クルマのサスペンションと長いお付き合い

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検証 バランススロットル63 CX-5エンジンブレーキと低速トルク

2013-01-30 15:50:11 | バランススロットル

直線スピードをフットブレーキでコーナリングスピード近くまで落とし
トレールブレーキングで速度を下げ続けながらハンドル角を
切り増していくことで、減速円が描ける。
同時に車両姿勢もしっかりと出口に向けることができる。
もう少しコーナリング区間が長く、その先が更に回り込んでRが小さくなっている時は
アクセルを抜くだけで旋回円を小さくできる。
ハンドルを動かさなくても、進路を内側方向に変えられるという訳だ。
丸いハンドルとアクセル(駆動のオンオフ=スピードの増減)の二つの使い分けの方法でもある。
アクセルを抜いて旋回円を小さくすることは誰でも自然にやっている事なので
気が付かない人が多いかもしれないが、ラインコントロールをスムースに行う上でとても重要なところだ。
国産のあまたあるAT車がなんとなくコントロールしづらく感じる一瞬が、
旋回中のアクセルオフ時の反応が無い時。
進路を少しだけコーナーの内側に向けるにも、100%ハンドルに頼らざるを得ない。
速度が落ちないままハンドルを切り込むと、進路は変わるが横Gが高くなる。
Gボールならボールがこぼれ落ちる。
ハンドルを切り増すたびにGコントロールがうまくいかない事になり、ギクシャクとした
Gの振れ幅の大きい運転になる。
この時、扱いづらさを感じるのだ。
そして今度はコーナーから立ち上がる時、旋回姿勢からハンドルを直線に向けて戻すと
Rは大きくなっていくが、横Gも抜ける。
Gボールで言えば、ボールが中央に転がり落ちる。
コーナーから立ち上がる時もハンドルではなくアクセルオンでRを大きくする事で
横Gから加速Gにつながり、Gの方向を変える運転になる。
こうすれば“とてもスムースな”立ち上がりになる。
ところが、このアクセルオンのときに低速トルクがあればの話。
低速トルクの無いエンジンと、ハイギヤードで待機するプログラムの国産ATは
アクセルを開けてもRを大きく出来ないから、ハンドルで進路を動かす。
するとGコントロールがギクシャク、ここでも乗りづらさを感じる。
よく効くエンジンブレーキと低速トルクの組み合わせで、二つのハンドルが揃う。
これが使いやすかったらラインコントロールの精度とGコントロールが自由自在。
MT車が扱い易く感じる理由の一つでもある・・・と、長々と書いてしまったが
CX-5、氷上でタイヤ一本分外さずコントロールできた。
ABSもDSCも顔を出すことなく、その仕上がりにあらためて驚く。
こんなに運転がカンタンで正確に走らせられる車は久々だ。