Ma Vie Quotidienne

一歳に二度も来ぬ春なればいとなく今日は花をこそ見れ

読書  ゴールデンスランバー  伊坂幸太郎 著

2011-11-05 08:16:03 | Book


10月はじめに仙台行ったとき、ご飯食べに行った店の大将が、
「今日はあの映画、録画予約してきたから早く帰ってそれ見るんだ」と。
常連さんたちも一緒になって、
「すぐそこでロケやってたよね」なんて盛り上がってる。

次に行ったワインバーでは、
店の真ん中にある大きなスクリーンで、
その映画を映してましたので、
私も一緒にざっくり視ました。

その時に「試験とか一切終わったらこの原作読もう。」と思っていたのが、
このゴールデンスランバーです。

仙台が舞台なんです。
2008年の本屋大賞。
映画されたのが昨年くらい?
全ロケ仙台だったそうです。

まあ、相変わらずまた前置き長くなりましたが
読み終えて、すごいエンターテイメントだなと思いました。

どんでん返しの連続で、すっかりのめり込んじゃいました。

半年ぶりの読書復帰にはもってこいの一冊だったと思います。

仙台に行ったあとで読んだせいもあり、
地名とか街の雰囲気を思い浮かべられたしね。

読んでいて、
何だか1984(オーウェル)とか1Q84(村上春樹)っぽいなと思いました。
まあ1984に関しては、ゴールデンスランバーのなかにも出て来てましたがね。

あと、章ごとに登場人物の名前が冠してあるところとかが1Q84ぽい。

でもね、
巨大な悪と戦うために昔の仲間が集結!
みたいなところは「20世紀少年」っぽいなと思ったり。

主人公が濡れ衣着せられて逃走するのを、
昔の仲間や新たに出会った人、いろんな人が助けてくれるんだけど、
ちゃんと人と向き合って生きて来た人は
あの人ならこうするだろうなっていうのがわかるから、
一か八かでそれにかけてみるとちゃんとつながりができていって
それで逃げ延びて・・・
みたいな巧妙な感じが面白い作品です。

最後の「事件の3か月後」の章は笑ったり涙が出たり。
ダイレクトに自分の存在を表せなくても
「これってアイツだ」ってわかるって、
やっぱり人とちゃんと向き合っているからできることだなって
心に響きました。

子供の時の嫌な経験も、学生時代の下らない出来事も、
すっかり忘れていたのに
その小さな一つ一つが自分の個性になっているんだなって思います。

私自身も、
今年は震災絡みもあり、
人とのつながり、昔の知り合いとの再会など多く、
そんな中でこの作品を読んで、
人とは本気で向き合って語り合って行くことが大事だし、
まあ傷ついたりビックリするようなことが起こったりもするけど
自分がしっかり生きてて大事な人とちゃんと向き合っていれば、
見ててくれる人はちゃんとわかってくれる・・・
ということをあらためて感じました。