フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

クロスワード

2007-12-21 23:24:55 | Weblog
今年を振り返って、短い時期でしたが「数独」にのめりこんだことがあったなぁと思いおこしています。
「ナンバープレイ」とも称されますが「数独」というちょっと変わった名前がひろがりました。このネーミングは数字は独身に限るという意味で、ゲームには1桁の数字、すなわち「独身の数字」しか使わないことから命名されたものです。地下鉄や喫茶店で「数独」を楽しむ人の姿は日常的な風景でもありました。
この「数独」も一種のクロスワード・パズルですが、1913年の12月21日に「ニューヨークワールド」紙の日曜版に初めて掲載されました。このクロスワードは周りが見えなくなる程熱中させるもので、特にだんなさんが夢中になってしまって奥さんをほったらかしにしてしまうことから、クロスワードウィドー(未亡人)という言葉も生まれました。現在でもパソコンウィドーやゴルフウィドーという言葉がありますね。
しかしクロスワードは言葉の魅力に触れる事ができ、更に脳の活性化には非常に役立つということですから、時には楽しむのはいいかもしれません。
特に子供さんにすすめていいのは英語のクロスワード。楽しみながら確実に身につける事ができるそうですからね。それでもお国柄があり、ヒントに太陽の色とあっても、イギリスではREDではなくYELLOWだそうですからご注意を!
ところで日本での最初のクロスワードは、大正12年に文芸春秋が発刊した菊地寛がつくったものだそうです。
クロスワードは作る方がもっと楽しいという声もありますから、年賀状の中のアイデアとして生かすのもいいかもしれません。

老後

2007-12-20 19:05:07 | Weblog
このところ、平均寿命のニュースがよく流れます。世界の1、2を争う長寿国でめでたいことですが、一方で「老後」という言葉もチラチラする若い人も多いのではないですか。
2、3日前プロ野球の現役選手の「セカンドキャリア」に関する意識調査の結果が発表されていました。何と選手の8割近くが引退後の生活に不安を感じているということでした。特に不安に感じる点は「職業選択」と「収入」でしたが、思わず「へぇ!あれだけの契約金があったのに」と私などは首をかしげてしまいます。サラリーマンの生涯収入は平均で2億5000万~3億といわれている中で、その1/3近くをあの若さで手にいれるのだからと下司の勘ぐりの様な感想を持っているせいかもしれません。
ところが毎年億以上を稼ぐ選手はやはりほんの一握りで、大半は年俸1000万円そこそこで数年でクビになるそうですから、こうした不安もあるのかもしれません。
つまり心豊かな人生を送る為には生涯続くという、この「続く」ことが必要ですし、1度経験した生活水準は収入が低下しても、なかなか元に戻すのh容易ではありません。
年金問題はじめ、自分の老後は自分で守らなければならない時代が到来しています。豊かな老後を行き抜く為には、若い人であろうが、今すぐ経済的な準備が必要ですね。

2007年

2007-12-19 21:10:16 | Weblog
年末の新聞ともなると、十大(重大)ニュースが掲載される事が多くなります。今年の漢字が「偽」で象徴されるように、ニュースを箇条書にしてみても、偽装のニュースが多くみられます。
しかし、人間は笑いを求める生物だけに、その中でも流行語大賞などの生活の潤滑剤ともなる言葉のランキングも発表されます。
「ハニカミ王子」「どげんかせんといかん」などが選ばれましたが、お笑いの世界の「そんなの関係ねぇ!」とか「どんだけぇ~」も注目されました。
ところで私もよく「寒~いギャグ」と指摘されますが、一発ギャグとギャグはあきらかに違う事を検証しておきましょう。
一発ギャグはとっさのアドリブが多いだけに、完成度が低いですね。一方ギャグは、大抵、言葉での笑いにしぐさをくわえた完成度の高いものと評価してもいいかもしれません。つまりギャグをつくるのにはやはり時代についていく必要があり、これも情報収集力が問われるのです。
今の時代はすべての人が納得する言葉でギャグをつくるのは難しくなっていますし、出来上がったギャグの消費速度が激しくなっています。例えば「そんなの関係ねぇ!」という小島よしおさんのギャグを出願特許するそうですが、認められる半年後にそのブームが続いているのでしょうか。そういえば昔は1つギャグがあたれば2、3年は活躍できたのですがね。
そうそう、つまらないギャグ イコール オヤジギャグと表現されますが、オヤジというのはつまらないものなのでしょうか?(怒)

寛容

2007-12-18 16:00:57 | Weblog
フランスのサルコジ大統領の女性問題が日本の新聞の話題になっています。敢えて日本のと書いたのは、現地の新聞のとり上げ方はどうだろうと思ったからです。
というのもフランスは寛容の国ですから、例えば犬がレストランにウロウロしようとも全く気にしませんし、特に個人主義が尊重される社会は大まかにいってしまえば自分以外のことには無関心なのですね。
アメリカ社会や日本社会は人間の負の部分が、特に政治家などにみつかるとメディアは一斉に攻撃を始めます。ところがフランスはセックス・スキャンダル(サルコジ大統領は独身になったのでスキャンダルではありませんが)であっても、大統領であっても、プライベート事項ならば、やぼな詮索はしないようです。もちろん嫌悪感はあるでしょうが。
その背景には、人からとやかく言われたくないから人のプライバシーにも踏み込まない、そんな思いが強い気持があるのでしょう。
「寛容の国フランス」とよくいわれます。外国人、特に移民の人々に対して非常に寛容ですが(サルコジ大統領は厳しい姿勢)、違う価値観の人を許す精神の発達を我々も見習わなくてはなりません。
本当のグローバル化はそんなところからはじまるのかもしれませんね。

会話

2007-12-17 23:50:15 | Weblog
「あとでより 今 話そう 親子の会話」という、いつだったかの標語を思い出しました。
今朝方「中学2年生の60%が携帯電話を持っているが、その生徒たちの60%以上が殆どメールのやりとりで、そのうちの多くが家庭での会話が乏しい生徒」というデータがあるというニュースが流れていました。
現代の世相の一面で、家庭環境をとりあげるとき、極端に家庭での会話が不足していると指摘されています。食後、すぐ個室に閉じこもり、テレビやゲームにふける子供が多く、母親も外で遊ぶより安全という事で許可しているというものです。
親子といえども会話を通して気持のやりとりがあって初めて信頼関係が生まれるわけですから、その機会を放棄している様で残念ですね。ただ親子の会話というと、一方的に親の方が話し聞かせという状態が生まれる事が多くあります。特に父親は会社モードを家庭に持ち込み、論理的であるか効率的であるかという思いで子供の話を聞く姿勢をみせると言葉のキャッチボールが出来なくなります。
ですから「子供がしゃべろうとしていることに、ひたすら我慢強く耳を傾けよう」
こんなところからはじめてみてはいかがでしょうか。親子の会話の中で共通の価値観が芽生え、しつけにもつながっていきますよね。

2007-12-16 18:18:47 | Weblog
私の気分爽快になる時間は、新聞を1時間程声を出して詠み終わった時です。元々大きな声を出す事は、とてもよい健康法だと言われています。ですからカラオケを楽しむのはいいんですね。歌うときの呼吸は大人が1回の呼吸で吸い込む空気の量の7倍から10倍にも増え、大きな深呼吸にもなります。又、お腹に力が入って胃腸は丈夫になり、内臓の血行がよくなるのです。
もう一つは、精神的なリラックス効果があります。声を出すと気分転換やストレス解消にもつながり、カラオケ好きの方は免疫機能が活性化されるという研究もあるくらいです。べつに大声を出して歌わなくても、鼻唄でも気分の上ばかりでなく健康上にもよい影響があります。
ただ、乾燥した部屋でのカラオケは喉を痛める事もあります。練習環境を考えなければなりませんが、加湿器を使って部屋の湿度を70%以上に保つ事も必要です。
こまめにうがいをすることですね。但し、あいにく声がかれてしまった時は注意しなくてはいけません。
毎日が生放送の時にはずい分困った事がありました。声がかれている時に声を出すと、声帯を震わせて疲れてしまいます。特にヒソヒソ声は喉の負担が大きく余計に悪くなる事があります。
声がかれはじめたら、出来るだけしゃべらないようにする事が一番のようです。
申し遅れましたが、カラオケの練習曲には私の「おまえとともに」を是非歌って下さい。健康にいいですよ。

見識

2007-12-15 22:27:21 | Weblog
作家、阿川弘之さんの「大人の見識」(新潮新書)が11月17日に発売され、2週間で10万部に達するという反響を呼んでいます。
私も早速買い求めましたが、この書は本当の大人や深い見識が消えていく時代にあって大切なことは、知識やスピードではなくてじっくりと歴史を温めて得られるスープのような知恵だと語っています。特に参考になる言葉の1つに「負けっぷりをよくする」というのがあります。これも見識を取り戻すための言葉でしょう。
三つの識があります。「知識」「見識」「胆識」
その1つ見識は、自分の経験や考えを知識にかえたもので、経験によって持つものだと教えてくれます。そういう意味では正しい見識を見に付ける為には敗者から学ぶ事。その敗者は歴史からピックアップする事でしょう。
阿川さんは、その為にも歴史を若い人にもっと知って欲しいと語っています。そして得た知識の中から峻別する必要があります。つまり情報を加工する力も必要になってきます。
現在の情報の伝え方にも問題があります。伝える人間の人間性、これが欠如しているのですね。自分の考え方をまず披露する力がないのです。単に情報を受け売りするという無難な作業に終始してしまっている様な気がします。
ともあれ来年あたりは「品格」から「見識」にブームが移り変わっているかも知れませんね。

背番号

2007-12-14 19:12:51 | Weblog
今日はご存知「赤穂浪士、討ち入りの日」です。雪景色の中、吉良の屋敷に向かう四十七士の揃いの衣装はおなじみですが、それぞれの氏名がきちんと書かれているのが特徴です。
話は変わりますが、プロ野球選手の背番号がこの氏名にあたります。福留選手がメジャーのカブスに入団が決まりそうですが、そこでの背番号は「1」が用意されている様です。
背番号には永久欠番があります。日本のプロ野球の初めての永久欠番は1947年に沢村栄治投手の背番号14でした。ピッチャーの最高栄誉である沢村賞の沢村栄治投手です。以降、各球団に永久欠番が誕生しています。
巨人の長島(3)、王(1)はもちろんですが、中日も服部(10)、西沢(15)が永久欠番です。福留選手がチャレンジするメジャーリーグでは、背番号「42」が永久欠番になっています。(チームだけではなく、アメリカメジャーリーグ加盟全球団において「42」は永久欠番なんです)ジャッキー・ロビンソンの背番号です。そういえばシーズン途中で殆んどの選手が「42」をつけてプレーする試合がありましたね。
ともかく、数字に人格をもたせてくれるのが背番号です。入団した時にもらった背番号をあこがれの数字にするんだという新人もいる様です。その心意気は良いですね。
残念ながらメジャー志向が強い世の中、1チームで野球人生をまっとうするという永久欠番の条件もありそうですから、これからは殆ど永久欠番は誕生しないかもしれませんね。

破魔矢

2007-12-13 23:59:56 | Weblog
各神社で初詣用の破魔矢作りが急ピッチで行われています。
この破魔矢は文字通り災厄を避ける為の神の矢で、その年の凶の方角(2008年は北東?)に、矢の先を向けて頭より高い位置に据えるのです。
その破魔矢についている絵馬も開運招福という事で、その年の十二支が描かれています。もちろん来年は子年ですからねずみの絵です。ねずみは多産の動物、子宝に恵まれる象徴とされていますから、少子化に歯止めがかかればいいですね。また七福神の大黒天のおつかいともいわれています。
ねずみについてはこんなエピソードも語られています。中国の戦国時代の事、天帝が動物達を呼び集め、期日を定めて到着順に十二支を与えるというお達しに、一番に到着したのがねずみです。ところが猫はねずみから嘘の期日を教えられ選にもれたそうで、それを恨んでねずみを追い回す様になったとか。
最近の猫はねずみをあまり追い回さない様ですから、恨みを薄れたのでしょうか。ただ、ベトナムの十二支にはうさぎのかわりに猫が入っているそうですから、ベトナムでは猫とねずみは仲が良いのかも知れません。(笑)
昨日発表された今年の漢字は「偽」でした。「嘘」にも通じる漢字ですが、来年こそは「人間、正直が一番」の原点に戻っていくきっかけの年にしたいものですね。

駄目

2007-12-12 17:04:03 | Weblog
西村雅彦さんという個性的俳優がいます。素敵ですねぇ、大好きです。その西村さん、今日が誕生日です。
彼がお茶の間の人気者になったのは「警部補 古畑任三郎」のダメ刑事役がきっかけでした。
ダメというのは漢字で駄目と書きます。この駄目というのは囲碁用語なんですね。本来、双方の境にあって、どちらの地にも属さない所を意味して、この場所に石を置いても自分の地にならず、無駄な目になることから、やっても甲斐のないこと、してはいけないことを駄目というようになったそうです。
ところで「駄目でもともと」という言葉があります。私は結構好きな言葉です。
そういえばかつてこんなこぼれ話を聞いたことがあるのですが、その後どうなったのでしょうか。
あるイギリスの警官が犯罪防止の手段で、犯罪グループに手紙を送りつけました。「まっとうな暮しをするか、警察の標的になるか、君に選択肢がある。年頭に犯罪をやめると誓ったらどうか」というものです。この手紙作戦、果して効果があったかどうかわかりませんが、大好きなエピソードです。
さて「駄目でもともと」が何故好きかというと、「駄目でもともと」の次にはこんな言葉が続くと思うからです。
「駄目じゃなかったらすごいこと!」