岸田さんが総裁選不出馬を表明して、マスコミによれば、ずいぶん多数の人が動き始めているようです。
自民党は、皆さんご承知のてえたらくですから、だれが出ても、混迷の日本を救ってくれそうもなさそうだな、などと感じてしまいます。
野党の方も、いずれ早晩総選挙と読んで、動き始めていますが、いずれにしても小党分立ですから、この党に託せばいいというわけには行かないようです。
せめて「小異を捨てて大同に」という考え方の党首が何人かいて、「おれが、おれが」ではなく、「国民や、世界のために」と考える人がいるかと期待するのですが、そんな気配はありません。
昔はそんな政治家がいました。例えば、石橋湛山のように、大正時代に「小日本論」を唱え、戦後、本当にそうなって、日本は大発展したような人、先見の明、洞察力の優れた人もいました。
しかし、今の政治家は、二世、三世政治家に代表されるように、政治家の秘書などから始まって、政治家という限られた専門分野しか知らない人が多いようです。
そして「選挙資金」のこを「政治資金」というように、「政治」とは「選挙に勝つ事」で、それが政治家の専門分野」ということになっているようです。
自民党の場合は特にこれがひどいようですが、これでは、国民のためとか世界のためといった政治になると、アメリカ従属ばかりで、自主性などどうにもならないのは当然です。
日本では、以前は「官僚が確りしているから日本は大丈夫」などといわれたものです。そして官僚もその気で頑張っていたようです。
ところが安倍政治になって、「決める政治」で官僚の人事権を政治が握るようになって、官僚は安倍さんの方ばかり見て仕事をするようになり、「官僚が確り・・」という事もなくなって、日本は迷走状態になってしまったようです。
安倍さんや岸田さんは沢山のスローガンを掲げました。挙げればきりがないですが、自分で思いついたのか、人から聞いたのか解りませんが、結構なことが多かったように思います。
しかし、意味が解って言っているのではありませんから「○○国民会議」などを作りますが、モノになったスローガンはありません。
アメリカの場合などはバイデンさんからハリスさんに代われば民主党支持者な熱狂してハリスさんを支持します。
アメリカでは、政権が変われば主要官僚4000人程は総入れ替えになります。学者や実業家も含め、アメリカには在野の国際的にも有名な人材が山ほどいるのでしょう。
そしてアメリカのリーダーは、アンドリュー・カーネギーのように、「自分より優れた人材を、自分の周りに集め得た人」ということになるのでしょう。
勿論、アメリカのやることが常に正しいわけではありません。日本を再び戦争をする国にしようとしたりします。しかしアメリカなりの民主主義の原理とシステムを守っているように思われます。
日本のように政治家がごく狭い政治家の家族や政治家の世界の中で育つような社会で、優秀な人材を集めたはずの官僚組織の能力発揮を、人事権を使って潰してしまうような政治家の行動はまさに政治家の自殺行為でしょう。
日本でもかつては実業家が、優れた政治家を育てようと「松下政経塾」を作ったこともありました。財界代表だった桜田武が「こんな政治家しか育てられなかったことを恥じる」と発言したこともありました。
財界が政治家を育てるのが良いという事ではありませんが、そうした関心を日本国民全体が持たなければ、日本は本当の民主主義国にはなれないでしょう。
そして、民主主義の本義から言えば、それは「選挙」を通じて国民が政治家を育てる意識を持たなければならないのでなないでしょうか。
まずは、盆暮れの付け届けが来るからとか、冠婚葬祭に、いつもご丁寧だからなどと考えていては、日本の政治はよくならないし、日本も救われない、という所から始めるのでしょうか。