豆の育種のマメな話

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恵庭の碑-20 茂漁川河川緑地の「モニュメント翠光(すいこう)」

2018-11-06 17:05:58 | 恵庭散歩<記念碑・野外彫像・神社仏閣・歴史>

恵庭市西方の大地(自衛隊北海道大演習場、えこりん村)に源を発し、恵庭市街を東に向かって流れ、漁川(石狩川水系千歳川支流)に注ぐ一級河川の「茂漁川」。この茂漁川が旧国道36号(元札幌本道)と交差する河川緑地(柏木町4丁目、新茂漁橋のたもと)に「モニュメント翠光(すいこう)」がある。

モニュメントは、石を重ねた石柱の上に「川の流れと小鳥の造形」。石柱にはめ込まれた説明板には「樹木の翠(みどり)と茂漁川のせせらぎが美しいこの水辺で翡翠(カワセミ)が舞う姿を表現したものです」とある。見上げると4羽のカワセミが置かれ、餌を狙う姿、小魚を嘴にくわえた姿が目に付く。右端の2羽はオスがメスに獲物をプレゼントする求愛給餌の姿なのだろうか。

台座には、「この茂漁川水辺空間の新しいシンボル“モニュメント翠光”は宝くじの普及宣伝事業として整備されたものです 平成93月 恵庭市 寄贈財団法人リバーフロント整備センター(注、現公益財団法人リバーフロント研究所) 協賛財団法人日本宝くじ協会」と書かれたプレートがはめ込まれている。

 

茂漁川は漁川と共に恵庭市民のいのちと暮らしを育んできた「母なる川」、市民に愛される河川である。古来より鮭が遡上する清らかな河川として知られていたが、戦後の河川工事で自然が破壊されたことから、1990年に「ふるさとの川モデル事業」で川底に自然の土や石を戻し、水際に柳を植えるなど緑化護岸を行い、茂漁川は緑豊かな河川に生まれ変わっている。両岸には遊歩道が整備され、今では市民の散策コースの一つとなり、バイカモの群生地、カワセミの観察できる環境として高い評価を得ている。

このモニュメントは、整備事業の完成後に水、水辺、生態系を守り、自然と調和した防災まちづくりを目指すリバーフロント整備センターが市に寄贈したもの。モチーフは恵庭市の「市の鳥」であるカワセミである。

カワセミ(翡翠、川蟬、学名Alcedo atthis)は、ブッポウソウ目カワセミ科カワセミ属に属する鳥。水辺に生息。鮮やかな水色の体と長いくちばしが特徴。全長は17 cmほどで、長いくちばし(嘴峰長3.3-4.3 cm)のため体はスズメほどの大きさ。頭、頬、背中は青く、頭は鱗のような模様がある。喉と耳の辺りが白く、胸と腹と眼の前後は橙色。足は赤い。カワセミの青色は色素によるものではなく、羽毛にある微細構造により光の加減で青く見える(構造色、シャボン玉がさまざまな色に見えるのと同じ原理)のだと言う。この美しい外見から「渓流の宝石」などと呼ばれる。ヒスイと同じ漢字を書く。

恵庭市の「市の鳥」と書いたが、カワセミを市の鳥に指定している市町村は全国で40を数える(北海道では恵庭市のみ)。

11月上旬、茂漁川川辺のドウダンツツジは真っ赤に紅葉し、バイカモが揺れる川面には数羽の鴨が遊んでいた。

  

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