フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

十二単(じゅうにひとえ)

2007-09-29 22:51:05 | Weblog
今日は、沼津で結婚式の司会でした。何とその結婚式の新郎新婦の衣装は新郎が衣冠、束帯、そして新婦が十二単でした。(写真は少々ぶれてしまっていますが、雰囲気はわかりますか)
この十二単というのは「女房装束」「裳唐衣」「唐衣裳姿」などと呼ばれましたが、正式には「五衣、唐衣裳」といい、初めて十二単という言葉が出てきたのは「源平盛衰記」だそうです。
今日の新郎新婦の姿を見ると、会場全体が平安時代の雰囲気に包まれました。
聞く所によると、その平安時代には、花嫁は花婿を十二単姿でむかえ、2人の寝所の蚊帳の中に入るときに上に羽織っていた小袿を脱いだそうです。
今日の新郎は、八幡神社の長男で禰宜ねぎさんでしたので、この2人の衣装はぴったりです。
そもそも披露宴というのは、本来の自分の本当の姿を知ってもらうという意味もあります。長い人生これから濃密なつきあいをしていく人達をお招きしている中で、職業から新郎の能力などを理解してもらうには、今回の衣装は一番説得力があったのではないでしょうか?
それにしても十二単という言葉の響きの美しさ。日本との美しさを改めて認識しました。