司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

商業登記法の一部改正

2013-03-01 14:36:04 | 会社法(改正商法等)
 昨年の第180回通常国会に上程された際の内容は,次のとおりである。

 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
 (商業登記法の一部改正)
第十四条 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)の一部を次のように改正する。
  第七条を第七条の二とし、第六条の次に次の一条を加える。
  (会社法人等番号)
 第七条 登記簿には、法務省令で定めるところにより、会社法人等番号(特定の会社、外国会社その他の商人を識別するための番号をいう。第十九条の三において同じ。)を記録する。
  第十九条の二の次に次の一条を加える。
  (添付書面の特例)
 第十九条の三 この法律の規定により登記の申請書に添付しなければならないとされている登記事項証明書は、申請書に会社法人等番号を記載した場合その他の法務省令で定める場合には、添付することを要しない。


 商業登記法の規定により登記の申請書に登記事項証明書を添付しなければならない場合であって,会社法人等番号の記載により,添付不要となるのは,ざっと見たところ,以下のとおりである。結構ありますね。


第15条
第47条第2項第11号ロ本文
第48条第1項前段
第54条第2項第2号本文
第54条第3項本文
第55条第1項第3号本文
第55条第2項
第77条第6号イ本文及び第7号本文
第80条第5号本文
第81条第3号及び第5号本文
第85条第5号本文
第86条第3号及び第5号本文
第89条第5号本文
第90条第3号及び第5号本文
第94条第2号イ本文及び第3号本文
第95条
第96条第1項
第96条第2項本文
第97条第1項本文
第98条第3項本文 ※「商業登記ハンドブック(第2版)」698頁
第99条第1項第4号
第99条第2項
第99条第3項
第100条第1項本文
第105条第1項第3号
第107条第1項第4号
第108条第1項第4号
第108条第2項第3号及び第5号
第109条第1項第2号及び第4号
第109条第2項第3号及び第4号
第111条
第114条
第115条第1項
第116条第1項
第118条
第122条第2項第3号
第123条
第124条
第125条
第126条第1項第2号及び第4号
第129条第3項
第130条第3項

 漏れがありましたら,御指摘ください。

【余事記載】
第38条
第42条第1項第3号本文
第42条第2項前段
第42条第4項
第42条第5項


【余談】
○ 「Aの場合その他の法務省令で定める場合」ex.不動産登記法第21条ただし書
 この場合においては,「Aの場合」は,「法務省令で定める場合」の例示であるから,法務省令においては,「Aの場合」も含めて規定される。すなわち,不動産登記規則第64条第1項第1号である。


○ 「Bの場合その他法務省令で定める場合」ex.不動産登記令第19条第2項
 この場合においては,「Bの場合」と「法務省令で定める場合」は,並列関係であるから,法務省令においては,「Bの場合」は規定されない。すなわち,不動産登記規則第50条第2項である。

 今回は,前者の「Aの場合」パターンであるが,どういう使い分けなのでしょうね?
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マイナンバー法案が閣議決定

2013-03-01 11:29:58 | 会社法(改正商法等)
讀賣新聞記事
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130301-OYT1T00474.htm?from=top

 いわゆるマイナンバー法案が閣議決定された。

「関連整備法案においては,商業登記法の改正も内容とされる予定であり,「登記簿には,法務省令で定めるところにより,会社法人等番号を記録する旨の規定が設けられ(これまでは,根拠がなかった?),併せて,商業登記法により添付書面となっている法人の登記事項証明書について,申請書に会社法人等番号を記載した場合には,添付することを要しない旨の規定も設けられる予定である」ということである。
※ ただし,適用場面は,多くはない。このような改正をするのであれば,不動産登記法等により添付書面となっている場合にも拡張すべきであろう。とはいえ,司法書士としては,申請代理の前提として会社の実態を確認すべきであるから,ぜひにとは言わないが。」(再掲)

 昨年の第180回通常国会に上程された際の内容は,次のとおりである。

行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
 (商業登記法の一部改正)
第十四条 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)の一部を次のように改正する。
  第七条を第七条の二とし、第六条の次に次の一条を加える。
  (会社法人等番号)
 第七条 登記簿には、法務省令で定めるところにより、会社法人等番号(特定の会社、外国会社その他の商人を識別するための番号をいう。第十九条の三において同じ。)を記録する。
  第十九条の二の次に次の一条を加える。
  (添付書面の特例)
 第十九条の三 この法律の規定により登記の申請書に添付しなければならないとされている登記事項証明書は、申請書に会社法人等番号を記載した場合その他の法務省令で定める場合には、添付することを要しない。



 商業登記法により添付書面となっている法人の印鑑証明書(例えば,会社分割による登記の申請における商業登記法第87条第3項のような場合である。)についても,申請書に会社法人等番号を記載した場合には,添付することを要しない旨の規定も設けることはできないか,とも思われるが,登記所内部でもアクセス制限があるようなので,無理筋であろうか。まあこちらも,司法書士としては,申請代理の前提として確認すべきであるから,ぜひにとは言わないが。
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みずほ銀行とみずほコーポレート銀行の合併契約締結

2013-03-01 08:15:54 | 会社法(改正商法等)
みずほ銀行とみずほコーポレート銀行の合併契約締結
http://www.mizuho-fg.co.jp/release/pdf/20130226_3release_jp.pdf

 合併の効力発生日は,平成25年7月1日である。

 存続会社は,「株式会社みずほコーポレート銀行」であるが,同日,「株式会社みずほ銀行」に商号を変更。

 資本金及び準備金の額の増加はない。

 本店の所在場所も,その後に移転するようである。


cf. 「合併契約」は,有価証券報告書の臨時訂正報告書に掲載されている。
http://toushi.kankei.me/docs/text/S000CZ9Q
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会社分割の悪用事件~印鑑証明書を使い廻し

2013-03-01 08:05:11 | 会社法(改正商法等)
毎日新聞記事
http://mainichi.jp/area/news/20130227ddf041040025000c.html

 商業登記規則第49条第1項により,添付書面である印鑑証明書の原本還付をすることができることを悪用して,複数社の新設分割による設立の登記に,1枚の印鑑証明書を使い廻していたようである。

 不動産登記のように,原本還付不可の議論が出てくるかもしれませんね。


商業登記規則
 (添付書類の還付)
第49条 登記の申請人は、申請書に添付した書類の還付を請求することができる。
2 書類の還付を請求するには、登記の申請書に当該書類と相違がない旨を記載した謄本をも添付しなければならない。ただし、登記の申請が却下された場合において、書類の還付を請求するには、還付請求書に当該書類と相違がない旨を記載した謄本を添付し、これを登記所に提出しなければならない。
3 登記官は、書類を還付したときは、その謄本、登記の申請書又は還付請求書に原本還付の旨を記載して押印しなければならない。
4 代理人によつて第一項の請求をするには、申請書にその権限を証する書面を添付しなければならない。
5 第九条の四第四項から第六項までの規定は、第一項の規定による添付書類の還付の請求に準用する。
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犯罪による収益の移転防止に関する法律の改正に伴うお取引時の確認について

2013-03-01 07:57:05 | いろいろ
犯罪による収益の移転防止に関する法律の改正に伴うお取引時の確認について
by 全国銀行協会
http://www.zenginkyo.or.jp/topic/hansyuuhou/index.html

「銀行では、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」(以下「同法」といいます)にもとづき、口座開設等の際に、お客さまの氏名、住所、生年月日等について確認させていただいておりますが、同法の改正により、平成25年4月1日から、職業・事業内容や取引を行う目的等についても確認させていただくことになりました。ご理解、ご協力をお願いいたします」

 司法書士会の本人確認規程等も改正される単位会も多いと思われるので,御注意を。
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