At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Best Friend / 児島 未散

2013-09-15 | Japanese AOR
元二枚目俳優の宝田明とミス・ユニヴァースにおけるアジア人初の優勝者である児島明子を両親に持つ、いわゆる二世タレント的な女性シンガー児島未散が高校在学中の1985年にリリースした1st。あいにく世代が違うため彼女自身が当時メディアでどのように取り上げられていたのかは存じませんが、松本隆と林哲司というシティポップス~J-AOR界では非常に強力な二人が全曲に作詞作曲でクレジットされており、演奏メンバーもパーカッショニストの斉藤ノブをはじめ松原正樹(g)や新川博(key)らが参加と何やら豪華なため、なんとなく興味を惹かれて購入してみました。内容的には「オンショア・ウィンドに乗って、エンドレス・サマーの唄声がとどく。」と書かれた帯の文句そのままにオーシャン&メロウ。なんとなく先日紹介した二名敦子の3rdをもう少しアイドルポップス寄りにしたかのような雰囲気で、中には正直今聴くには少し厳しい楽曲もありますが、このあたりの産業系シティポップが好きな人ならば、まぁそれなりには満足頂ける一枚かと思います。当時シングルカットもされたB-1の「セプテンバー物語」を筆頭に、どこか懐かしくも都会的なナンバーが並ぶ作品ですが特筆すべきはA-4のタイトル曲。思い切り二名敦子路線なアーバンミディアムグルーヴに、まだ少女らしさの残るあどけなくも舌足らずな児島のヴォーカルが乗る絶品ナンバーに仕上がっています。J-AORというよりはシティポップスと表現したほうが適切かと思いますが、このあたりの音楽を好む30代以上の男性ならば独特のノスタルジックな雰囲気にやられること間違いなしでしょう。サノトモミがヴォーカルを務めていた時期の流線系に通じる絶妙な甘酸っぱさがツボです。なお僕が所有しているのはアナログ盤ですが、CDでも何度かリリースされているようなので入手は比較的容易かと。気になる人は是非聴いてみてください。ちなみに彼女はこの4年後VAPに移籍することになりますが、移籍後の作品もなかなかの出来なので興味のある人はそちらも合わせてどうぞ。
コメント
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