明日9月11日は東日本大震災から半年を迎える。町を覆い尽くしたガレキは一部を除いて撤去されたが、積まれたガレキの処理にはまだまだ時間がかかる。また今も多くの被災者が避難所生活を強いられている。このような状況の中で、前向きに生きようとしている被災地の皆様方には心より敬意を表したい。
今回の大震災の地震や津波で多くの人々が家や町を失った。しかし地震にも津波にも合わずに無事だった家やふるさとを、原発事故による放射能汚染で追われた人々の無念さはいかがばかりであっただろうか。
新しく発足したばかりの野田政権の鉢呂吉雄経済産業相が、福島県の福島原発周辺の市町村を視察したあとの記者会見で「死のまち」と述べたことなどの責任を取って今日辞任した。まちの形はそのままで、人の姿が全く見えない様子はまさに異様な状態であっただろう。しかし政治家たるものいろいろな人に対する思いやりが必要である。「死のまち」発言は、そこをふるさととする人々にとっては不快なことであろう。
今回の災害で絶対安全であるはずの原発の安全神話が崩れ、広い範囲が放射能汚染された。人間のすることに絶対はないことを改めて思い知らされた。
原発に関係してよく聞く言葉に高速増殖炉「もんじゅ」があります。またもんじゅほど知られていないが、新型転換炉「ふげん」があります。もんじゅは「三人寄れば文殊の知恵」のことわざでもおなじみの文殊菩薩で、大変頭のいい仏さまです。ふげんもまた仏さまの名前で「普賢菩薩」です。この二人の仏さまはお釈迦様を両側で支える重要な仏さまです。人間の造ったものに仏様の名前を付けるのは、おそれ多いことです。しかもこの高速増殖炉「もんじゅ」は人間の知恵の結晶ということで付けられたということですが、思い上がりもはなはだしいことです。