新聞のお悔やみ欄を眺めていたら「タマちゃん」逝去の知らせに目が留まった
2022年2月7日逝去、享年86歳。タマちゃんは長寿大学の同級生だった。
長寿大学は市が社会教育の一環として設けた「高齢者の学び、社会参画」を支援する制度で、63歳以上が入学できるシステムになっている。私達の学年は入学時63名(定員50名、現在は40名定員)の大所帯で平均年齢は70.1歳だったが、タマちゃんは入学時に既に79歳で最高齢の一人。小柄で白髪、背筋がまっすぐ伸びた上品な姿で、講義の時は何時も最前列に座っていた。個人的に話す機会は少なかったが、静かな語り口が印象的だった。
多人数にもかかわらず、私達のクラスはまとまりが良く活動的な学年だった。「桜だよ歩こう会」「一泊旅行」「昼食会」など多くの学年行事を企画実行したが、タマちゃんは何時も元気な姿を見せていた。恒例の卒業記念パーテイで私たち学年が「ミュージカルっぽい 森のクマさん」を演じた時は、熊の衣装を自作し可愛い熊さんを大熱演。それ以来、タマちゃんには可愛い熊のイメージが定着し、同級生からは「タマちゃん」の愛称で呼ばれるようになっていた。
卒業が近づく頃、さすがのタマちゃんも少し疲れやすくなったかと感じることもあったが無事卒業式を迎えた。当年の卒業生は48名。中途退学者が多数いる中で目的を全うし卒業を果たした。卒業祝賀会時のスナップ写真にはタマちゃんの矍鑠とした姿が写っている。
また、卒業記念文集に「四年間の思い出」を寄稿しているので引用しよう(学生自治会「恵庭市長寿大学卒業・修了記念誌」2018.2)。
タマちゃん、2018年(平成30)2月28日、卒業式の日にお会いしたのが最期になりましたね。
往時を偲び、謹んで哀悼の意を捧げます。(恵庭市長寿大学第十七回生)