ワインを飲みながら,時間をかけて大きなステーキを食べ終わると,しばしの時を置いて,
「ポストレ(デザート)は何にしますか?」と尋ねられる。
「何がありますか?」と聞き返せば,
「トルタ(ケーキ),フラン(プリン),ケソ(チーズ),エラード(アイスクリーム),ケソ・イ・ドウルセ(チーズとさつまいも羊羹),ドウルセ・デ・バタタ(さつまいも羊羹),・・・フルータ(果物)はサンデイア(西瓜),フルテイジャ(苺),アナナ(パイナップル),ドウラスノ(桃)・・・」と続く。
ケーキやパイは何しろ甘い,そしてボリュームがある。しかし彼の国では,殿方も別腹に入れるようにパクついている。最初の頃は「トルタ」「ドウルセ・デ・バタタ」などお付き合いしていたが,半分も食べずに,「もう結構」となる。この甘くボリュームのあるデザートは,健康を気にしなくとも身体が受け付けるものではない。
また,デザートチーズは好物であるが,その大きさにはさすがに閉口した。
日本でも最近見られるように,ワゴンに載せてテーブルまで運んで来て,或いはコーナーを設けて,客にサービスするシステムが多い。
デザートと言えば,もう一つ「アロス・コン・レチエ」を思い出す。
アルゼンチンでの最初の夏であったか,メンドーサを旅した。独立広場に面するホテルの夕食でポストレのメニューを見ていると,「○○ハポネス」とある。スペイン語が分からなくとも,ハポネスが「日本人,日本の・・」と言うくらいは理解できる。
「これはなんだと思う? 食べてみよう」
運ばれてきたのは,白いお粥ではないか。
「何だ,これは!」
ご飯入りのミルクじゃないか。シナモンが振ってある。口にすると,ヒンヤリとして甘い。暑いところでは美味しく感じるのだろうが,残念なことにそのレストランは寒いほど冷房が効いていた。
後になって,これはアロス・コン・レチエと言って,パラグアイでは人気のデザートだと知った。だが,どうもこれは馴染めなく,二度と口にしていない。
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