フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

会食

2014-01-11 23:12:29 | Weblog
新年会と称して夜に会食をする機会が多くなる時期です。気の合う同世代の友達同士ならば、どんなところでも、いや、どんな料理でもオーケーですが、先輩や上司、お取引先のお偉方ともなると好みや場所など気を使うことが多くなります。
かつて幹事の役が多かった頃、全くそんな気遣いをしなくていい大先輩がいました。好き嫌いが一切ないのです。理由をその人に尋ねたことがありました。母親のしつけだったそうです。子供の頃、食卓に嫌いな食べ物が出て、嫌だと言おうものなら、その後毎日嫌いなおかずが食卓に並びます。どうしても食べたくなければ、おかず無しでごはんを食べなくてはなりません。そのおかずを食べるまで他のおかずは一切出ないのです。とうとう食べざるを得なくなり、そうこうしているうちに口が馴染んだそうで、嫌いなものがなくなったそうです。お母さんの勇気あるしつけですね。子供は経験が少ないので見た目だけで判断していわゆる食わず嫌いが多いですよね。それにしても偉いのは、毎日同じおかずに付き合ったおとうさんが偉い!

ドーナツ盤

2014-01-10 23:23:55 | Weblog
戦争が終わった4年後の今日、直径17センチ、45回転のレコードの開発、そして公開をアメリカのビクターが行いました。いわゆる「ドーナツ盤」です。これが出来てからジュークボックスの時代になっていくのです。若い人にはドーナツ盤もジュークボックスもわからないでしょう。
ところで先日、自宅で身の回りの整理をしていたら、私が昭和54年に初めてレコードを出したそのドーナツ盤が数多く出てきました。早速、冗談半分に「松原敬生の日曜も歌謡曲」という番組の中でプレゼントという企画を実施しました。紹介の為に、レコードを回すのですが、若いミキサーは回転数のことが頭になく、リハーサルでは回転数を33にしたくらいです(笑)。まさに昔の遺物のようです。
レコードを聞くプレーヤーも今やほとんどないと思いますから応募などはないと心配しましたが、なんと結構な数の応募があったのでホッとしています。当選者はこんどの日曜日に発表しますが、当たった方にお願いです。くれぐれも急須の下敷きにしないようによろしく。

ちぢに乱れる

2014-01-09 19:34:21 | Weblog
各党の東京都知事の候補者選びが佳境に入っています。それを揶揄してちぢに乱れているなあ、と言った人がいます。今の若い人は「ちぢに乱れる」という言葉は余り使わないでしょうが、昔はよく聞かれた言葉です。意中の女性に思いのたけを告白するのが手紙が多い時代には「心もちぢに乱れて…」という表現を使ったようです。つまりとめどもなく心が悩み迷う様子を表現しています。
まあ、知事選挙の候補者には関係のない言葉でしょう。いや、結構、立候補の決断までにちぢに乱れるかもしれません。乱れの最初は「落ちたらどうしよう」かもしれませんね(笑)。それとも議会対策はどうか、都の職員とは上手くやれるだろうかとか、ちぢに乱れるかも。しかし立候補する人はそんな弱気ではありませんね。むしろ強気な人が多いでしょうから。知事に当選すれば大抵は2期勤めることが多いので、東京五輪では世界から注目を浴びる存在になるわけですから、そんな未来像を描いて乱れる暇はないですかね。ただ、選ぶ都民が誰を選ぶかちぢに乱れるドングリの背比べにならないように願いたいですね。

2014-01-08 22:06:52 | Weblog
松ノ内も過ぎて生活ペースが普段に戻ったことでしょう。これから年賀状の返信をする場合は「寒中見舞い」の挨拶状に切り替えたほうが良いですね。
年賀状と言えば、今年は午年でしたのでいろんな馬の姿を見ることが出来ました。人間と馬はどこかウマが合うのでしょう。日本語の中に馬が使われている諺や言葉が数々ありますね。思い付くところでは「馬耳東風」「塞翁が馬」「馬脚を現す」「馬の耳に念仏」「尻馬に乗る」などはお馴染み言葉です。その他、語源が気になる言葉も多いです。「馬齢」「下馬評」「野次馬」これらは時間があればちょっと調べて見て下さい。
一つ「馬手(めて)」という言葉を紹介しましょう。右手、左手のことをめて、ゆんでと読むことがありますね。めての正式な字が「馬手」なんです。それは馬に乗るときに、普通は右手に手綱、左手に弓を持つところから右手のことを「馬手」左手のことを「弓手(ゆんで)」というようになったのです。我々の時代になって幼児に右手左手を教えるのに、大抵の場合は「箸を持つほうが右手、茶碗を持つほうが左手」と教えます。本当に平和って良いですね。

大気汚染

2014-01-07 22:32:44 | Weblog
中国からのニュースで多いのが大気汚染です。昨年はPM2.5が大変話題になりました。ニュースから視界が悪い、視界が悪いと聞こえてくると司会が悪いと受け取るのは職業柄でしょうか(笑)。ともかく大気汚染といえば私達の年齢では四日市公害が直ぐに思い出されますね。何とか乗りきって今があります。中国もその体験を知っているだけに、日本に協力を仰ぎました。日本もよその国のことではなく、影響もあるだけに合同で対処しようとしたようですが、安倍総理の靖国参拝で今のところ会議そのものが停滞しています。こうした問題だけは政治的思惑を抜きにして取り組んで欲しいですね。
ところで空気を綺麗にするという話になれば、森を大切にするという方程式が成り立ちますね。日本の森林原野が国土に占める割合は67%だそうです。フィンランド以上で世界で12位です。ただし森が大切という人びとが多いわりに森に行ったことがない人も多いようです。今年あたり、都会を離れて森に出かける機会を作ったらどうでしょうか。そして森に出かけて都会の汚染された空気を回避するにはせめて30~50メートルは森に入って下さいね。

自由

2014-01-06 23:17:27 | Weblog
この時期に注目されるのはアメリカ大統領の年頭教書の発表でしょう。このところアジア重視に力を入れているオバマ大統領がどんな教書を発表するか注目です。
そのオバマ大統領はチェンジと叫んで大統領の椅子を手に入れましたが、かつて自由を取り入れた年頭教書を発表した大統領がいました。第32代大統領のルーズベルトです。1941年の今日、4つの自由を主張しました。その4つとは言論および表現の自由、信仰の自由、欠乏からの自由、そして恐怖からの自由です。戦争中のことですから、この背景にはドイツと戦っていたイギリスを支援する意図があったようです。
それぞれの自由を見てみますと当たり前の自由として日本には言論や表現の自由、また信仰の自由も意識なく我々は手にしていました。昨年成立した特定秘密法案が当たり前を破ることのないよう祈りたいです。欠乏と恐怖からの自由にかんしては、特に恐怖を感じさせる事件がこのところ多いようで気になりますね。事件そのものの数は減っているのに、事件の内容が恐怖を覚えるものが多いのです。恐怖からの自由、真剣に考える必要がありますね。

新税

2014-01-05 23:54:14 | Weblog
今朝の中日新聞の記事に300字の応募作品小説で入賞した「新税」という作品に『美人税』という話がありました。さすがに選ばれる作品だけに人間の心理をついたユニークな作品です。すぐ読める作品ですが、新税の美人税は任意の税で、お客さんは払っても払わなくてもいいのです。しかしお店のイケメン店員がお客さんに、消費税の他に美人税を頂いていいですか?と尋ねられると、どうしても「どうぞ」と言ってしまいます。消費税増税から思いついたストーリーですが、美人は得をしがちだという世相を皮肉ったそうです。
それにも繋がる話かもしれませんが、易者さんがまず相手を信用させる言葉に「貴方は好い人なのにそれを周りが気付いていないようです」があります。上手い「掴み言葉」ですね。つまり人間は誰しも、自惚れというか自尊心が強いですもんね。同じように女の人の7割近くが自分はカメラ写りが悪いと言います。端から見てよく撮れていると思ってもです。まあ、ただ「オレは駄目だ」と自尊心を失ってしまうのも心配なことですから、これくらいの思い込みは良しとしますか。

言葉使い

2014-01-04 23:23:31 | Weblog
正月、三ヶ日が過ぎての挨拶をしました。「どんなお正月でした?」「えぇ、寝たり起きたりの生活でした」こんな会話でした。ちょっとおかしいですね。朝寝や昼寝を楽しんだりする休日のことは「寝正月」と言います。つまり、寝たり起きたりとは病がいえず、少し元気が出たらすぐ寝こんでしまい、全快にはほど遠い状態をいうのです。こうした言葉の使い方の誤りはいろんなところにみられます。つまり言葉の衰弱が深く進行しているのでしょう。
一方で漢字の問題があります。電子メールが発達したせいか、漢字は読めても書けない病が進んでいます。漢字には一つ一つに成り立ちに意味があります。それが日本の文化なのに、それを放棄する傾向があるように思えるのです。また、自身で書いてこそイメージが伝わるのです。手紙を書くことの大切さはそこにあるのです。書いている間に差し出す相手のことを思い描くことで伝わるのです。
機器の進歩は素晴らしいものですが、固有の素晴らしさを否定してはならないのです。

手帳

2014-01-03 23:34:52 | Weblog
三日坊主という言葉の岐路の正月三日目です。毎日、日記をつけるのは大変難しいかもしれませんが、せめて手帳ぐらいは有効に使いたいですね。一年使いきるものだけに、手帳は気に入ったものを購入したいです。昭和40年代の経済の高度成長期には、付き合いのある企業から手帳が届いたものでした。どれを使用しようか迷うほどの数でしたよ。
ところが景気が悪くなると企業が経費節減で配布をやめたり、配布部数が減っていきました。それにつれて書店の手帳売り場が広くなっていきました。したがって手帳を購入することになるわけですが、手帳はシンプルなものがいいですね。日付と予定を書き込むスペースだけでいいです。
ただ私の場合は毎日の体重と昨日歩いた歩数を書き込むようにしています。体重をチェックしておけば、過食を防げますし、歩数は運動不足を次の日に補おうという気になりますね。使い勝手の良い手帳が一年の友として大変に貴重なんです。
そうそう、ある作家さんが一生懸命書いた作品より白いページを綴じただけの手帳のほうが高いなんてとぼやいていたのを思いだしますね(笑)。

朝風呂

2014-01-02 23:57:42 | Weblog
お正月の醍醐味と言えば「朝風呂」ですね。元日、そして今日も楽しみました。昔「朝寝、朝湯が大好きで……」という歌がありましたが、その通り朝風呂は気持ちがいいですね。冬場の寒い空気も温まった体には大変心地よく、これが贅沢なんでしょう。
穏やかな幸せというのは、普段の普通の生活の中に見出だすのが本当なんでしょう。今日の穏やかな日射しを見るにつけ余計そんな思いにとらわれます。初春という言葉が新年を意味するに相応しい日射しです。
新聞の国際面では、西スーダン、中央アフリカ、また中東などでは民族紛争が相変わらず起きています。そこで犠牲になるのはどこでも一般市民です。同じ太陽の下で生活しているのにこんなに違いがあるのですね。新年は少しでもそんな国が無くなることを祈りたいものです。こんな大上段に振りかぶった話題でなくても、我々の周りの同じ空気を吸う人達が全て気持ちを通わせる社会に一歩でも近づけるようになるといいですね。
今日の初夢はそんな夢にしたいです。