保証金/敷金トラブル/原状回復/法定更新/立退料/修繕費/適正地代/借地権/譲渡承諾料/建替承諾料/更新料/保証人
自主的に組織された借地借家人のための組合です。
居住と営業する権利を守ろう。



受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
(土曜日・日曜日・祝日は休止 )

判例紹介
平成16年06月29日 最高裁第三小法廷判決 平成15年(受)第751号 地代減額確認請求事件
(要旨)
建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約において,3年ごとに賃料を消費者物価指数の変動等に従って改定するが,同指数が下降しても賃料を減額しない旨の特約が存する場合であっても,賃料増減額請求権の行使を妨げられることはない
(内容)
件名 地代減額確認請求事件 (最高裁判所 平成15年(受)第751号 平成16年06月29日 第三小法廷判決 破棄差戻し)
原審 大阪高等裁判所 (平成14年(ネ)第1151号)
主 文
原判決を破棄する。
本件を大阪高等裁判所に差し戻す。
理 由
上告代理人安木健の上告受理申立て理由第1について
1 原審の確定した事実関係の概要は,次のとおりである。
(1) 上告人B株式会社(以下「上告人B」という。)は,貸ビル業等を営む会社であり,被上告人は,不動産賃貸業を営む会社である。
(2) 上告人Bは,建物所有を目的として,原判決別紙物件目録記載1の土地(以下「本件1土地」という。)につき昭和59年12月1日に,同記載2の土地(以下「本件2土地」という。)につき昭和63年4月22日に,それぞれ被上告人と賃貸借契約を締結し,それ以降,これらの土地を被上告人から賃借している。上告人Aは,建物所有を目的として,同記載3の土地(以下「本件3土地」という。)につき昭和62年11月4日に被上告人と賃貸借契約を締結し,それ以降,これを被上告人から賃借している(以下,本件1土地,本件2土地及び本件3土地を「本件各土地」と総称する。また,本件各土地に係る賃貸借契約を「本件各賃貸借契約」と総称する。)。
(3) 本件各賃貸借契約には,3年ごとに賃料(月額。以下同じ。)の改定を行うものとし,改定後の賃料は,従前の賃料に消費者物価指数の変動率を乗じ,公租公課の増減額を加算又は控除した額とするが,消費者物価指数が下降したとしても,それに応じて賃料の減額をすることはない旨の特約(以下「本件特約」という。)が付されている。賃料の具体的な計算方法は,第1審判決別紙1及び2記載のとおりである。
(4) 本件1土地の賃料は昭和63年4月1日に,本件各土地の賃料は平成3年4月1日及び平成6年4月1日に,それぞれ本件特約に従って改定された。しかし,平成9年4月1日には,被上告人が本件特約により増額された賃料を請求したが,上告人らがこれに応じなかった。また,平成12年4月1日には,賃料の改定はされなかった。本件各賃貸借契約に係る賃料の推移は,第1審判決別紙「物件目録一の土地の賃料の推移」,「物件目録二の土地の賃料の推移」及び「物件目録三の土地の賃料の推移」に記載されたとおりであり,平成6年4月1日以降の賃料は,本件1土地が54万5790円,本件2土地が144万7441円,本件3土地が54万2682円である。
(5) 平成6年4月時点の本件各土地の価格は,本件1土地が5億9670万円,本件2土地が8億0260万円,本件3土地が3億2000万円であったが,その後,急激に下落した。平成13年2月時点の本件各土地の価格は,それぞれ,1億5100万円,2億0310万円,8100万円であった。
(6) 上告人らは,平成13年4月13日,被上告人に対し,借地借家法11条1項の規定に基づき,翌日以降の賃料を,本件1土地につき44万2000円に,本件2土地につき82万1000円に,本件3土地につき31万6000円に,それぞれ減額すべき旨の意思表示をした。
2 本件は,上告人らが,被上告人に対し,本件各土地の賃料は上告人らによる上記賃料減額請求権の行使により減額されたと主張して,減額後の賃料の確認を請求する訴訟である。なお,上告人らは,原審において請求を減縮し,確認を求める減額後の賃料を,本件1土地につき45万8000円,本件2土地につき84万9000円,本件3土地につき32万5000円とした。
3 原審は,次のとおり判断して,上告人らの請求をいずれも棄却した。
(1) 本件特約のような賃料の改定に関する特約(以下「賃料改定特約」という。)は,賃料改定の際に改定の可否及び改定額をめぐって当事者間に生じがちな紛争を事前に回避するために,当事者の合意により,あらかじめ賃料改定の時期及び改定額の決定の基準を定め,これに基づいて賃料の改定を行おうとするものである。賃料改定特約は,改定額の決定の基準が客観的な数値であって,賃料に比較的影響を与えやすい要素によるものであるときは,契約自由の原則にのっとり,その効力を肯定すべきである。本件特約は,消費者物価指数という客観的な数値であって賃料に比較的影響を与えやすい要素を改定額の決定の基準とするものであるから,その効力を否定することは相当でない。したがって,本件特約に基づかない上告人らの賃料減額の意思表示の効力を認めることはできない。
(2) もっとも,賃料改定特約がある場合でも,契約締結当時に当事者が予想し得なかった著しい事情の変更が生じ,賃料改定特約をそのまま適用することが著しく不合理な結果を招来するときには,事情変更の原則を適用することにより,賃料改定特約の適用を制限すべきである。しかし,本件においては,いまだ事情変更の原則により本件特約の適用を排除すべき事態には至っていないと認めるのが相当である。
4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
(1) 前記確定事実によれば,本件各賃貸借契約は,建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約であるから,本件各賃貸借契約には,借地借家法11条1項の規定が適用されるべきものである。
本件各賃貸借契約には,3年ごとに賃料を消費者物価指数の変動等に従って改定するが,消費者物価指数が下降したとしても賃料を減額しない旨の本件特約が存する。しかし,借地借家法11条1項の規定は,強行法規であって,本件特約によってその適用を排除することができないものである(最高裁昭和28年(オ)第861号同31年5月15日第三小法廷判決・民集10巻5号496頁,最高裁昭和54年(オ)第593号同56年4月20日第二小法廷判決・民集35巻3号656頁,最高裁平成14年(受)第689号同15年6月12日第一小法廷判決・民集57巻6号595頁,最高裁平成12年(受)第573号,第574号同15年10月21日第三小法廷判決・民集57巻9号1213頁参照)。したがって,本件各賃貸借契約の当事者は,本件特約が存することにより上記規定に基づく賃料増減額請求権の行使を妨げられるものではないと解すべきである(上記平成15年10月21日第三小法廷判決参照)。
なお,前記の事実関係によれば,本件特約の存在は,本件各賃貸借契約の当事者が,契約締結当初の賃料額を決定する際の重要な要素となった事情であると解されるから,衡平の見地に照らし,借地借家法11条1項の規定に基づく賃料増減額請求の当否(同項所定の賃料増減額請求権行使の要件充足の有無)及び相当賃料額を判断する場合における重要な事情として十分に考慮されるべきである(上記平成15年10月21日第三小法廷判決参照)。
(2) したがって,上告人らは,借地借家法11条1項の規定により,本件各土地の賃料の減額を求めることができる。そして,この減額請求の当否及び相当賃料額を判断するに当たっては,賃貸借契約の当事者が賃料額決定の要素とした事情その他諸般の事情を総合的に考慮すべきであり,本件特約の存在はもとより,本件各賃貸借契約において賃料額が決定されるに至った経緯や本件特約が付されるに至った事情等をも十分に考慮すべきである。
5 以上によれば,本件特約の存在を理由として上告人らによる賃料減額請求権の行使を否定し,事情変更の原則が適用される場合に限って賃料の減額が認められるとした上で,本件はそのような場合に当たらないとして上告人らの請求を棄却した原審の前記判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり,原判決は破棄を免れない。そして,上告人らの賃料減額請求の当否等につき更に審理を尽くさせるため,本件を原審に差し戻すこととする。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 上田豊三 裁判官 金谷利廣 裁判官 濱田邦夫 裁判官 藤田宙靖)
東京・台東借地借家人組合
無料電話相談は 050-3012-8687 (IP電話)
受付は月曜日~金曜日 (午前10時~午後4時)
(土曜日・日曜日・祝祭日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。
埼玉県桶川市に借地借家人組合が結成されたのは1975年のことです。当時は借地人組合として発足し、浄念寺借地人組合と称していました。
その頃の桶川駅前商業区域の中心部分に「浄念寺」という宗教法人の寺がかなりの面積を占め、28軒が寺の土地を借りていました。
地代は住職の言われるまま支払っていました。当時、田中角栄の列島改造論が幅を利かせ全国各地の土地が値上がりを始めたのがきっかけで税金も徐々にに上昇し始めました。それに連れて寺の一方的な地代値上げが始まり、言われるままの地代を支払わされてきました。
というのも借地人の半分以上7割位が寺の檀家という事情もあり、逆らったら大変だという思いがありました。しかも住職はかつて長いこと町の助役を務め、税金の仕組みに詳しい人でした。
余りにも頻繁な値上げの押し付けで「このまま黙っていたら、大変なことになる。・・・・組合を作って何とかしよう」という声が広まり、名称も「浄念寺借地人組合」として1975年12月に結成総会を開きました。
その足で組合員全員が寺に乗り込んでの団体交渉となりました。交渉では、住職が値上げ通告を頑として撤回しないため、以来3年にわたり、法務局に全員が供託を続けました。
結局、住職の方が音を上げ、弁護士を立て攻撃をかけてきました。弁護士との団体交渉で組合は一歩も妥協案に歩み寄りをみせなかったので、弁護士の方が匙を投げてしまいました。
最後は寺と組合の代表との交渉で「今後地代は税金の50%(1.5倍)を加算した金額とする」という内容で妥結しました。
以来、この協定内容は厳格に守られ、バブルがはじけたこともあり、公示価格が毎年引き下げられてきたため、ずっと地代が下がり続けています。
組合員は、「あっれ、今年も地代が下がったね。何だか嘘みたい。組合があればこその話だね」とみんなニコニコ顔です。
地代の集金は組合費と合わせ、4月から9月までの6か月分を組合事務局が一括集金して組合代表が直接寺へ届け、10月から3月末に納入という年2回の支払い方法で約30年間1つの狂いもなく続いています。
東京・台東借地借家人組合
無料電話相談は 050-3656-8224 (IP電話)
受付は月曜日~金曜日 (午前10時~午後4時)
(土曜日・日曜日・祝祭日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。
葛飾区立石のAさんは20坪の借地をしている。この不況で地代の支払が困難になっているので減額できないかと組合に相談した。
数回に渡り地主に対して借地料の減額を請求したが受け入れられなかった。現在支払っている地代は税金の約12倍に相当し、近隣の地代と比較してもあまりにも高すぎるので地主に対して地代を値下げするよう内容証明郵便で通知した。期日までに回答無き場合は提訴する旨も重ねて通知した。
結局、地主本人との交渉の結果、坪当り月額5950円が4000円となり、月額合計3万9000円の値下げとなった。1か月11万9000円の地代が8万円へ減額された。
税金と比較しても未だ高額な地代だが、裁判所の手続を経ないで地代の減額に成功でき、Aさんにとって大きな自信となった。
東京借地借家人新聞より
東京・台東借地借家人組合
無料電話相談は 050-3656-8224 (IP電話)
受付は月曜日~金曜日 (午前10時~午後4時)
(土曜日・日曜日・祝祭日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。
練馬区旭丘に借地して住むFさんは、今年の3月末に借地期間の20年が満了した。この間、地代の値上げでいつのまにか近隣の相場と比較しても4~5倍の地代となり、知人の紹介で数年前に組合に相談した。この時は組合に相談し、地代値下げ請求の文書をだすと、相手は若干の地代の値下げに応じることになり値下げを実現させることが出来た。
しかし、組合の相談の中で、契約書には更新に際して更新料を支払う約束があることがわかり、更新の時には地主が法外なことをいってくる可能性があることを指摘した。案の定、地主は不動産屋を代理人にし、更新料の請求をしてきた。組合では、期間満了までに更新することなく、法定更新にし、じっくりと交渉することにした。
この前後をして門の修理や隣の軒先から流れる雨水で壊れた壁の修繕などを行う工事をした。すると早速に工事は改修に当たるから、するなと無法なことを主張してきた。
無視していると、代理人の不動産屋からあらためて更新の手続きを行うよう文書が送られてきた。組合と相談し、更新料の支払いには応じるがあまりにも高い地代については減額請求をすることにした。地代は近隣の相場と比較しても高いのでせめて公租公課の2倍になるように交渉をすることにした。減額請求が合意できれば、更新料についても請求の半分にし、合意するよう提案することにした。
東京借地借家人新聞より
東京・台東借地借家人組合
無料電話相談は 050-3656-8224 (IP電話)
受付は月曜日~金曜日 (午前10時~午後4時)
(土曜日・日曜日・祝祭日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。
三島借地借家人組合傘下の心経寺借地組合の組合員宅へ「地代督促の件」という地代値上げ請求の葉書が届きました。
寺領地心経寺から借地をしている会員へ「平成15年に地代を改定し5年が経過し未だに旧料金で支払われています。(略)下記金額を納めてくださるよう、お願い致します。平成20年分から下記の改定金額を納めていただいた場合、5年間の差額は請求しません」との葉書が10月16日付けで送られてきました。
心経寺借地組合では、対策会議を開いた中で、会員から土地の値段が下がっているのに納得できないなどの意見が出されました。
三島借地借家人組合は、早急に心経寺借地組合と合同で打合せ会議をもつことになりました。心経寺借地組合は、今回の心経寺からの地代値上げ通知に、法的には応じる必要がないことを明らかにし、会員へ「値上げ地代で払い込むと値上げを認めたことになるので注意することが必要です」と呼びかけています。
全国借地借家人新聞より
賃料の増額請求の時効は5年という判例はこちら
東京・台東借地借家人組合
無料電話相談は 050-3656-8224 (IP電話)
受付は月曜日~金曜日 (午前10時~午後4時)
(土曜日・日曜日・祝祭日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。
福井県武生市のSさんは、100年以上前から2人の地主から70坪の土地を借地していました。
Sさんは、3年前に定年退職をしたあと年金で生計を営み、地代の負担が生活を脅かし不安になりました。そこで、何とか地代を値下げできないかと近隣の地代を調べたところ、これまで支払っていた地代が余りにも高額であることがわかり、高齢のため将来不安を感じて2人の地主へ値下げを要請し、再三再四拒否されました。
そこで、Sさんは、武生市の消費者センターへ相談したところ、武生借地借家人組合を紹介され相談。
武生借地借家人組合は、Sさんからこれまでの経過説明と資料をもとに、2人の地主に対して
①地代の改定は借地借家法に基づき、双方で協議して決めること
②地代の改定要件に1つである地価は14年間下落しており、それに伴って固定資産税・都市計画税は減額されていること
③さんの支払能力を考慮して近隣相場並に地代を値下げすること
④話合いにあっては、借地借家人組合の代表の参加を認めることなどを申入れました。
ところが、2人の地主は1年近くこのSさんの申入れを拒否し続けていました。
借地借家人組合は、Sさんに組合への入会を勧め、“数は力”で団結して地主と粘り強く話合うことを説得しました。
その結果、2人の地主は、借地借家人組合の代表を交えての話合いに応じ、1人の地主は平成19年度以後の地代を50%、もう1人の地主は30%の値下げに応じ、今後双方で話合いによって地代の改定を行うことを確認しました。
地代値下げに成功したSさんは、「借地借家人組合に入会してよかった。安心して将来が暮らせます。これから借地借家人組合の強化に頑張ります」と述べています。
全国借地借家人新聞より
東京・台東借地借家人組合
無料電話相談は 050-3656-8224 (IP電話)
受付は月曜日~金曜日 (午前10時~午後4時)
(土曜日・日曜日・祝祭日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。
地代の値上げ拒否と借家人の駐車が理由
中央線高尾駅に近い八王子市初沢町で借地をしているNさんは、昨年12月30日に突然地主の代理人から内容証明郵便が送られてきた。
地主が平成11年4月に地代値上げを請求した金額との差額を支払うこと、Nさんが貸している店舗の借家人に借地の一部を駐車場として使用させていることは無断転貸に当たるので、借家人の土地使用を中止させること以上2点で、地主の以上の請求に1週間以内に応じない場合は、契約を解除するという脅迫的なひどい内容だった。
Nさんは、2年前に近所の借地人と相談し、地主の地代値上げを何とかストップさせ、固定資産税や近隣の地代と比べ高すぎる現行地代の値下げを求め、土地の公租公課の資料を公開するよう地主に要求したが、地主は頑として応じようとしない。それどころかNさんのみ値上げに応じないとのことで地代の受領拒否され供託している。地主は高尾駅近くのお寺だが今回の内容証明も代理人の弁護士と組んだ嫌がらせだ。
年が明けた今年1月に組合や顧問の弁護士と相談して、内容証明郵便で次のように反論した。①地主が請求した地代(月額坪502円)が、公租公課の3倍以内と主張するなら、平成10年から平成11年に税金がどのくらい上がったかがわかる資料を提示すること。②契約した平成10年当時に店の顧客が一時的に駐車することは地主も認めている。今年も暮れを迎えるが地主からは何らの反論もない。
東京借地借家人新聞より
東京・台東借地借家人組合
無料電話相談は 050-3656-8224 (IP電話)
受付は月曜日~金曜日 (午前10時~午後4時)
(土曜日・日曜日・祝祭日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。
13年前6人の借地人は、市内屈指の大地主より地代値上げを請求され、対立は激化し供託で対抗しました。
4年前組合に加入、全借連や弁護士の助言指導を受けながら学習会を重ね、適正地代を公租公課の2.5倍に設定し、簡裁に値下げ調停を提起しましたが不調となりました。
即時地裁に本訴を申し立て、裁判所指名の鑑定士による鑑定結果は、5年前の古い資料を使ったり、類似賃料調査では繁華街の高額賃料を採用したりと酷い内容でした。
口頭弁論では鑑定書の不備を指摘し値下げを主張し、和解案を引き出すことに成功しました。条件は、最高値下げ率42.5%。地代過払い分とその利息及び鑑定料の半額を解決金として支払う。精算総額1800万円余でした。
勝利和解の要因は、最後まで6人の団結が保たれ、献身的な弁護団に恵まれ、全借連の援助、何よりも絶対に諦めなかったことでした。
全国借地借家人新聞より
東京・台東借地借家人組合
無料電話相談は 050-3656-8224 (IP電話)
受付は月曜日~金曜日 (午前10時~午後4時)
(土曜日・日曜日・祝祭日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。
判例紹介
月払いの地代は民法169条にいう5年の短期消滅時効にかかりかつ、地代値上げ請求にかかる増加額についても所定の弁済期から消滅時効は進行を始めるとして、提訴5年前までの賃料分に関する適正地代確認の訴を棄却した事例 (東京地裁昭和60年10月15日判決、判例時報1210号61頁以下)
(事案)
地主Xは借地人Yに対し、土地を賃貸し、昭和43年6月当時賃料は月額2015円であった。
Xは同43年、46年、48年、52年の各7月にそれぞれ賃料値上げ請求をし、更に55年8月と57年11月にも値上げ請求した。
YはXによる右値上げ請求を争ったので、Xは同58年12月17日に、適正地代がXの値上げ請求金額であることの確認請求訴訟を提起した。
Yは、抗弁として、本件賃料債権は月払いであるから、民法169条の5年の短期消滅時効にかかる。したがって、Xが提訴した同58年12月17日より5年前までに支払期日の到来している同53年11月までの賃料債権は、時効によって消滅した。故に消滅した分については適正地代額に確認を求める訴えは、利益がないから棄却すべきであると主張した。
これに対し地主Xは、消滅時効は権利者が権利を行使しうるときから進行するところ、地代増額請求にかかる増加額について地主の権利行使が可能となるのは、増額を正当とする裁判が確定した時であるから、Yの消滅時効の主張は失当であるとして争った。
(判旨)
「本件賃料債権は、民法169条所定の債権に該当する。
ところで、借地法12条2項は、賃料の増額につき当事者間に協議が調わないときは、増額の請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める賃料を支払えば足り、裁判が確定した場合に、すでに支払った額に不足があるときは、不足額に年1割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払うことを要する旨規定する。
右規定の趣旨は、賃料の増額請求があったときは、客観的に適正な賃料額に当然に増額の効果を生じ、賃借人はその額の支払義務を負うに至るのであるが、(中略)増額についての裁判が確定するまでの間は、賃借人は、自己が相当と認める賃料を支払う限り、遅滞の責を負わないものとしたのである。(中略)
したがって、賃料債権自体は発生し、かつ、本来の賃料支払期日に履行期が到来しているものというべきである。
賃貸人は、その支払を求める給付の訴又はその確定を求める確認の訴を提起して、消滅時効を中断することができ、又、給付判決が確定すれば強制執行をすることも妨げられないのであって、権利を行使するについて特段の障害があるものと解することはできない。
したがって、右のような増額請求にかかる増加額についても、所定の弁済期から消滅時効が進行を始めるものと解するべきである。
具体的な給付請求権が時効消滅した場合には、他に特段の必要のない限り、もはや確認の利益は失われるものと解すべきである。」と、5年前までの請求を棄却した。
(1987.03.)
(東借連常任弁護団)
東京借地借家人新聞より
地代の増額請求で今回と同様に消滅時効が認められた判例(名古屋地裁昭和59年5月15日判決)
民法
(定期給付債権の短期消滅時効)
第169条 年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権は、5年間行使しないときは、消滅する。
東京・台東借地借家人組合
無料電話相談は 050-3656-8224 (IP電話)
受付は月曜日~金曜日 (午前10時~午後4時)
(土曜日・日曜日・祝祭日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。
判例紹介
1、最近における固定資産税の増徴にかかわらず土地の賃料を固定資産税及び都市計画税の税額の2.4倍とする約定が合理性を失わない。
2、土地の固定資産税の評価額は土地の収益力を資本還元した収益還元価格を超えることはできない。 (東京高裁平成9年6月5日判決、判例タイムズ940号280頁以下)
(事案の概要)
東京銀座の土地(借地)上にある建物の増額請求を求める賃料の確認訴訟。家主は従前の賃料が近隣の賃料と比較して低額であるとして、最近における固定資産税等の増額に伴い、建物敷地の地代額が急激に上昇したため、家主が建物の賃料に転嫁しようとして大幅な賃料の増額を求めていた。一審判決は不動産鑑定の結果をそのまま採用したが、家主はこれを不服治して控訴していた事案。
家主は、従前の賃料近隣に比較して低く、同一建物の他の貸室の賃料の5分の1に過ぎないことを一審の鑑定は無視していること、鑑定による増額後の賃料でも、家主は高騰した地代を含む経費を支払えば損失が出ること等を理由に鑑定は採用すべきでないと主張した。
一方、借主は、最近のように固定資産税等が急激に上昇している状況のもとでは、土地の地代を固定資産税額の2.4倍とする土地所有者と借地人である家主との間の約定は、合理性を失っており、その効力はないから家主は土地所有者に対して右倍率による地代を支払う義務はないと争った。そこで右地代改定の約定の効力が争点となった事案である。
(判旨)
「もともと土地の固定資産税等は、土地の所有者がその土地を相当な地代で他に賃貸するなど、これを有効利用している場合にはその土地からあげることの可能な(実際に上げているということでない。)収益(賃貸の場合で権利金等の授受がなけれ賃料)の範囲内において、その一部を納税資金に充てることにより、納税することが可能であることを前提として算出される仕組みとなっている。
すなわち固定資産税の標準税率の合計は1.7%となっているが、この税率は土地からあがる収益が固定資産税評価額のおおよそ5%程度であると想定し……その約5%の収益の内、約3分の1の1.7%を税金として徴収するという、大きな枠組未を前提として算定されている。
……最近における固定資産税評価の評価が土地の収益を過大に評価し収益力に見合う金額(程の収益還元価格)を上回る違法なものであるならば格別、そうでない限り固定資産税等の金額を2.4倍した金額を地代とする旨の当事者間の合意は合理性を失っていないのであって、その努力を否定するものとはいえない」
(寸評)
判旨は税金の2.4倍を適正としているが、固定資産税の法的性質や税率の在り方など税法、税政策をほり下げたところから考えなければならない問題を含んでおり、この判決の基本認識の是非について検討する必要がある。
(1997.11.)
(東借連常任弁護団)
東京借地借家人新聞より
東京・台東借地借家人組合
無料電話相談は 050-3656-8224 (IP電話)
受付は月曜日~金曜日 (午前10時~午後4時)
(土曜日・日曜日・祝祭日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。
判例紹介
借地法12条2項(借地借家法11条2項)にいう「相当ト認ムル地代」とは何か (最高裁平成8年7月12日判決、判例時報1579号77頁)
(事案)
(1) 本権借地の地代は、昭和55年8月に月額6万円に増額されて以来据え置かれてきた。
(2)一方、本件借地にかかる公租公課(固定資産税と都市計画税の合計額)は、平成元年11月現在、月額約6万1771円であり、地代額を上回っていた。
(3)そこで地主は、平成元年10月、地代を同年11月分より月額12万円に増額請求した。
(4)しかし、借地人は右増額請求後も依然として月額6万円を支払い続けてきた。
(5)地主は平成2年2月、借地人に対し1週間以内に増額賃料の支払がない場合は借地契約を解除する旨意思表示したが、借地人は催告期間内に催告通りの賃料を支払わなかった。
(6)よって、借地契約は解除されたとして地主が建物収去土地明渡の訴えを提起した。
(大阪高裁の判決)
借地人が従前の地代額を支払う限り主観的に相当と認められる地代を支払ったものとして債務不履行の責任を問われることはない。これが借地法12条2項の趣旨である。よって本件は借地人が6万円の地代を支払っている以上契約の解除は無効である。
(最高裁の判決)
①借地人が従前の地代額を主観的に相当と認めていないときは、従前の地代額と同額を支払っても借地法12条2項にいう相当と認める地代を支払ったことにはならないと解すべきである。
②では、借地人が主観的に相当と認める額の支払さえしていれば、常に債務不履行にならないのかといえばそうではない。借地人の支払額が地主の負担すべき公租公課の額を下回っていても、借地人がこのことを知らなかったときは、公租公の額を下回る額を支払ったという一事を持って債務不履行があったということはできないが、借地人が自らの支払額が公租公課の額を下回ることを知っていたときは、借地人が右の額と主観的に相当と認めていたとしても、特段の事情のない限り、債務不履行がなかったということはできない。
③大阪高裁は、借地人がその支払額を主観的に相当と認めていたか否かについても、また、借地人が公租公課の額を下回るという事実を知っていたか否かについても事実認定をしなかったのは法令解釈適用の誤りである。
(若干の説明)
地代の増額請求があった場合の借地人の対応としては、借地人が自分だけの判断でこの額でよいと思う額を支払っておけば、後で結果としてそれも上回る額で決ったとしても債務不履行の責任は問われないというのは、ご存知の通り。この判決の意義は特に②にあって、「だからといってそれが公租公課の額を下回っていて、しかもそれを知りつつ漫然と従前の額を支払っている場合には、借地人の義務を全うしていることにはならない」と警告している。
(1997.05.)
(東借連常任弁護団)
東京借地借家人新聞より
東京・台東借地借家人組合
無料電話相談は 050-3656-8224 (IP電話)
受付は月曜日~金曜日 (午前10時~午後4時)
(土曜日・日曜日・祝祭日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。
八王子市長房町に住む加藤さんたち借地人12軒は、近くのお寺が地主で、平成11年まで毎年のように地代が値上がりし、平成12年の値上げの時はさすがに借地人一同結束し、地主と交渉した。
地主の値上げの理由は、毎回同じで「税金が上がった」、「周りと比べて安い」というもの。当時の加藤さんの地代は坪430円だった。
組合に相談に訪れ、地価も物価も下がり税金も上がっていないのに、値上げはおかしい。八王子の近隣地代と比べて高過ぎるとのアドバイスを受け。加藤さんたちは交渉し、平成14年に坪330円に値下げさせた。
加藤さんは、今年固定資産税と都市計画税を調査したところ、平成15年の税金が月額坪当り64・7円、16年が62・7円と値下がりし、現行地代は税金対比で5・2倍と高額。今年再度値下げの交渉を行い、地主には代理の不動産業者が入り、今年の7月分から月額282円に値下げさせた。
最高時の地代から35パーセントも値下げさせたことになる。それでも、税金対比で4・5倍と高い。地主の抵抗で中々難しい地代減額ができたのは、加藤さんたち借地人一同が結束して頑張った貴重な成果である。
東京借地借家人新聞より
東京・台東借地借家人組合
無料電話相談は 050-3656-8224 (IP電話)
受付は月曜日~金曜日 (午前10時~午後4時)
(土曜日・日曜日・祝祭日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。
地代が税額の9倍弱
借地の地代減額を争ってきた借地人であるAさんは、昨年の9月に東京高裁で年額29万7000円の地代を平成16年1月1日から年額18万2600円に減額する判決を勝ち取った。
借地人のAさんは、アメリカ人の父親が借地する羽村市双葉町の宅地約100坪を平成8年に相続した。
地代は父親の時代に平成3年年額21万7200円、平成4年24万3490円、平成5年26万4000円、平成6年29万7000円と毎年のように値上げされてきた。平成3年の地主の請求書には、「固定資産税の約4倍」との記載があり、父親は固定資産税が上がったものと信じて支払ってきた。
Aさんは、疑問に思って平成10年に地主に固定資産税を開示するよう求めたが一向に開示されず、平成11年になって国や自治体が借地人への開示を認め初めて税金を試算し、平成11年以降税金が下落しているにもかかわらず平成15年の地代は公租公課の実に8・74倍と高額な地代であることが判明した。
Aさんは、平成15年11月に地代減額を請求し、地主が拒否したため、平成16年2月に青梅簡裁に調停を申立てをした。地主の拒否で調停は不調になった。さらに弁護士を代理人に立て東京地裁八王子支部に提訴したが「現行賃料は不相当とは断定できない」と敗訴したが、諦めずに東京高裁に控訴し、一審判決を覆した。
東京借地借家人新聞より
東京・台東借地借家人組合
無料電話相談は 050-3656-8224 (IP電話)
受付は月曜日~金曜日 (午前10時~午後4時)
(土曜日・日曜日・祝祭日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。
西武国分寺線・拝島線の小川駅西口から北に約240mの小平市西町*丁目で宅地103坪を借地しているWさんは、平成11(1999)年11月分の地代月額16万2220円(坪1575円)を月額10万3000円(坪1000円)に値下げするよう減額請求をした。
しかし、簡易裁判所の地代減額調停も不成立に終り、その後も、地方裁判所から高等裁判所へと継続して地代減額で争われ、遂に平成15(2003)年2月に高等裁判所から判決が言い渡された。
Wさんの地主は、小平市内一番の大地主で、借地以外にマンションや駐車場、大型量販店等に土地を貸し、温泉まで経営している。
Wさんは、昭和56年に600万円の承諾料を支払い、2階建ての鉄筋ビルに建替え1階を店舗に貸している。以来地代値上げに苦しみ、昭和56(1981)年に坪350円の地代が平成7(1995)年までの14年間で実に4.5倍(坪1575円)に増額された。Wさんは組合の助言を得て、思い切って調停・裁判に踏み切った。
結果は、裁判での地代鑑定には疑問があったが、高裁の判決で取敢えず月額13万6681円(坪1327円)と確認された。減額された地代の差額97万円は地主の銀行口座を差押さえ、強制執行した。Wさんは今回の結果に満足せず、引続き地代の減額を求めていく方針である。
東京借地借家人新聞より
東京・台東借地借家人組合
無料電話相談は 050-3656-8224 (IP電話)
受付は月曜日~金曜日 (午前10時~午後4時)
(土曜日・日曜日・祝祭日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。
判例紹介
1、賃借人が主観的に相当と認めていない額の賃料が借地法12条2項にいう相当賃料といえるか
2、賃借人が公租公課の額を下回ることを知りながら支払う賃料が借地法12条2項にいう相当賃料といえるか (最高裁平成8年7月12日第2小法廷判決。ジュリスト最高裁時の判例Ⅱ315頁以下)
(事案の概要)
X(地主)はY(借地人)に対して平成6年11月分以降の賃料の増額請求(月額6万円を12万円)をしたが、Yはこれに応じることなく従前の地代額の支払を続けた。Xらは平成2年2月に増額分の支払催告を1週間以内に支払がないときは契約解除をする旨通知した。
そして、Xらは、建物収去土地明渡等を求める訴を提起。Xらは「Yは月額6万円が公租公課にも満たないことを知り、主観的にも月額6万円は相当でないと認識しながら、増額請求以後も従前額の支払を続けたから、借地法12条2項にいう相当と認める賃料の支払をしたものとはいえず、債務不履行に当る」と主張。
原審は、Yは増額を正当とする裁判の確定までは従前の賃料額を支払う限り債務不履行責任はないとして、Xらの明渡請求を棄却。
本判決は、Yがその支払額を主観的に相当と認めていたか、その支払額が公租公課の額を下回ることを知っていたかを審理して解除原因の存否を判断させるため、明渡請求に係る部分を原審に差し戻した事案である。
(判旨)
1、賃料増額請求につき当事者間に協議が調わず、賃借人が請求額に満たない額を賃料として支払う場合において、賃借人が従前の賃料額を主観的に相当と認めていないときは、従前の賃料額と同額を支払っても借地法12条2項にいう相当賃料を支払ったことにはならない。
2、賃料増額請求につき当事者に協議が調わず、賃借人が請求額に満たない額を賃料として支払う場合において、賃借人が自らの支払額が公租公課の額を下回ることを知っていたときは、賃借人が右支払額を主観的に相当と認めていたとしても特段の事情のない限り、借地法12条2項にいう相当賃料を支払ったことにはならない。
(寸評)
判旨1、は、賃借人が従前額以上の賃料を支払う場合には、その主観的な認識如何にかかわらず、相当賃料として、債務不履行にならないか、という問題である。
借地法12条2項の解釈について最高裁の判断として注目される。判旨2、は、かつての最高裁第一小法廷判決(平成5年2月18日)が傍論として、公租公課額を下回ることを知っていた場合には、債務不履行になると示していたが、その事件は、公租公課額を下回ることを知らなかった事案であった。
若干の判例の動きを経ての最高裁の判決である。公租公課額を下回る賃料の支払について、注意を要するので紹介した。
(2004.10.)
(東借連常任弁護団)
東京借地借家人新聞より
東京・台東借地借家人組合
無料電話相談は 050-3656-8224 (IP電話)
受付は月曜日~金曜日 (午前10時~午後4時)
(土曜日・日曜日・祝祭日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。