りえ子のブログ

前小田原市議会議員田中利恵子です。
今後も子どもたち、高齢者、障がい者が大切にされる市政めざして頑張ってまいります。

旧スパウザ小田原、今ヒルトン小田原リゾート&スパ

2011年11月12日 | *市*議*会*

 「結論として、買い取ったスパウザの早期処分を提起する」。

 これは、「買ってどうなるムダ遣いの象徴 スパウザ小田原という本の、はじめにの中にあるくだりです。著者は元日本共産党の小田原市議会議員岡崎明さんです。スパウザ小田原は97年に当時の労働省が雇用保険を財源に455億円も掛けて造ったムダな豪華施設でしたが、なんと開業5年という早さで売りに出されてしまい、それを買い取ったのが小田原市でした。価格はケタ外れの8億5000万円余、著書には「安さに目がくらんだのであろう」と書かれてありますが、ズバリその通りだったと思います。

 また、著書に「採算を度外視して建てられた赤字の巨大ホテル。こんなものを1地方自治体が買い取ってよいものなのだろうか」との疑問から、市民グループ、「スパウザ小田原買いとりを考える会」がスタートしたとありますが、岡崎さんはそのグループの一員でもあり、他の方たちと精力的に、この施設の追跡調査に力を注いでおられました。グループの活動は、スパウザ小田原に係るあらゆる情報を提供し、問題点を指摘するなど大変な活躍をしていたと今でも鮮明に覚えています。そして行政、市議会、多くの市民に与えた影響はそれなりに大きかったと思います。

 その市議会では共産党含む他の議員の反対もありましたが、スパウザ買取に関する議案は、2003年9月議会で可決したのでした。ちなみに日本共産党市議団は、「市がホテル事業などに手を出すべきではない」などと見解を示し反対をしました。岡崎さんは残念なことにすでに他界されておられますが、著書にあるスパウザの早期処分の提起を求めるこの1行が、今ほど現実のこととして光っている時はないと思うのです。

     ヒルトン小田原リゾート&スパ 家賃免除に引続き、今度は売却へ
 それは10日の全員協議会で「小田原市宿泊等施設の売り払いについて」という案件の説明がされたことです。つまり市は施設を売るということを決定したというのです。ここで言う施設こそが、旧スパウザ小田原であり、今のヒルトン小田原リゾート&スパです。市はスパウザ買取と共に、その運営委託をヒルトン・インターナショナル社と締結し、施設の賃貸借契約を小田原ヒルトン株式会社と締結して現在に至っています。
 
 某新聞に、売り払いの件で、「自治体がホテル経営することが異例だった・・・」と加藤市長のコメンが掲載されていましたが、ホテル経営に素人の自治体が、異例どころか、手を出すべきではないと言ってきた日本共産党市議団、私としては売り払いに反対はしないまでも、遅きにあらずと言った感を非常に強くしました。
 
 さて小田原市はどこに売るのかといえば、現在賃貸借契約を締結している小田原ヒルトン株式会社に売払い、その予定価格については12月議会に提案し(確定でないが参考までに9億円とか)、所有権移転の禁止を5年間にするなどとあります。なぜヒルトンかといえば第一交渉権者が賃貸借契約上小田原ヒルトン(株)になっているからとのことでした。
 
 確かヒルトン社と結んでいる「運営事業に関する協定書」にそう明記されていたと思いますが、今となると、こうなることがわかっていたような??とでも言うような、なぜか不思議感が私の中に漂っています。今後は採算が合うのかどうかしっかり検証したいと思います。
 
コメント (2)
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