フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

潔さ

2011-06-24 12:18:40 | Weblog
昨今の新聞紙上でよく見られる言葉に「潔さ」があります。この言葉は武士道からの言葉で自分の言ったことや自分の行動に責任を持つということに使われます。そして今総理辞任をためらい続け、何も決められない状況の中で国会延長が決まっている菅総理にたいする当てつけのように登場している言葉です。
東日本大震災の後、世界から礼節ある民族と言われて称賛された一般人とは全く違う政治の世界の現状です。引き際の潔さを、過去、それなりに評価された人々は数多くいました。自分の思いや意思を断ち切り、事を決断してきました。私はそれを美学と受け取ってきました。今回、総理はあきらめないという姿勢を強調して、その席に留まっていますが、何か私の思いが否定されたような感じがします。
花火の世界では「引き際の潔さ」という言葉があるそうです。それは打ち上げ花火でパッと一瞬大輪の花を咲かせ、直後にパッと消えてなくなる状態が良い花火と評価されることをいいます。名残り惜しくいつまでも残っているのは、引き際が潔いとは言わないそうです。
今、菅総理は在任中にあれもこれもやりたいと花火を上げていますが、やはり名残りが惜しいのでしょうか?