアのシベリアの工場はさらに問題が多いという報道もあります。

 こうしたものについても、客観的な数字があって初めて議論が人類に役立つものになるのですが、具体的なデータ比較は簡単には手に入りません。

 さらに自然放射能との関連で、人体にどの程度の影響があるかについても信頼できるデータには巡り合っていません。
フランスの再処理工場(アレバ)の排出が、許容限度内なのか、そうでないのか、日本の汚染水海洋投棄の判断も当然影響を受けるはずですが、今、問題になっているのは風評被害の方が中心のようです。これではまともな議論にはなりません。

 かつて、原発建設の増加で アメリカ中の河川が干上がる可能性があるという論文のあった事に触れましたが、最近の異常気象を見るにつけ、原発には放射能汚染をどうするかという、いわゆる「トイレの無いマンション」論議とともに、冷却水と海水の表面温度の上昇との関係についても、客観的な調査とデータの公表が必須だと思われます。

 福島の原発事故の時には、心配する国民にすべて ガイガー計を持たせたらと書きましたが、誰もが、望めば容易に最先端のデータを入手でき、データによって判断できるという事が、内では健全な民主主義を育て、外では世界人々の納得を得るための王道ではないでしょうか。