
2/12~22、文化座アトリエ
(主催/社団法人日本劇団協議会 製作/文化座)
昨日は意識的に大きく取り上げませんでしたが、演出は昨秋、弊団『空ゆく風のこいのぼり』でも見事なタクトを振ってくれた磯村純さんです!
東演では上記作品以外にも2作品、区民演劇祭など含めると5本、僕と磯村さんは、プロデューサー×ディレクターで組んできた盟友でもあります。
さて。
文化座×磯村演出のニュースは、演劇界において大きな話題となりました。

創立1942年の伝統ある文化座と「磯村演出」のマッチングは、フットボールの母国イングランドの堅牢なクラブチームに、南米ラテンサッカーの新進監督が就任するようなものと、業界はざわめいたのでした。
確かに“感性の演出”で、これまでも観客を魅了してきた「磯村ワールド」ですが、実は基本を大切にした組織的なフォーメーションの上に確立されることをよく知っていたので、個人的には大きな期待を寄せていました。

具体的にいえば。
母と少年が打ち解ける「良いシーン」の後に、その余韻を分断するかのごとくスピーディーな転換を用意していたりするのだが、このような演劇手法は、文化座では余り馴染みがないことだろう。
けれども。
その表層でなく、パスワークや空間を埋める動きを丁寧に稽古場で繰り返して来た「組織力」に載った《トリッキーな仕掛け》なので、客席にそれは見事に突き刺さる!!!
また、この男がしでかしてくれたわけです。
今年の千田是也賞(第11回)を受賞した演劇集団円の森新太郎さんなど、新劇団の若い演出家の台頭が顕著な今日この頃。
その中に互しても尚、強烈な個性を放って、これから益々「磯村純」は、我々を楽しませてくれるだろう!


