フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

日本食

2014-01-21 21:55:18 | Weblog
世界各地で食に関する見本市が開かれています。その中で世界遺産にも登録された和食の評判がいいようです。自信のある食べ物は世界に進出したり、あるいは見本市に出店して評価を仰いでいます。TTPに参加すると農業が壊滅すると悲観的な情報も流れていますが、日本の米を使った和食の評判は良いようですから、逆に攻勢をかけるくらいの気持ちを持ってもよいように思えるのですが…。
さて和食には四季折々の産品を上手に採り入れるのも特色ですが、この冬の時期はお芋が美味しい季節ですから食卓に上る機会も多くなります。自然薯、つくね芋、とろろ芋、なが芋、えび芋、さと芋など種類は豊富です。特に自然薯は自然に生育したとろろ芋のことです。大変に栄養価が高く、山鰻とも呼ばれています。私はかけソバにとろろを入れて食べるのが好きですね。健康にも良さそうですもんね。サラダだけではなく、とろろも立派な日本式の野菜の食べ方なんです。一汁一菜とか、一汁三菜とか言われる和食の世界、改めて伝統的な和食に目を向けてみましょう。

大寒

2014-01-20 21:42:14 | Weblog
今日は大寒です。暦では一年の中で寒さが最も厳しくなる日です。日本の武道の世界では寒稽古をする日でもあります。寒稽古で冷えた身体を暖める方法はたくさんあります。焚き火を囲むのも良いですね。乾布摩擦で鍛えるのも日本式ですね。
さて大人にはもっと嬉しい身体の暖め方があります。清酒ですね。私は下戸ですから嬉しいとは思いませんが、左党にはやっぱりこたえられないでしょう。清酒というのはワインなど他の酒と決定的な違いがあります。それは温度帯が極端にひろいのです。凍らせた酒の凍結酒から熱燗までこんな酒は世界にはありませんね。これも一つの和の世界です。和には柔和、温和、平和、それに調和がありますが、そのなかの調和が清酒に当てはまるでしょう。どの温度帯でも見事に調和がとれるのです。こうして日本の和のDNAが世界を牽引してきたのです。
しかし自然と共生して育んできた繊細な感性や小さいものやかわいいものを愛する優しさが少しないがしろにされているような気がしています。このDNAを今一度思い起こして欲しいですね。

のど自慢

2014-01-19 20:26:45 | Weblog
今日は日曜日、NHKの番組ののど自慢が楽しみという方も多いでしょう。こののど自慢は戦争が終わった翌年の1946年の今日、NHKラジオで「のど自慢素人音楽会」として始まりました。なんと68年の歴史があるのですね。この番組で鐘を三つ鳴らしてプロの道に進んだ歌手もたくさんいます。出演の為に前の日に予選があるそうですが、放送されるステージに立つのは狭き門だそうです。
さて見ていていつも楽しめるというか、人間らしさが表れるのは鐘が鳴った瞬間の出場者の表情です。身体全体で喜びを表す人、鐘三つは当たり前というのか、澄ました顔、鐘三つでなくて、おかしいと納得のいかない顔、出たことが嬉しいという顔さまざまな人間模様が垣間見えます。
この番組にはもうひとつ使命があるような気がします。それは大切な人へのメッセージを伝えているのです。遠く離れた故郷に住むお爺ちゃんやお婆ちゃんに元気な姿を見せることが出来るし、また会場内にいる家族に感謝を伝えることもあります。人気があるのは単に歌の上手さを競うのではなく絆を確認出来るからなんでしょう。

しぐさ

2014-01-18 21:46:35 | Weblog
子供の頃、大相撲といえば栃若時代。正月になると初日が待ち遠しくて仕方ありませんでした。まだわが家にはテレビもない時でしたから、ラジオの中継が楽しみでした。同世代の方は記憶にあると思いますが、小兵力士だった栃錦が背の高い大内山を首投げで破ったシーンをラジオから聞いて、映画館のニュース映像で改めてそのシーンを見たときには本当に興奮したものでした。当時の相撲人気は凄かったですね。それに比べて今年の初場所はいつの間にか始まったという感じ、それも先場所優勝した横綱が休場していました。
久しぶりにテレビで見ていたら丁度、幕内力士の土俵入りでした。大関以下の全力士が土俵上で輪になり化粧回しをつまんで片手を挙げる儀式です。東西の力士が一列になって土俵に上がりますが、上がる寸前に審判である親方の前を斜めに横切ります。その時の力士のしぐさを見ていると、礼儀正しい力士とそれほどでもない力士に分かれます。頭をきちんと下げてから前を失礼しますと軽く手を差し出します。これがきちんと出来ている力士の部屋は親方のしつけがいいのでしょう。そんな力士を応援したくなりますね。

実業団チーム

2014-01-17 22:12:47 | Weblog
1月は箱根駅伝はじめ駅伝のシーズンです。ゼッケン番号の上に所属チームの名前が書かれています。大学や県名の場合もありますが、実業団対抗の場合は所属会社名がはっきりと表示されます。スポーツに限っては国営放送でも、所属の会社名を放送するから良い宣伝になります。その為にスポーツクラブを持つ会社もありますよね。つまり広告宣伝費として経費で落とすことが出来るというわけですかね。しかしそうした考えばかりを意識すると、景気によってはクラブを解散させざるを得ない場合も出て来ます。
そうではなくて活躍そのものに意義を見いだしている経営者もいます。昨年末に全日本実業団対抗女子駅伝で初優勝したデンソーの社長です。この初優勝で従業員が歓喜してその結果社内が元気で挑戦意欲に燃えているそうです。対外的効果もさることながら社内効果が抜群だというわけです。オリンピックで日の丸が揚がれば日本中が元気になるのと同じです。切り詰めるところばかり気を向けていると、士気にかかわることも多くあります。士気を高める、これも経営力の一つですね。

ルール

2014-01-16 23:09:00 | Weblog
広島県の瀬戸内海で昨日、海上自衛隊の輸送艦と釣り船が衝突して犠牲者が出ました。これからの捜査でどちらの船が不規則行動をとったかが調べられるでしょう。つまりルール違反をしたのはどちらかを調べるわけです。交通機関のルール違反は命に直結するだけに、ルール厳守は徹底されなければいけませんが、日常の生活の中では結構ルール無視が横行しています。どこかに誰も見ていないからいいという気持ちが働くのでしょう。
しかし最近はルールというよりマナー違反はよくありますね。いつも気になるのは優先席での携帯電話の使用がおおっぴらになっていることです。混雑していてお年寄りが立っているのに若者が優先席に足を投げ出すように座り、スマホか携帯電話を操作していることなどは日常茶飯事です。相変わらず多いのが出勤時の電車の中での化粧です。駅まで素っぴんで歩いてきたのですから、そのまま素っぴんで出社すれば、と思うのですが、そうはいかないのは会社の人達は知り合い、行きずりの人達は他人で関係ないという意識が強いんでしょう。こうしたマナー違反が後々尾をひくんですがね。

名人

2014-01-15 20:09:50 | Weblog
1939年の今日(大相撲春場所4日目)、1936年(昭和11)の春場所から勝ち続けていた横綱双葉山が安芸ノ海に敗れて69連勝で終わった日です。足掛け3年負けなかったのです。その際に双葉山が遺した名言があります。『われ未だ木鶏たりえず』これは木彫りの鶏のように全く動じることがない、最強の状態ではないと自嘲気味に語ったのです。双葉山の凄さは、成績からだけではありません。生涯一度も「待った」をしたことがないという土俵上の姿勢です。立ち遅れだとわかっても相手に合わせて相撲をとり、勝ちをおさめるのはまさに大横綱です。
同じように語ることが出来るのは、昨年亡くなられた、野球の打撃の神様、川上哲治さんです。川上さんはバッターボックスに立ってからは一度もそのバッターボックスを外すことがなかったと聞いています。両者に共通した名人気質ではないでしょうか。どんな状態でも対応出来るということは、普段の準備がきちんと出来ているから慌てないですむのです。一時流行った「想定外」なんてなかったでしょう。見えないところの努力が必要なことを教えてくれますね。

一人暮らし

2014-01-14 21:56:26 | Weblog
成人式のニュースで改めて何歳から成人に相応しいかアンケートがありました。改憲の為の国民投票を18才に引き下げようとの動きの中、やはり18才を成人とするには、世の中のことを知らなさ過ぎるとの意見が多くありました。18才といえば、親元を離れて初めて一人暮らしをする大学1年生にも当たります。送り出す親の方もも初めての一人暮らしに備えて何かとこの時期には神経を使っているでしょう。日常生活の基本すら教えなければなりません。公共のマナーから、ゴミの出し方、分別などさまざまなことがあります。私の経験でも台所の油の捨て方で大家さんに注意を受けたことがあります。
さて親にとっての心配は、アルバイトです。学生さんのアルバイトに対する関心は高いですね。つまり金儲けに走ってしまって本業というか学業を疎かにしてしまうことです。適度なアルバイトは世の中の仕組みが理解出来たり、貴重な友人、知人が出来たり、と有意義なことも確かに多くあります。しかし本末転倒にならないように敢えて指摘したいです。初めての一人暮らし、解放感もほどほどに。

成人

2014-01-13 17:14:15 | Weblog
今日は成人式です。着飾った成人女性にいろんなメディアがインタビューすると思いますが、中には「結婚するにはどんな男性がいいですか?」という不躾な質問もあるかもしれませんね。その質問には大抵は「優しい男性が…」との答えが多いことでしょう。
その優しいとはどんなものなんでしょう。新成人の男性にも理解して欲しいのですが、優しいとは女性の思い通りになることではありません。優しい男という男の解釈は女性側の解釈によるものではなく男らしい解釈があってもいいのです。要するに女性に示す男の「優しさ」は自分の意志を全て相手に捧げるのではなく、自分と女性の意志との調和をとっていい間柄をつくることが最高の優しさといえるのではないでしょうか。こういう覚悟を身につけておけば、女性の「優しい人がいい」という言葉に振り回されなくてすむと思います。
ただでさえ指示まち世代と言われる男性が多い昨今、優しさは強さの裏返しであるという言葉を新成人にプレゼントしたいです。

祝辞

2014-01-12 20:19:27 | Weblog
今日は大安吉日です。中には新年最初の結婚披露宴にお呼ばれしている人もいるでしょう。結婚披露宴の出席はお目出度いものですが、祝辞を頼まれていると何とも落ち着かないものです。
ところで最近の世相では、ちょっと離婚が多い感じがします。私は仕事柄、結婚披露宴の司会が多いのですが、かつては司会したカップルの離婚はほとんどなかったかのように記憶していますが、最近はちょくちょくそんな話を聞くようになりました。
祝辞に話を戻しますが、大抵は祝辞といえば似合いのカップルで幸せな家庭を築くこと間違いないと述べることが普通です。おそらく今日の披露宴会場でもそんな祝辞が数多く聞かれたことでしょう。祝辞は述べられた方は忘れてしまうのですが、述べた方は結構覚えているものです。離婚を知った時に自分が述べた祝辞はなんだったかと苦々しく思うことはありませんか。私の友達にも、仲人したカップルが離婚してからは仲人はもちろん、祝辞も固辞している人がいるくらいです。
今日、幸せの日を迎えた新郎新婦が添い遂げることを祈りながら。