Ma Vie Quotidienne

一歳に二度も来ぬ春なればいとなく今日は花をこそ見れ

ウイスキー 知らない蒸溜所特集+α

2015-02-15 23:55:45 | Spirits&Others
先日、雨のなか10キロ走ったばかりに
すっかり喉と鼻が使い物にならなくなってしまいまして、
しばらくワインもウイスキーもテイスティングできなかったんですが、
なんとか鼻が利くようにになってきたんで
リハビリ的な意味を込めてカークウォールさんへ。
実は、近々関西方面に行くので、
どこでモルト飲んだらいいか聞いておかなくっちゃ!
っていう理由がメインの訪店です

この度は、
飲んだことない蒸溜所のシングルモルトとその他いろいろ、
はじめにマスターとランナップを決めてスタートです



GM レアオールド グレンロッキー 1968-2008 43%

GM社のレア・オールド、閉鎖されてもうこの世に存在しない蒸留所も含めた、
希少なウイスキーばかりのシリーズ。

<グレンロッキー蒸溜所>
グレンロッキーとは、ゲール語で「黒い女神の渓谷」という意味を持つ。
1897年に西ハイランドのフォートウィリアムに設立され、1983年に閉鎖された。。
この蒸留所は蒸留設備はすでにすべて撤去されていて、操業再開の見込みはほとんどない。
スティルは初留が1基、再留が1基の計2基。
実際に生産を開始したのは1901年の4月から。
創業の開始が遅れた理由は、当時景気の冷え込みによるウイスキー不況の真っただ中だったため。
操業が始まってもフル稼働はできず、本来持っている生産能力の一部しか使えなかった。
1960年から70年代にかけて何度か増改築が行われ近代化が図られたが、
状況が好転することは結局なかった。
さらに何年ものあいだ操業停止に追い込まれたことも、
グレンロッキーがレアである大きな原因であろう。
操業中にはオフィシャルボトルは一切発売されず、
ボトラーズものもあまり見かけないがときおり市場に出回ることがある。

<テイスティング>
香:麦 ミント ハーブ、薬品、こげたプラスティック、
  草、黒糖、レーズン、はちみつ かるくピート
味:とろり、焦がし麦、はちみつ、麦チョコ、こげたプラスティック、 
  優しく口全体に広がる、余韻長め 焦がし麦
レアなもの、飲めてよかった・・・。





オルトモア 5年 プロヴェナンス
ボトリング1000アイテム記念ボトル (ダグラスマックギボン) 50%

「ダグラスマックギボン社」の名前でダグラスレイン社がリリースしているのが、
この“プロヴェナンス・シリーズ”。
蒸留されたシーズンを春夏秋冬に分け、それぞれを別の色でラベリングしている。
同シリーズのボトリング通算1000アイテム記念という偉大な節目のために
フレッド・レイン氏に見出されたシェリー樽熟成原酒。
熟成5年以上の2つのダークシェリーの樽から・・・って書いてあります。

<オルトモア蒸溜所>
1895年創業。
Aultmoreとはゲール語で「大きな小川」を意味し、
その蒸留所名は近辺を流れるオーヒンデラン川に由来するといわれている。
1923年以来、ジョン・デュワー&サンズ社によって運営されてきたが、
1998年にラム酒のメーカーとして有名なバカルディ社の傘下に入り現在に至る。

蒸留所があるのは、キースの町から北西に4キロメートルほど離れた所。
周辺にはモス(moss)と呼ばれる泥炭地が広がっていて、
仕込み等に用いる水もフォギー・モスという名の泉から引いています。
そのためか、ボトルによってはピーティなニュアンスを感じさせるオルトモアもある。

オルトモア蒸留所は、廃液処理のパイオニアだったことでもよく知られている。
1952年、廃液を加工して「ダークグレーン」と呼ばれる家畜用の飼料を作り出すことに成功し、
長いこと未解決だった環境汚染の問題を解決した。
この画期的な技術はその後広く普及し、
多くの蒸留所でダークグレーン工場が建設されることになった。
オルトモアは、エコロジーという概念を形にした最初の蒸留所だったといえる。

またこの蒸留所は、かつて蒸気機関を動力として使用していた時期があった。
1898年に導入されて以来、なんと修理するとき以外は24時間体制で稼働させていたという。
しかし1970年に規模の拡張が行なわれ、それと同時に撤去された。
歴史的な資料としても貴重なその古い蒸気機関は、現在でも大事に保存され蒸留所に展示されている。

完成度の高いシングルモルトのひとつといわれ、ブレンダーからの評価も高く、
VAT69やデュワーズ、ジョニーウォーカー黒ラベルの原酒となっている。
特にデュワーズでは重要なメイン原酒のひとつ。

<テイスティング>
香:焦がし麦 アルコール はちみつ、カラメル、ぽん菓子、リコリス、
  南国フルーツ、フルーツシロップ、乳製品
味:さらり、カラメル 焦がし麦、メープル、麦チョコ、ドライフルーツ、
  キュッと上に張り付くが優しく拡散、
  余韻長い、焦がし麦、カラメル長く、かるく塩味、そしてカラメル、麦・・・・
5年ものとは思えないくらい余韻が長くて奥深い・・・

ボトラー違いでちょっとお味見。

GMコニサーズチョイス オルトモア 1997-2011 43%
<テイスティング>
香:麦、チョコ、乳製品
味:麦 甘い、塩味、
これはまた違った印象、麦チョコ感たっぷりで甘くておいしい。




お次は経験済みの蒸溜所ですが、、
このボトルの某雑誌でのポイントが高かったというんで飲んでみました。

トマーティン 1993 20年 ザ・ウェアハウスコレクション 55%

『ザ・ウェアハウス・コレクション』は、
ドイツ・ハンブルグの近郊シュテレに本拠を置く、
ウイスキー・スペシャリスト“ザ・ウイスキー・ウェアハウス No.8”が
2007年にリリースを開始したオリジナルブランド。
ドイツ語圏のホテルやレストラン、バーなどをメインに販売されている。

<トマーティン蒸留所> 
トマーティン村は、ロンドンの北西約900km、
ハイランド地方の主要都市インバネスから25kmほど南に位置し、
ネッシーで有名なネス湖にも程近い人口約500人の小さな村。
「トマーティン」とはスコットランドの古語で“ネズの木の茂る丘”の意味。
この村では良質のピート(泥炭)が産出され、。
また、モナリアス山系から湧き出す清らかな水をはじめ、
気温、湿度などウイスキーづくりに最適な自然環境に恵まれている。
ウイスキーの仕込水には
「オルタ・ナ・フリス(自由の小川)」と呼ばれる小川の水を使用。
スコッチ・ウイスキーの味わいを左右する非常に重要な仕込水に、
モナリアス山系の様々な地質の土壌を伏流したこの小川の水を使用することにより、
花や蜂蜜、フレッシュでフルーティーな香りが引き立つ。
そしてさらに良質のピートを用いることで、
口あたりまろやかなバランスの良い味わいのウイスキーが生まれる。
トマーティン蒸留所は、標高315mに建ち、
スコットランドのモルト蒸留所の中で最も標高の高い場所にある蒸留所のひとつ。
創業は1897年で、スコッチ・ウイスキー黄金期と言われる1970年代当時には
現在の約2倍にあたる23基の蒸留器を擁していた。
現在は、初留釜6基、再留釜6基の計12基の蒸留器で良質なモルト原酒を生産している。
現在でも、スコットランド最大級のモルト・ウイスキー蒸留所として知られている。
日本の宝酒造と大倉商事が現オーナー。

<テイスティング>
香:甘いゴム、南国フルーツ、白いユリの花、麦わら、ぽん菓子、
味:とろり、ぽんがし、梨のコンポート、上方にピリッとぶわっと広がる、ゆでピーナツ、
  加水でさらにぶわっと広がる、明るいドライフルーツ、かすみ草
  余韻やさしく長くゆでピーナツ、甘い麦
トマーテインってスモーキーでスパイシーでドライで地味な印象だったんだけど、
これ全然違う印象ですごく華やか。




お次はまたまたはじめての蒸溜所。

タムデュー 1968-2010 GMリザーヴ for ラ・メゾン・ド・ウイスキー 55.2%

パリを拠点とするラ・メゾン・ド・ウイスキー社のためにGMが瓶詰した限定ボトル。

<タムデュー蒸溜所>
タムデューは「黒い丘」を意味するゲール語に由来する。
同蒸溜所は、スペイサイドの中心部に位置し、
すぐ隣はノッカンドゥ蒸溜所で、カードゥ蒸溜所にも近い。
製造開始は1897年7月。
1911年から1913年まで、さらに1928年から1948年までの20年操業を停止する。
その再操業の2年後、
既存のフロアモルティング製法に代わってサラディン式モルティングを導入し、
スコットランドで唯一のその伝統的製法を頑なに守っている。
タムデューは50箇所を超えるスペイサイドの蒸留所の中で唯一、麦芽を100%自給している。
1970年代に他の蒸留所と同様に蒸溜所拡大し、
最終的に、数字上では年間生産高400万リットルを誇る一大蒸溜所だった。
1976年に8年モノのシングルモルトとして初リリース。
1999年にはエドリントン・グループに買収され、
2009年末に同蒸溜所の閉鎖が正式に決定された。
2011年にイアンマクロード・ディスティラーズが買収し、
2013年5月4日のスペイサイドウイスキーフェスティバルで復活。
フェイマスグラウスの原酒。

<ティスティング>
香:ゴム、オレンジ、アルコール、ドライアプリコット、黒糖、あめ細工
味:とろり、黒糖、暗いドライフルーツ、オレンジピール、
  ドライマンゴー上にビリっと甘さに変わり広がる、あめ細工、
  余韻ながーい、あめ細工、オレンジ砂糖づけ、綿菓子、苦味、根菜
甘くて美味しい♪今のタムデューはどうなのかな。若いのも飲んでみたい。




お次は飲んだことあって、大好きなこちら。

ケイデンヘッド グレンバーギ・グレンリベット 29年(1985-2014)55.3%

<グレンバーギ蒸溜所>
蒸留所があるのはスペイサイド地方最西端のフォレス地区。
グレンバーギ蒸留所の歴史は、1810年まで遡る。
1829年には現在の場所に蒸留所を建て替え、設備を移設。
また政府の認可を受け、公認の蒸留所となったのもこの年。当時、
この蒸留所はキルンフラットと呼ばれていましたが、1878年にグレンバーギと改められた。

この蒸留所の特筆すべき点は、一時期ローモンドスティルが使われていたこと。
ローモンドスティルというのは、20世紀半ばにハイラム・ウォーカー社が開発した蒸留器で、
円筒形のネックの中には蒸気の還流率を調整する装置がつけられている。
またスワンネックとコンデンサーをつなぐラインアームも、通常はできない角度調節ができた。
1958年に導入され、短期間だがグレンバーギとは別に
グレンクレイグ(Glencraig)という名のモルトウイスキーが生産されていた。
バランタインの主要な原酒。
2005年にペルノ・リカール社に売却され、同年に建て替え工事が行われ操業を一時ストップ、
2007年には全面新築となった新生グレンバーギが操業を再開。
長年水不足で悩む蒸留所の一つだったが、新たな水源確保に成功し生産量もアップしている。

<テイスティング>
香:甘いゴム、柑橘の皮、かるく麦、南国フルーツ、梨、ブラウンシュガー、リンゴのコンポート、
味:わりとさらり、ぎゅっと上に、もも、梨、ドライパイン、かるく麦、リンゴのコンポート、
  口全体にかるくビリっとしながら広がる、
  余韻ながーい、甘いはちみつ、桃、梨、かるく麦、リンゴの皮、麦の甘み
やはりおいしい♪グレンバーギ




〆はこちら。

エレメンツ・オブ・アイラ Lg2(ラガヴーリン2)58%

ウイスキーエクスチェンジの代表として有名なスキンダー・シン氏がセレクトし、
2008年にリリースされ話題を呼んだ“エレメンツ・オブ・アイラ”。
バッチごとに蒸留所から選び抜いた5から20程度の樽を混合して瓶詰めし、
ラベルには蒸留所のイニシャルとバッチ・ナンバーがシンボル的に表示されている。
そのデザインは、
医学研究所が使用しているラベルやパッケージからインスピレーションを得たもので、
ボトル形状も薬剤瓶そのもの!

<ラガヴーリン蒸溜所>
アイラ島南岸に位置し、1816創業だが、
1740年代には周辺に10か所以上の密造所があったという。
蒸溜所名はゲール語で「水車小屋のある窪地」の意。
周囲はピートに厚く覆われた湿地で、
ソラン湖からその中を流れ下った水で仕込まれている。

<テイスティング>
香:うがい薬、スモーク、潮風、松の焚き火、ミント、ハーブ、乳製品、
味:さらり、ハーブ、麦、なし、もも、燻製、塩味、ナッツ、口全体に広がる、
  余韻長め、洋梨、塩味、燻製、ナッツ。


はい、この日はハーフ6杯で終了です。
知らなかった蒸溜所も3つ体験できたし、
大好きなグレンバーギも飲めたし、
関西のバー情報も聞けたし、
ジャズのお話もしたし、
とっても有意義な時間、ありがとうございました