司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

「インサイダー取引規制に関するQ&A」

2019-07-30 21:45:07 | 会社法(改正商法等)
「インサイダー取引規制に関するQ&A」を分かりやすく改訂しました! by 金融庁
https://www.fsa.go.jp/news/30/shouken/20190729.html

「株式投資等は資産形成のための有効なツールですが、現在は、インサイダー取引規制の内容を正確に知らないこと等により、必要以上に投資を控えている方も多いのではないかと考えられます。
 そこで、投資経験・知識の少ない方にも規制の基本的な内容をご理解いただけるよう、Q&Aに「基礎編(問1~7)」を追加する等の改訂を行いました。
(従前公表していた内容は、応用編としています。)」
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公証人の定款認証手数料は高過ぎる?

2019-07-30 18:07:32 | 会社法(改正商法等)
規制改革推進会議第20回行政手続部会
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/bukai/20190729/agenda.html?fbclid=IwAR0Sgm7l4drzw5-FKISxEXQsdBVRo61ERhMvWEiyLGWY0CxMdBcK5dPGrVY

 重点分野「商業登記等」について,前回に引き続き,法務省からヒアリングがされているようである。

「行政手続コスト削減に向けて(見直し結果と今後の方針)改定版(案)」も掲載されている。

 公証人の定款認証手数料もやり玉に上がっているが,単なるタイムチャージ的に捉えるのではなく,公証制度全体を維持する上での必要性の観点から検討すべきものであろう。設立登記の登録免許税(株式会社は,最低15万円)と比較しても,それほど高いとは思わないが。手数料の引下げに進めば,地方では公証役場の統廃合を余儀なくされ,利用者の利便性が著しく低下することになる,ということに考えが及ばないのであろうか。

「登録免許税額の合理性・相当性につき,財務省の説明責任が厳格に果たされる必要がある」という方向性でがんばって欲しいものである。
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「所有者不明土地問題と法定相続分による登記」

2019-07-30 17:31:19 | 空き家問題&所有者不明土地問題
 月刊登記情報2019年8月号の巻頭言である「法窓一言」に,佐久間毅「所有者不明土地問題と法定相続分による登記」がある。

 佐久間同志社大学教授は,法制審議会民法・不動産登記法部会の幹事でもあるが,過渡的な遺産共有状態を本来は公示すべきであるとして,「法定相続分による登記」を推奨されているようである。

 また,相続登記未了のまま放置している相続人に対する不利益として,

「その不利益としては,過料等の経済的不利益があり得るほか,法定相続分の取得すら善意の第三者に対抗することができないこととすることなど,売買等の他の原因による取得の場合と同様に,登記の懈怠により権利を失うおそれがあるとすることも考えられる」(上掲佐久間)

と提言されている。

 なかなか大胆な・・。
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「債権法改正と家庭裁判所の実務」

2019-07-30 16:29:02 | 民法改正
佐々木茂美・潮見佳男/監修「債権法改正と家庭裁判所の実務」(日本加除出版)
https://www.kajo.co.jp/book/40768000001.html

 時宜に適った好著ですね。お薦め。
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「地面師・成りすまし不動産詐欺と公証人認証」

2019-07-30 15:19:43 | 不動産登記法その他
 EVALUATION no.69(プログレス)に,小栁春一郎「地面師・成りすまし不動産詐欺と公証人認証~公証人の注意義務を否定しつつ司法書士の注意義務違反を肯定した東京地判平成29年12月4日判タ1454号205頁を中心に」が掲載されている。

 東京地裁平成29年12月4日判決は,「登記申請手続の委任状を認証した公証人について,本人確認義務を怠ったとはいえないとして,国に対する損害賠償の請求を棄却した事例」「登記申請手続の委任を受けた司法書士について,本人確認義務を怠ったとして,同人に対する損害賠償の請求を認容した事例」である。

 上記小栁獨協大学教授の論考は,地面師事件に関する裁判例を端緒に,事前通知(不動産登記法第23条第1項)の例外としての公証人による申請情報の認証制度(同条第4項第2号)の在り方について論じた稀有のものであり,参考になると思われる。
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相続放棄によって遺留分侵害額請求を免れることもあり得る

2019-07-30 13:29:10 | 民法改正
本橋総合法律事務所
http://www.motolaw.gr.jp/faq/iryubun/%E7%9B%B8%E7%B6%9A%E6%94%BE%E6%A3%84%E3%82%92%E3%81%97%E3%81%A6%E3%82%82%E9%81%BA%E7%95%99%E5%88%86%E6%B8%9B%E6%AE%BA%E8%AB%8B%E6%B1%82%E3%82%92%E5%8F%97%E3%81%91%E3%82%8B%E5%8F%AF%E8%83%BD%E6%80%A7/

 改正前からそうだったといえば,そうであるが。

 とまれ,相続放棄と遺留分侵害額請求の関係について,わかりやすくまとめられている。


 なお,文中,「2 相続放棄と遺留分」の項の「したがって」のパラグラフは,

「相続放棄後は、相続開始前の1年間より前に行われた贈与で、被相続人と受贈者のいずれかが遺留分権利者に損害を加えることを知らなかった贈与の場合には、遺留分の算定の基礎に含まれない」

が正しく,

「相続放棄後であっても、相続開始前の1年間より前に行われた贈与で、被相続人と受贈者の双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってした贈与の場合には、遺留分の算定の基礎に含まれることになります。」

と記載すべきである(コピペの際の修正ミスであろう。)。
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職務上請求用紙を不正使用した弁護士に対する損害賠償請求が認容

2019-07-30 08:57:06 | いろいろ
福岡地裁令和元年6月26日判決
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=88814

「本件個人情報が秘匿性等において強いものとまではいえないものの,本件取得行為が,弁護士である被告においてその資格を利用して行った,住民基本台帳法の要件に反するものであり,正当な手続を経なければ個人情報を取得されることはないとの原告の信頼を裏切るものであって,原告は,これにより,自己の了知しないところで,自己の個人情報が知られたことによる不快感,それによる実生活への影響に対する不安感を抱いたのであり(甲5),また,別件懲戒申立ての対象弁護士である被告が違法な手段により本件取得行為を行ったものであることから,より具体的で,大きな不安を抱くことになったことは容易に推認できる。そうすると,本件取得行為は,被侵害利益及び侵害行為並びに,原告の被った精神的苦痛の各点から見て,プライバシー侵害として,社会通念上許容される範囲を超えた,違法なものということができる。
 なお,これに対して,上記で検討した以上に,違法性を阻却する事情は見当たらない。」
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「懲戒権」&「嫡出推定」見直しへ議論開始

2019-07-30 00:13:21 | 民法改正
日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47919270Z20C19A7CR8000/

「親権者に必要な範囲で子どもを戒めることを認めている民法の「懲戒権」と、無戸籍者の主要因となっている民法の「嫡出推定」の見直しを議論する法制審議会の部会が29日、初会合を開いた。」(上掲記事)

 始まりました。

cf. 法制審議会-民法(親子法制)部会
http://www.moj.go.jp/shingi1/housei02_00301.html
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