司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

地籍問題研究会「変則型登記の現状と解消に向けて」

2019-07-04 23:09:44 | 空き家問題&所有者不明土地問題
地籍問題研究会
http://www.chiseki.org/event.html#25

 令和元年7月13日(土)の定例研究会で,標記テーマが取り上げられるようである。
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配偶者居住権が消滅することとなった場合の課税関係

2019-07-04 15:19:55 | 民法改正
令和元年度税制改正の解説 by 財務省
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2019/explanation/index.html

「相続税法の改正」503~504頁に,「配偶者居住権に関する相続税の取扱い」についての解説がある。


「配偶者が死亡した場合には、民法の規定により配偶者居住権が消滅することとなります。この場合・・・配偶者から居住建物の所有者に相続を原因として移転する財産はありませんので、相続税の課税関係は生じません(配偶者居住権の存続期間が終身ではなく、例えば10年といった有期で設定されて存続期間が満了した場合も、同様に贈与税の課税関係は生じません。)。」

「配偶者居住権の存続期間の満了前に何らかの事由により配偶者居住権が消滅することとなった場合(※期間の中途で合意解除、放棄等があった場合)には・・・配偶者から贈与があったものとみなして居住建物の所有者に対して贈与税が課税されるものと考えられます。」

ということである。




① 関係者が死亡した場合(二次相続)
イ 配偶者が死亡した場合
 配偶者が死亡した場合には、民法の規定により配偶者居住権が消滅することとなります。この場合、居住建物の所有者はその居住建物について使用収益ができることとなりますが、民法の規定により(予定どおり)配偶者居住権が消滅するものであり、配偶者から居住建物の所有者に相続を原因として移転する財産はありませんので、相続税の課税関係は生じません(配偶者居住権の存続期間が終身ではなく、例えば10年といった有期で設定されて存続期間が満了した場合も、同様に贈与税の課税関係は生じません。)。
 これについては、居住建物の所有者が使用収益することが可能となったことを利益と捉え、その居住建物の所有者に対してみなし課税をするという考え方もありますが、このように配偶者の生存中存続し、死亡に伴い消滅するという権利関係が生じるのは民法に定められた配偶者居住権の意義そのものに由来するものであることや、居住建物の所有者は配偶者居住権の存続期間中は自らの使用収益が制約されるという負担を負っていること、上記(2)③の評価方法の考え方からすれば、その負担は存続期間にわたって逓減するものであり、配偶者の死亡時にまとまって解消されるのではないことを踏まえれば、課税の公平上問題があるとも言えないことから、みなし課税をする必要はないと考えられます。

ロ 配偶者より先に所有者が死亡した場合
 配偶者より先に居住建物の所有者が死亡した場合には、居住建物の所有権部分について所有者の相続人に相続税が課されます。この場合、配偶者居住権は存続中ですので、所有者の相続開始時において上記(2)③ロの所有権部分と同様に評価することが考えられます(居住建物の敷地についても同様です。)。
 なお、居住建物の所有者から所有権部分の贈与があった場合も同様に贈与税が課税され、その課税価格は贈与時点における居住建物の評価額から配偶者居住権部分の評価額を控除した金額とすることが考えられます。

② 期間の中途で合意解除、放棄等があった場合
 配偶者居住権は、当初設定した存続期間をその中途で変更することができないと解されていますが、配偶者が放棄をすること、配偶者と所有者との間の合意により解除することが可能と解されます。また、配偶者が民法第1032条第1項の用法遵守義務に違反した場合には、居住建物の所有者は、配偶者居住権を消滅させることができます。
 このように配偶者居住権の存続期間の満了前に何らかの事由により配偶者居住権が消滅することとなった場合には、居住建物の所有者は期間満了前に居住建物の使用収益ができることとなります。これは、配偶者居住権が消滅したことにより所有者に使用収益する権利が移転したものと考えられることから、相続税法第9条の規定により配偶者から贈与があったものとみなして居住建物の所有者に対して贈与税が課税されるものと考えられます。
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