東京・台東借地借家人組合1

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【判例紹介】 地主は借地人に下水道敷設につき承諾義務を負うとされた事例

2006年01月28日 | 借地の諸問題

 判例紹介

  土地賃貸人が賃借人に対し下水道敷設につき承諾義務を負うとされた事例 東京高裁 平成9年8月30日 第10民事部判決、判例タイムズ1998年10月25日号134頁以 下)

  【事案】
 ①賃貸人Xら2名が賃借人Yに対し、借地契約期間満了を理由に建物収去土地明渡を求めた事件と
 ②賃借人Yから賃貸人Xらに対し下水道敷設についての承諾及び妨害差し止めを求めた事件。
 原審は①については賃貸人Xらの請求を棄却、②については賃借人Y下水道敷設承諾及び妨害差し止めの請求を容認。
 控訴審(東京高裁)は①に対して賃貸人Xらの建物収去土地明渡の控訴を棄却、②に対してYの請求の趣旨の訂正に基づき承諾請求の主文を変更。

    【判旨】 
 「右のような下水道法による規制(前記認定の事実によると、本件土地は、右公共下水道の処理区域内の土地であると認められる。)付近の土地の排水設備の設置状況及び本件土地の所在する場所の環境にかんがみると、本件土地につき排水設備を設置することは、本件土地の利用に特別の便益を与えるというものではなく、むしろ、建物の所有を目的とする本件借地契約に基づく土地の通常の利用上相当なものというべきであるから、賃貸人である控訴人らにおいて、本件土地につき排水設備等を設置することにより回復し難い損害を被るなど特段の事情がない限り、その設置に協力すべきものであると解するのが相当である。

 そして、前記認定の事実関係のもとにおいては、控訴人(賃貸人)において、本件土地につき排水設備等を設置することによって回復し難い著しい損害を被るなどの特段の事情があることは認められないから、そうであれば、控訴人(賃貸人)らは被控訴人(賃借人)が本件土地につき排水工事及び水洗化設備の新設工事をするに当り、これを承諾し、かつ、右工事の施行を妨害してはならないといわなければならない。

 寸評】
 本判決の主文は、「控訴人(賃貸人)らは、被控訴人(賃借人)が茅ヶ崎市に対し別紙物件目録1及び2記載の各土地につき公共下水道事業による排水設備水洗化設備の新設工事を申請するに当り、控訴人(賃貸人)Xは同目録1記載の土地につき、控訴人Xは同目録2記載の土地につき、それぞれ別紙公共下水道敷設承諾書記載の事項を承認せよ」となっている。

 従来の同種事件の保全処分での主文例より具体的な承諾事項を示し、行政の要求する地主の承諾事項を六項目にわたり承諾させている点は、参考になる。
 

(2000.05.)

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より

 

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