フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

気の薬

2011-06-04 15:56:02 | Weblog
今日は6月4日、虫歯予防デーです。語呂合わせでいえば、私は「無視予防デー」にしたいと思っています。人間関係の破綻の原因の多くは相手を無視することにあります。
気の毒という言葉があります。江戸では自分の為と見せ掛けて、実は相手の為になったり、相手を育てたり助けたりする為に送る合図を「気の薬」といいました。この気の薬に対して相手がストレスになることや物事を気の毒と言ったのです。人間が困ったり、嘆いたり、苦しんだりする原因を気の毒と言ったそうです。それ以降、単に困っている人にお気の毒にと形式的に話すようになったのです。
本来の気の毒を考えると嘆く原因、苦しむ原因となることの多くは、相手から無視されることです。それは自分の存在を認めて貰えない悲しさでもあります。コミュニケーションを取る際に一番納得できる瞬間は相手と一対一の瞬間を持つことです。上に立つ人も部下に一対一の瞬間を与えてください。ともかく現代の「気の薬」は相手をひと時も無視しないでいつも一緒に歩くことです。そんな心構えを忘れないようにする記念日が今日の「無視予防デー」なんです。