今年の夏も猛暑にやられている人々が多いようだが、相変わらず気象庁をはじめとする気象屋の人たちはこの「暑さ」の原因を「温度」「気温」にだけ求めているようだ。一応は申し訳程度に「湿度」のことも言うようだが、「ついで」が過ぎて説得力のない説明になっている。気象屋は「暑さに原因」について「温度の高さ」を強調し、しかも自分らの説明に無謬性がある、という姿勢で「熱中症」への警戒を呼びかけているようである。
この件では当ブログでも以前に記事にしている。↓
いわゆる気象の専門家と呼ばれる人々は日本(を含む東アジア)の「暑さ(蒸し暑さ)」の主因が「湿度」にあることが未だに理解出来ていないようだ。IYI(インテリバカ)なのだろうか
上で無謬性と書いたが、気象の専門家というのは変に「理屈に律儀」なところがあるので、「暑さ」の原因を「温度」でしか判別できない上に「これが正しい。これで間違いない」と信じ込んでいるのだ。これが専門家のIYIなところなのだ。「科学」としての気象と「生活者の実感」としての気象の区別ができないのである。一般国民にとって大事なのは「体感」であり「実際の感覚」なのだ。実際に「湿度」が上がる事で「体感としての暑さ」を人は感じている。そこが問題なのであり大事なポイントなのである。しかし専門家はここが判らないのだ。
そう考えていたら、2024年8月30日の虎ノ門ニュースで科学者の武田邦彦氏がこのテーマで解説をしていたので、その内容を基調にして記してゆく。
その前にちょっと余談だが、同席していた高橋洋一氏(数量政策学者)が「老人は猛暑の日には外では一人でいない方が良い」「家族と一緒に居れば老人が熱中症で倒れてても対応してもらえる」というのだが、現在生涯未婚率が急激に上昇しており、今後は独身・独居の老人が増加してゆく時代に、「家人と一緒に居るべき」と言われても「そりゃ無理だ」としか言えない実態がやはり実感としては理解できていないのだろうな、と思った次第である。
話を戻す。
気温が高く猛暑の日には行政から「熱中症警戒アラート」が発令されることが多いが、実はこのアラートが問題なのだ。実例から示してゆく。
武田氏も湿度が最も問題である、とした上で、例として今年の7月5日と9日を挙げる。この両日共に気温は全く一緒で32.5度だった。ところが湿度は大きく異なった。5日は40%。9日は80%だったのである。湿度が低い時(この場合は5日の時)には熱中症の患者さんは出ないのだ。ところが湿度が高い9日には熱中症の患者さんがどっと増加したのである。
こうした事実から見えてくるのは、我々は「温度」という意識が有りすぎることが問題なのである。人間には温度の問題と同時に「快適さ」を感じるには「乾燥している事」、つまり「湿度が低い事」が大切なのである。
実内においてはエアコン・クーラーの活用が重要であり、とりわけ「温度を下げる」ことよりも「湿度を下げること」つまり「除湿」が大切になってくるのである。「熱中症警戒アラート」も「湿度」という観点を含めて出すべきである事は論を待つまでもない。
マスメディアに於いては、こうした「湿度が人間の身体にもたらす影響」や「実際の老人の体験談」などをしっかり報道する事が大事になってくるであろう。
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