クルマのサスペンションと長いお付き合い

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検証 バランススロットル 17

2009-08-18 15:02:26 | バランススロットル
FF+LSDの正解

コメントありがとうございました。
さっそく話を進めていきましょう。
まずは、今回出題の4タイプのデフ(オープンも含めた)を、2つのグループに分けます。
1グループ目はオープンデフとギヤ式。
2グループ目は機械式とV/C。
走行ラインにLSDのクセを見つけるのに、デフの役目(差動)を許容するのか邪魔するのかの分け方です。
1グループ目はどちらもデフ本来の役目を邪魔せず、走行ラインには“あまり”影響しないと言えます。
2グループ目の機械式は駆動反力を増幅して拘束力としているので、デフの働きを邪魔する方向に効き、V/Cは回転数差に応じてデフ内部に抵抗力が発生するので、
これもデフの働きを邪魔する力となります。(据え切り時は特にです。)
左右回転差の大きい据え切り状態からのスタンディングスタートでは、前輪荷重が左右均等なところから動き始めるので、スタート直後には機械式とV/Cの影響がモロに出ることになり、加速円を一気に大きくします。オープンデフと、ギヤ式は速度に応じた大きさと言えます。
これらの理由から、外側の円に遅くタッチするのは、1グループ目のオープンデフと、ギヤ式LSD。「アッ」と言う間にタッチするのは、機械式、又はV/Cになります。
グループ分けして先着を説明したのは、V/Cも効きを強くすれば加速円は一気に大きくなり、逆に機械式も、クラッチ容量やカム角などを、穏やかな効きにチューニングすれば、小回りさせることができます。効かせ方次第なので似たものグループにしました。但しこのグループがギヤ式と、オープンデフのグループを越すことはありません。
次にギヤ式LSDがオープンデフと同じグループという理由を説明する必要があるかと思います。
LSDと名が付くとデフを拘束するイメージがあるのですが、ギヤ式LSDは違います。力の伝達方法の工夫によって、内輪の増速は許容せず、内輪からの反力を増幅して、外輪の駆動力とするところは機械式と同じ。
しかし、内輪の回転数が減る方向に力が入ると、拘束力を連続的にスルスルと緩めて、デフの動きを邪魔しません。
FF車に装着した場合、LSDの働きをハンドルの手応えとして、感じることはありません。(この事からギヤ式LSDは効かないデフと誤解されている。)
ギヤ式LSDとFF車はベストマッチ。
他は何らかの影響が色濃く出るので、相性が良くないとも言えます。
参考までに、実車テストの結果をお伝えしておきます。
一番小回りが出来たのは、ギヤ式LSD、次がオープンデフ。
LSDの影響の少ないのはV/C(市販純正で、効きが弱い)。
最も加速円の大きいのは、機械式LSD(競技用の効きの強いもの)でした。

解答としては (ヘ、オ)-(ビ、キ)の順です。

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