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【財政赤字を抱える政府は必然的にインフレを望む?】インフレ政策が日本で不適切な理由①

2016-12-17 00:01:29 | 日本

 インフレーション(インフレ)―――物価が持続的に上昇する経済現象のことです。普通の生活者で、これを歓迎する人は、当然ながら、そうはいないと思います。では、こちらではどうでしょう?―――債権・債務の実質価値が時間の経過とともに減少していく経済現象。これなら、ありがたいと感じる人が出てくるはず。本稿ではそのあたりについて考えることを綴りたいと思います。

 ここでいう、インフレがありがたい人とは、借金をしている人ということになります。極端な例ですが、1年で物価が倍にもなるハイパーインフレが起これば、インフレ前の債務の価値はインフレ後には1/2になっているから、債務者は実質的な返済負担がずっと減ってラッキー!という具合です。

 もちろんこのインフレのメリット(?)、借金が多ければ多いほど大きくなります。で、現在の社会でいちばん多額の借金を背負っているのは・・・アメリカ、イギリス、日本・・・といった国々の「政府」。ということは、各国政府には元来、債務支払いの負担を軽くしてくれるインフレを待ち望む性質が備わっていることになります。その意味で、いま世界中で流行のリフレーションとかインフレ期待expectation)という言葉は、そんな政府の願望を言い表したものといえそうです。だって、それ以外に「ガソリン代、もっと上がらないかな~♪」なんて期待する人、いないでしょうからね(って、厳密にはいるが・・・後述の株式投資家とか)。

 さて、ここで政府が望むようなインフレが実際に起こったとします。上記のように、程度の差こそあれ、これで財政赤字を抱えた政府は楽になります。そのいっぽう、インフレでダメージを受ける人々が出てきます。まずはインフレとなった国の大多数の国民。これは当たり前、誰にとっても物価上昇はイヤですから。

 そしてもう一人、インフレで傷つくのが、債権者となります。ここでいう債権者とは、具体的には国債の所有者のこと。この国債という名の債権の価額は国の債務の価額に等しいから、上記のとおりインフレでその債務の実質価値が減れば、その裏返しである債権の価値も同じように減少する、というわけ。

 このようにインフレは、借金を抱えた政府に多大な恩恵をもたらす代わりに、その国民と、その政府におカネを貸している人々(国債投資家)に巨大な損害を与えることになります。そういうことでインフレはまさに「諸刃の剣」といった感じですが、第一次大戦後のドイツや最近ではジンバブエなどの例でも分かるように、害悪のほうがはるかに大きいといえます。インフレで救われる政府関係者などより、これに苦しめられる人々のほうが圧倒的に多数派ですからね。

 ・・・それほど危険なインフレですが、にもかかわらずこれを政策的かつ戦略的に何としても引き起こしたくなる政府があったりします。それがアメリカであり、イギリスであり・・・ようするに、債権者が「外国人」となっている国々。

続く

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