フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

駅弁

2008-02-23 23:34:19 | Weblog
またまた今日の新聞の見出しは食品偽装でした。
「新幹線の弁当期限偽装」 この弁当を今では駅弁と呼んでいるのでしょうか。
駅弁のスタイルといっても買い求める方法がずいぶん変化してきました。日本での最初の駅弁は明治18年7月16日、東北線の宇都宮駅で黒ゴマをまぶしたにぎり飯2個とたくあんを竹の皮で包んだものと文献にあるそうです。ただしそれは店売りでした。明治30年から車窓売りが始まったようです。
私の駅弁の懐かしい想い出は一言でいえば「スリル」でした。短い停車時間に窓から顔を出して、駅弁を山積みした木箱を肩からひもで吊した売り手と、弁当とお金のやりとりをするのですから、父親が買い求めている際にはかなりドキドキしたものです。ましてや機敏さを誇る友人がプラットホームに飛びおりて買いに出てなかなか戻ってこない時は本当に焦りました。
時々駅弁につきものの汽車土瓶といわれるお茶を手に入れそこなった時などは買い手をうらんだものでした。(昭和40頃からみられなくなり一時復活して販売されたこともあります)
食べ終わったあとには旅の楽しみが1つ減った様な気がしたものです。それ程駅弁には懐かしい楽しい想い出がおかず以上につまっているのですが、今朝のこのニュースは私の想い出さえも汚されてしまった本当にあと味の悪いニュースでした。