クルマのサスペンションと長いお付き合い

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検証 バランススロットル61 踏力一定をうるさく言う理由

2013-01-24 23:07:58 | バランススロットル

踏力一定と表現していますが、これは減速G一定のことです。
そしてこの時の“一定”とは、減速Gを維持している右足の筋力を
一定の強さにしているということです。
ブレーキペダルを踏みつけている力が一定ならば、
減速Gも基本的に一定の値を持続します。
これが減速中のG一定の説明になるのですが、“踏力一定”を
ワンパターンのブレーキの掛け方と勘違いしないでください。
いつでも同じ強さの減速という意味ではありません。
減速強さ(ブレーキ強さ)は、場面場面で違ってくるのが当たり前です。
ある時のブレーキングの組み立てをブレーキング開始から終わりまで一定Gで行う、
それが減速G一定です。
一定Gを守って減速操作を繰り返していれば尺が身についてきて・・・というのが
先回のくだりになります。

では一定Gで減速操作ができない場合を考えて見ましょう。

・ポンピングブレーキといわれる、ブレーキング途中に何度も減速Gを抜いて
 帳尻あわせをするパターン
・始め弱めのブレーキングからスタートし、しばらく走って停止目標に近づいてきたら
 これも帳尻あわせでブレーキをウンと強く踏み込んで、カックンブレーキで止めるパターン

代表的なのがこの二つのパターンかと思います。
どちらも自分のパターン、自分のペースでブレーキングを組み立てていることです。
となると、他の車との交流は苦手、つまりはギクシャクとした協調性のない走らせ方と言えます。 
当然、尺が身についているとは思えません。
これがひとたび低ミュー路になったらどうなるか。
ポンピングは間違いなく制動距離が長くなるのと、強い弱い(又はゼロG)を繰り返すクセで
強い、の時にABSが介入したら、自分で予定している制動Gが得られないことになり、
予定している減速の組み立てが、その一瞬で崩壊!します。
もう一つのパターンも、最後に強く、は実現しません。
タイヤグリップの上限値が低くなれば、こういったことが起きることが容易に想像できると思います。
いや~滑りやすい道は気をつけるから、と言い訳が聞こえてきそうですが、
人のクセは場面場面でカンタンに変えられるモノではありません。
これが一定Gを常日頃心がけていれば
速度に合わせる
路面ミューに合わせる
他車に合わせる・・・といったことができるのと、
良いクセはどんな場面でも発揮できる・・・と思いませんか?