Altered Notes

Something New.

バレンタインデーは誰得か?

2021-02-14 19:31:00 | 社会・政治
バレンタインデーという(日本での)悪しき慣習はいつまで続くのだろうか。

そもそも本命チョコを貰えるような恋愛強者たる男性は全体の2割に過ぎない。残り8割の男性は最初からバレンタインデーには無縁の存在だ。そんな彼ら、非モテ男性は世の中がバレンタインデーで浮かれる様を恨みと諦めの感情のこもった横目で見ながら自分の日常を粛々と生きているのである。

また、バレンタインデーは「女性から男性に愛を告白して良い」という日だとしても、モテない女性にとってはチョコを渡したくても渡す気持ちになれない憂鬱な日となる。

さらに、恋愛強者たるモテる男性にとってはチョコレートが沢山集まり過ぎて困る日でもある。

義理チョコの苦痛もある。
テレ朝の弘中綾香アナは「男女平等の筈なのになぜ女性だけが日頃の感謝とやらで義理チョコを買って渡さねばならないのか?職場の男性が多ければ義理チョコに費やす金額も相当なものになる。また、義理チョコは贈る方も貰う方も大して嬉しくないのが実態であり、ならば、この慣習はいったい誰得なのか?」という趣旨の発言をしている。

何のことはない、バレンタインデーに関わってハッピーになれる人などごく僅かしかいないのが実態だ。ほとんどの人はバレンタインにあやかろうとするも苦痛を受けたり憂鬱な気分に沈む・・・そのような結末を迎えるのである。

一般にバレンタインデーと言えばカップルが愛を祝う日とされているが、日本では長らく「女性が男性にチョコレートを贈って愛を伝えて良い日」という趣旨の説明がなされてきた。だが、それは昭和の昔のことであり、控えめでおとなしい女性が主流だった時代の話である。現代のような女性の方が強く生き生きしている時代には全く不要なイベントと言えよう。そして周知の通り、これはチョコレートメーカーたる製菓会社が仕組んだイベントであり、「誰得か?」と問われれば、「製菓会社が得をする」ということだ。それが全てと言っても過言ではない。(*1)

日本に於けるバレンタインデーは製菓会社が短期間で一気呵成に収益を上げる為の日であるが、製菓会社とマスメディアが協力して煽りまくってきたおかげで見事に慣習化されたのであった。ただ、最近はこの慣習に男女双方から疑問や批判が相次いでいることでその動向に若干の変化が見られるようではあるが、大きな流れとしてはマスメディアも製菓会社も相変わらず旧態依然のままバレンタイン・ビジネスに邁進しているように見える。

繰り返すが「誰得か」と言われれば「バレンタインでビジネスする連中の得」であり、そしてそれだけ…ということになる訳で、ビジネスターゲットにされる非モテ系男女にとっては単に振り回されて終わり…がせいぜいなところである。波田陽区なら「残念っ!」と切り捨てるところだろう。古いか。バレンタインビジネスを仕掛ける連中はこの慣習が希薄化しない限り、または社会からの大きな反発が無い限りはこのビジネスを継続していくであろうし、前述のようにバレンタインデーに憂鬱とストレスしか感じられない人々の割合は恐らく圧倒的多数と思われるので、それならばいっそのこと、皆一斉にこの慣習を拒否し無視したらよろしい。はじめから「そんなもの無い」という態度で生活し仕事するのである。実に清々しくも平静な心持ちになれるだろう。

おしまいに・・・そもそもの話だが、クリスマスと同じでバレンタインはキリスト教圏の祝い事なのであり、キリスト教徒以外には無関係である。日本人としては意識的にそうした原点に立ち戻って考えてみる事も必要なのではないだろうか。



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(*1)
高級チョコレートのメーカーとして知られるGODIVAが出稿した広告が話題になっている。「日本は、義理チョコをやめよう」というもので、「そもそもバレンタインは、純粋に気持ちを伝える日。」として本命チョコを大切にしてバレンタインデー本来のあり方を取り戻そう…といった趣旨らしい。だがしかし、記事本文に記したように恋愛強者たる男性は全体の2割しかいないのだ。仮に義理チョコの売上が無くなれば収益は大幅にダウンすること必至であろう。GODIVAの主張は言葉としては格好良いが、しかし商売上は自らの首を絞める事にもなるのである。知ったことではないが。