フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

言葉遊び

2014-12-21 22:22:57 | Weblog
今日は12月21日ですから、1221は上から読んでも下から読んでも同じ回文の日と言っても良いですね。
回文は平安時代から続く言葉遊びです。子供のころはせいぜい、「新聞紙」とか「竹やぶ焼けた」「きつつき」などが定番で遊んでいたものです。アナウンサーの仕事になって、知ったのはこんな回文です。「肉の多い大之国」この大之国は横綱でしたね。なかなかの出来です。しかし今取り上げたのは比較的短い回文ですが、回文を楽しむ人達の作品には、物凄く長い回文があります。あれはどうやって作るのでしょうか。
もう一つ、川柳というのか、江戸時代の「落首」も楽しいです。「落首」は名前を隠して政治を風刺したものですね。「蒸気船たった四杯で夜もねむれず」とありますが、これも政治を匿名で風刺したからおもしろいです。最近はこの「落首」は無く、川柳で皮肉るぐらいでしょう。ただ、川柳は夫婦ものが圧倒的に多く、抑圧?された側の亭主の嘆きが主流です。
正月休み、回文や川柳、それに落首で遊んでみるのも楽しいかもしれませんよ。

寒い冬

2014-12-20 23:24:01 | Weblog
映画監督の大林宣彦さんの「冬は寒いからよい。だから春を待つ楽しみがある。雪は深いからよい、だから春が来てこの雪の下から花達が一斉に咲き始めるのが嬉しい」という言葉が好きでした。過去形にしたのは、9年ぶりに名古屋で積もった大雪のために、人からよく運転未熟と冷やかされる私は、今日も車での所用たしには反対されたからです。まだ深い雪の為に完全に溶けきっていないから、という理由のようです。ですから今日だけ、深い雪というところにひっかかって嫌いになったのです(笑)。
もう一つ理由がありました。そうです。18日の雪の朝の雪かきの為に節々の痛みが今日あたりから出かかっているからです。翌日に出ないところがみそですね。しかしこれが過ぎて、春の気配がするようになるとまた、大林監督の言葉が大好きになるのでしょう。ただ、逆に夏は暑いほうがよいとは決して言えません。あの猛暑だけは、次にくる秋のことなどに思いを寄せる余裕などありませんからね。ということで風邪には注意して寒い冬、お過ごし下さい。

一件落着

2014-12-19 18:58:23 | Weblog
「これにて一件落着」という名台詞は、名奉行の大岡忠相や遠山の金さんの決め台詞でした。今日、12月19日はその大岡忠相が75才で亡くなった日、命日です。時の政権(徳川吉宗)の名官僚でした。
時にこの「一件落着」という言葉は本当にお白州で使った言葉でしょうか。実は、この言葉は、当時の冷酷な裁判や過酷な刑罰に対して庶民が正義の裁きを求めたために、後に一件落着話が作られたと言われています。こうした暴露話が出てしまうと、時代劇が味気なくなりますね。
ところで一件落着という言葉がよく使われるのは選挙後の政治家の言葉の中です。今回の選挙でも、不祥事で大臣を辞めた人もいますし、それでも選挙に打って出て当選した人もいます。過去にも当選した後にもうみそぎがすんだとばかりに大きな顔をしていた議員さんもいました。しかし今回当選した議員さん!決してみそぎがすんだ、一件落着だなんて思わず反省の気持ちをしっかり持って、議員活動して下さいよ。

あわてない、あわてない。

2014-12-18 20:52:50 | Weblog
一休さんの言葉でしたかね。「あわてない、あわてない」は。しかし師走ともなると何かと気が急きますねぇ。今年やり残したことがあったかなあと思い、あれもこれもと考えるからでしょうか。いや、違いますよね。単に我々が慌ただしいのが師走だと思い込んでしまっているからでしょう。あえて言うならば、年賀状を書かなければという強迫観念が強く働くことと、お正月休みをとる為に、その間の仕事を前倒しにこなさなければならないせいだろうと推測します。
放送局に勤めているときは、正月は放送を休むわけではないので、自分以外の外の景色が、ああ正月なんだと思うくらいでしたね。もちろん、生放送以外は数多く番組を制作しなければならないわけですから、忙しさは相当なものでしたがね。各スタジオでは出演者の師走から「明けましておめでとうございます。」との挨拶が飛び交う風景が一番師走らしいかもしれません。
さてどんなに慌ただしくてもミスをしては何にもなりません。皆さんに良寛さんの言葉をプレゼントしましょう。
『日々、日々、また日々』

年末年始旅行

2014-12-17 22:37:48 | Weblog
間もなく訪れる今年の年末年始は、サラリーマンにとって会社に気兼ねなく長期間休みが取れるカレンダーになっています。年末の27日から新年の4日まで堂々の9日間が休みです。こうなれば海外をはじめとする旅行を計画したくなるものですが、皆さんはすでに準備が整えていますか。
ところでこの年末年始の旅行に限っては、家族旅行がほとんどでしょうね。この時期に独身者以外に一人旅をする人はどんな人でしょう(笑)。まあ、普段でも一人旅をしにくる人は心に何かしら問題を抱えているような気がしますがね(失礼!私も一人旅が好きですが、何の問題もありませんでした)。一人旅をしていると、目の前に大自然がある場合は、同じような一人旅の人がいると大自然を共有して話すせいか、打ち解けて話せることが多いようですね。
話すと言えば、昔は列車で隣合わせになると何かと話しかけたりして話が弾むことが多かったのですが、今の時代、景色どころかスマホばかりに気をとられて隣にどんな人が座っていたかもわからずに終わることがあるでしょう。まあ、折角の家族旅行、スマホはしまってお出掛け下さい。

つかこうへい

2014-12-16 22:01:21 | Weblog
つかこうへいさんは劇作家、演出家、そして小説家として有名です。脚本家としても「熱海殺人事件」や「蒲田行進曲」などは馴染み深い作品です。残念ながら今から4年前に亡くなっています。
この「つかこうへい」という名前はペンネームですが、その由来を知っていますか。『いつか、公平な世の中に』というところからつけられました。今年はヘイト(憎悪)スピーチという言葉がよく使われました。差別や偏見を表す表現や行為を指す言葉です。つかこうへいさんを取り上げたのは、ペンネームからくるつかこうへいさんの気持ちを思い出したからです。つかこうへいさんは韓国籍でした。そうした背景からのペンネームになったのだろうと思うのです。
衆議院議員選挙が終わり、新しい(?)政権が誕生します。政権担当者は恵まれた日本の現状からも常に「公平」を目指す国となるような運営をしてもらいたいと思います。もちろんそんな意志の強さを持って投票したつもりです。正月休みには改めてつかこうへいさんの作品を読み返してみたいと思います。

選挙が終わり

2014-12-15 23:02:29 | Weblog
与党の選挙前と同じ勢力で総選挙が終わりました。それにしても投票率は低かったですね。
勝利宣言を兼ねたインタビューで安倍総理は、内閣の重要課題として「経済と安保」をあげていました。安保に関しては、改憲の思惑もあるでしょうね。そして経済はもちろん「アベノミクス」の道しかないと訴えていましたから、第三の矢を含めてこの道を突き進むことでしょう。
ところでかつて「ウーマノミクス」という言葉が新聞紙上踊ったことがあったのを覚えていますか。女性主導の経済と訳していいと思いますが、これは人口の減少が経済成長の要因なりうるとの観点から、女性をシングル、主婦、高齢者とひとくくりにしないで、女性パワーを取り込んだ経済システムを構築するための言葉でした。アベノミクスに隠れてしまって忘れがちになった「ウーマノミクス」をもう一度考えてみるべきではないでしょうか?女性が輝く社会をと政権は訴えていますが、具体化する知恵を絞る時が今でしょう。

国の意思は

2014-12-14 19:34:40 | Weblog
午後7時過ぎに、このエッセイを書いています。あと1時間後に開票が始まります。どんな政治体制になるのでしょうか。政治の最大の任務は「国の意思」を決めることです。地元のことばかり優先するのは政治家ではありません。ただし、福島をはじめとする東日本大震災の被災地に関しては、すべての政治家が地元意識を持たなくてはなりません。
さてその国の意思を決めることを任務と心得ている政治家はどれだけ選ばれるのでしょうか。というのは残念ながら「国の意思」を決めているのはほとんどが我々が選べない官僚であるからです。国全体を見ている政治家を一人でも多く増やしていくことが選挙後でも必要なんです。それには、これはという政治家を見つけ、応援していくことです。叩くばかりでは政治家は育たないと思います。褒めるに値する政治家もいるはずですね。公約を吟味してその是非で選ぶことが何より大切なことです。
さあ、その結果は?そして当選者の顔ぶれをどう評価しましょうか。

一番のり

2014-12-13 23:23:29 | Weblog
「零票確認」という言葉を知っていますか?まもなく衆議院議員選挙の投票日ですが、各投票所の一番のりさんの役目があるのです。公職選挙法施行令第34条によるもので、投票開始前の投票箱に何も入っていないことを一番のりさんが確認するのです。確認のサインをする場合もあるそうです。電子投票の時には投票所のすべての投票機の数字が0になっているのを確認するのですね。この役目をやってみたいとこの季節、暗いうちから投票所前に陣取る有権者も結構いるようです。選挙に関わったという満足感が強いのでしょう。14日には貴方がその役目を担ってみては如何でしょう。
ところで我々が行う、歌謡曲の歌手を招いての公開録音の際には、人気歌手になればなるほどファンの方の集まりが早くなります。午後からの収録にも関わらず午前6時には待っているお客さんがあるんですよ。指定席ではありませんから前のほうに座りたいという思いからでしょうが一番のり意識の強い人かもしれません。ステージの上から必ず、その人と話をするようにしてるんですよ(笑)。

今年の漢字

2014-12-12 22:41:41 | Weblog
発表された今年の漢字は「税」でした。消費税に明け暮れた年でしたから妥当な漢字ですね。もっと穿った捉え方をすると、国民のほとんどが「ゼイゼイ」言いながら過ごした年とも言えましょう。円安傾向で輸入品が高くなり、ガソリンはじめ色々な物価が上がりゼイゼイ言いました。一方では株高でうはうはとなり、贅をつくした生活をした人もいます。「贅生(ゼイゼイ)」と言っても良いですね。また、今年は台風や大雨などの自然災害の暗いニュースも多くありました。自然の勢いが増したようでした。「勢々」でしょう。
ところで私の予想の漢字は「青」でした。そうです。ノーベル物理学賞の受賞の理由となった「青色発光ダイオード(LED)」の「青」ですね。予想が外れて残念ですが、同じ青のドラゴンズがちょっぴり不甲斐ない成績だっただけに、ドラゴンズの活躍を期待して来年にまわしましょう。青色は真っ青な空の色にも通じます。そんな日がつづけば、災害も少ない一年になりますので青の字は来年ですね。