庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

中東の石油依存が世界の不安定の原因で離脱が課題。

2019-06-15 | 快適エネルギー社会問題

20世紀はエネルギーの石油転換の時代で、多くの技術進歩や、産業革新が引き起こされたのは事実である。

自動車の飛躍的進歩と拡大がもたらした利便性向上と生活水準の上昇は、石油の採掘と輸送、消費拡大だけでなく、波及効果は大きかった。

しかし、原油産地が偏在した上に、産油国の利権による独裁的な非民主国家が力を持って、世界の平和を脅かす根源となっている。

20世紀は膨大なエネルギー消費によって、成り立つ産業連関もあって、石油利権の弊害には、多少のことは犠牲にしてきたが限界である。

21世紀になって、代替エネルギーの実現が「再生可能エネルギー産業」によって、担えることが明らかになってきた。

技術進歩の飛躍的な実現によって、経済的にも「再生可能エネルギーに依存した経済」の方が、安定的、かつ波及的拡大が可能になった。

今や、石油消費を拡大する意味はなく、平和維持と、地球環境問題への対処から、石油依存を完全にやめていくことが正しい選択となった。

すでに世界の潮流は2050年を目指して、エネルギー分野での脱石油依存が、世界の先進国の共通の目標となっている。

さらに、プラスチック製の製品に依存した世界の産業も、バイオマス由来のプラスチックへの転換の流れが始まった。

【世界の不安定要因である石油依存】から転換を果たすことが、21世紀前半の最重要課題であることは、もはや自明になっている。


石油系プラスチックには汚染税を新設して転換を促進。

2019-06-13 | 環境問題・プラスチック汚染

G20サミットの機会を利用して、日本の地球環境政策に対する【後ろ向き姿勢の汚名】を挽回しようとして、姿勢を転換している。

少なくとも【海洋プラスチック汚染問題】では、世界での先進国としての地位を確保して、できうれば、対策の方向を主導したいと目論む。

しかし、今回に策定された「プラスチック資源循環戦略」と、「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」では、まだ決意が不足だ。

まず「廃棄物処理制度によるプラスチックごみの回収・適正処理の徹底、ポイ捨て・不法投棄と、非意図的な流出の防止を進める」とした。

しかし、これらの活動の徹底には、多くの経費がかかるのは、目に見えているが、その実施者に必要経費が回る道は、何も示していない。

日本の財政赤字は悲惨な状況であるから、新たな施策を徹底するには、確固とした安定財源が必須である。

汚染ごみの回収作業にも、自治体と作業者の経費が必要である。

海中分解性プラスチック製の製品開発にも、多額の技術開発支援経費普及促進の試作経費が必要になる。

石油系プラスチックを、割高な「バイオマスプラスチック系」に転換するにも、先行して普及に努める企業への支援金が必要である。

これらの経費を、現在の「石油系プラスチック利用者、製造企業」の新たな負担してもらう「プラスチック汚染税」の制度を創出する。

これができれば、日本国民の前向きな決意のほどを世界に示せる。


使い捨て製品は海中生分解性プラスチックの義務付けを。

2019-06-12 | 環境問題・プラスチック汚染

プラスチック製の使い捨て製品が大量に開発されて、一見、生活が便利になったように見えたが、これらは、リサイクルルートから洩れる事例が多く、海洋プラスチック汚染の大きな原因となっている。

欧州の一部の国では、海中で分解しないプラスチック製の使い捨て製品は、販売と製造を禁止する制度に移行しつつある。

日本は、政府がやっとレジ袋の有料化を打ち出す程度の、全く初歩の段階でいるが、本来は、製造禁止に向かうのが潮流であろう。

とは言っても、紙製などの、製造方法が限定されている材料では、転換できない製品も数多くあり、日常生活に不便を受ける人も出てくる。

そこで、廃棄されて海中に流れこんでも、時間が経てば海中の微生物の作用で、自然界に害のない物質に分解される材料が開発された。

しかし、まだ開発初期のために、材料のコストが高くて普及していないので、この状況を打開しなければ、海中プラスチック汚染が進む。

それを防ぐには、使い捨てプラスチック製品の製造禁止か、多額のペナルティ課税をかけて、リサクルを徹底するしかない。

その経費が高くつけば、使用の削減か、海中生分解性製品への転換が進む仕組みになる。

安倍政権のプラスチック資源循環戦略には、「プラスチックゴミの流出による海洋汚染が生じないこと」と明記しているが、対策は曖昧だ。

「代替イノベーションの推進」を掲げても、具体策は逃げ腰である。


2050年目標でバイオプラスチックに100%転換を。

2019-06-11 | 環境問題・プラスチック汚染

日本政府は「パリ協定での温室効果ガス削減目標」では、先進国としては一番遅れている活動実績で、環境先進国の名前が泣くレベルだ。

流石に、日本の安倍政権のブレーキ役のイメージが定着しかねないので、「海洋プラスチック汚染問題」をきっかけにして、「プラスチックの資源循環戦略と打ち出して、主導国イメージを作ろうとする。

G20前の5月31日に策定した戦略案では、海洋プラスチックごみを大幅に削減する目標を、数値目標も公表している。

これは実行できれば、大きな成果になるが、同時に策定した「プラスチックのバイオマス系への転換」は、控え目な目標である。

今の石油系のプラスチックでは、最終処分のサーマルリサイクル段階では、大気中に大量のCO2廃出してしまう。

これでは、2050年には、プラスチック焼却による「温室効果ガスの実質ゼロ目標」は、抜けが出てしまうので、早急に対応が必要である。

それには、プラスチックの「バイオマス由来」への転換を、2040年頃までに、完了する必要が生まれる。

プラスチック資源循環戦略では、2030年までに200万トンの導入を目標に掲げているが、これでは、2050年目標を達成できない。

少なくとも国内生産によるバイオプラスチックへの転換は、製造企業に義務つける措置が必須である。

そして輸入品には、石油系プラスチックに課税を実行するべきだ。


G20で議論をリードする気なら決意のほどを示せ。

2019-06-10 | 環境問題・プラスチック汚染

日本は地球温暖化対策では、2030年目標が先進国の中では、一番低いレベルの目標しか出していない。

この分野では、日本がかって主導した「京都議定書の締結」においては、環境先進国の自信の下に意欲的な削減目標と評価されてきた。

しかし、その実戦での取り組みでは、海外での削減量をお金で買い取る「CDM」に依存する企業が続出して、日本の努力不足が目立った。

今回の「パリ協定での削減目標」は、2015年の時点での消極的姿勢が災いして、内容の乏しい甘い想定が大きく悪影響している。

特にエネルギー分野では、「石炭火力発電の温存と新設」を盛り込んでいるために、海外の有識者、経済関係者からは、お荷物と指摘された。

石炭火力発電のCO2排出は、高効率であっても「火力発電の中で、最大のレベル」になっている。

日本では、このCO2を分離して、地中に埋め留めておく手法(CCS)の手法に依存する方針を目論んでいる。

しかし、この方法は経済性に乏しく、将来は座礁資産(次世代への負債)になることは確実と指摘されている。

このような甘い計画でいるのに、G20での将来課題の方向性を主導していくとの声明だが、これでは議論が混迷するだろう。

海洋プラスチック汚染問題で、汚名を晴らす覚悟なら、パリ協定の見直しでも、決意のほどを世界に示す必要がある。


石油系プラスチックでは世界の承認は獲得できない。

2019-06-09 | 環境問題・プラスチック汚染

昨年までの日本では、「プラスチックリサイクル制度」については、世界の中でも先進国に位置して、主導できる地位だと勘違いをしていた。

レジ袋の有料化、義務化では、世界の後進国入りをしてしまったが、G20を機会にして、挽回する行動計画に転換するのは当然であろう。

それよりも、日本が年間に廃棄する「プラスチックごみ」は900万トンであり、45%が焼却処分(一部は熱利用)されている問題だ。

つまり、年間400万トン以上も燃焼処分では、CO2大量排出源となっているのは事実である。

これでは、日本は環境先進国だと、胸を張って主張できる立場には、全く値しない認識違いである。

安倍晋三の「環境問題オンチ」は酷いレベルだが、その中でも「地球温暖化問題」に対する消極的態度は、従来から問題である。

1昨年に「パリ協定」の国際協力が始まってから、いつも日本は最後発の非協力国として問題児扱いであった。

「海洋プラスチックごみ問題」では、優等生を演じようとの狙いだが、

まずは現実の状況とデータを、しっかりと認識して臨むべきである。

汚名挽回の施策として、2030年までには、プラスチックの脱石油系を推進して、200万トンのバイオマスプラスチック導入を掲げている。

しかし、これでは現状の22%にしかならず、とても優等生になれる達成目標ではない。

それでも、数値目標を出しただけでも良いか?


プラスチック革命の本流は石油系を植物由来に転換だ。

2019-06-08 | 環境問題・プラスチック汚染

日本の安倍政権は昨年の主要7カ国会議では、『海洋プラスチックごみの削減を促す国際憲章』には、署名をしなかった。

これは国内論議も真剣にしていない段階で、アメリカに追従する「おべっか外交」の典型であったが、国内外から大きな批判を浴びている。
その汚名返上を目指して、環境省を中心として「行動計画の策定」を検討した結果を、政府として5月31日に公表した。
6月の「G20大阪サミット」をきっかけにして、長野での「G20エネルギー・環境関係閣僚会合」で対策として紹介し、汚名挽回を図る。
しかし「海洋プラスチック汚染問題」は根が深く、広い範囲の対策が不可欠で、今時になって、レジ袋の有料化を打ち出すのは遅すぎる。
むしろ、大量のプラスチックごみの処理が不十分で、世界的には、レジ袋以外の廃棄プラスチックが問題の主流である。
日本のプラスチックリサイクル率は45%が燃焼による最終処分であるが、この処分手法は正当なリサクルとは認められていない。
それでも燃焼による処分で、一部を熱利用することで、環境的には、大義名分を保っていて、日本政府はリサクル率が高いと強辯していた。
世界の主要国では「燃焼により最終利用」(サーマルリサイクル)は、正当なリサイクル手法には認められない。
石油系のプラスチックはCO2を大量に排出するから、『植物由来のプラスチック』に転換した段階でないと、先進国は承認していないのだ。

日本はプラごみ問題でも周回遅れになりかねない。

2019-06-07 | 環境問題・プラスチック汚染

世界での先進国では、使い捨てプラスチック製品の削減に積極的に取り組んできている。

その具体的な事例として、「レジ袋の削減」が挙げられているが、日本の安倍政権は、この平成時代には消極的であった。

レジ袋の辞退を促す「レジ袋有料化」は、企業姿勢の取り組み遅れもあって、スーパーやコンビニでの無料支給は、当然とされてきた。

一部の意志ある企業では、レジ袋の有料化を実施した場合には、レジ袋に辞退率が、8割程度の上がり、マイバック持参が向上したという。

この実績を見せられて、レジ袋の有料支給義務化が、やっと法制度の検討課題に上がってきたようである。

しかし、世界の先進国では、レジ袋の有料化だけで止まらず、プラスチック製の使い捨て製品の製造や、販売禁止を実行中である。

やっと使い捨てレジ袋の有料化を実行する段階では、【プラスチックごみ海洋汚染問題】で、世界を主導しようと言い出せるわけがない。

「安倍政権の環境問題オンチ」は、地球温暖化問題への消極的取り組み姿勢で、世界では衆知の事実であるが、挽回は容易ではない。

【プラスチックごみ海洋汚染問題】では、技術革新も含めて世界の主要国に認められるには、もっと大胆で積極的な政策実現が必須である。

今の安倍政権の政策実現能力では、【羊頭狗肉】の誹りを免れないであろうから、真剣に反省してから言い出す必要がある。


自治体の回収事業の費用は国の特別交付金を支給。

2019-06-06 | 環境問題・プラスチック汚染

今回は環境省の主導で「プラスチック資源循環戦略」を策定して、【海洋プラスチックごみ汚染問題】の、世界での先導的役割を担う。

この覚悟のほどを、[G20大阪サミット]で、主導的な議論を展開する意気込みを表明しているが、実行力はどうであろうか。

特に、海浜への漂着ごみは、日本では大量に流されてくるが、海外の不法投棄の責任にしておくのが従来であった。

それでも、海浜の美化の上で必要に迫られて回収・焼却で処分をしていたが、この活動費用は、自治体に後で支給するような消極的、限定的な費用の扱いであり、これでは自治体の力が発揮できない。

今回の取り組み姿勢の明確な公表によって、自治体が積極的に、漂着物のゴミ処理に向かえば、地元の事業者の仕事となって、地方の経済に少しでも貢献できるだろう。

2019年度の補正予算を追加するのは当然として、当初予算で、全国の漂着物の実体を把握すると同時に、海中への再流出を防ぐべきだ。

つまり、漂着したらすぐに、海浜から撤去して、その焼却処理設備もフル稼働状態まで、海浜漂着物を積極的に撤去する。

この費用の特別交付金制度を作るべきであり、惜しんではならない。

もちろん財源の検討を並行して進めるべきであろう。

これは国の姿勢としての取り組み表明であり、プラスチック産業界での特別新税の創設を検討して、徴収する必要がある。


プラスチックの不法投棄ゴミは自治体で回収を実行。

2019-06-05 | 環境問題

安倍政権が珍しくも、世界の環境問題に前向きに取り組み姿勢を示して、「海洋プラスチック汚染問題」に戦略案を公表した。

安倍政権は経済対策第一主義を掲げて、6年間を進めてきたが、さしたる成果は実現できず、日本停滞論が蔓延してしまった。

それを挽回する意思を示そうとして、「環境問題では、世界をリードする」姿勢を示そうとして、「プラスチック資源循環戦略」策定した。

単なる方向性の羅列や努力姿勢を提示するだけの、精神論が多かった安倍政権の戦略から、一歩抜け出す意思を示している。

例えば、従来ならば「廃棄物処理制度」によって、適正処理の徹底を謳うだけであったが、『非意図的な海洋流出の防止を進める』とした。

その具体策としては、【環境中に排出されたゴミは、まず陸域での回収に取り組む】と明言している。

しかし、「住民、企業等が分担して街中、河川、海浜、等の清掃美化を行う取り組みのさらなる展開」を挙げている様に、奉仕活動依存だ。

従来はここで終わりだが、「さらに海洋に流出したプラスチックごみ」についても回収に取り組む、と踏み込んでいる。

この予算として2018年度補正31億円、2019年度予算4億円により、

【自治体による開眼漂着物の回収処理】を実施するとしている。

当然、2019年度予算は補正で追加して、日本の全国に活動を展開することで、住民依存はやめるべきだろう。


日本は海洋プラスチック汚染の対策で先進国を目指す。

2019-06-04 | 海洋産業問題

日本政府は、昨年から大きな問題としてクローズアップされた「プラスチック海洋ゴミ汚染」の問題に、前向きに取り組みを開始した。

5月31日には、「プラスチック資源循環戦略」と「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」を策定して、公表した。

2030年目標としての「プラスチック資源循環戦略目標」では、3R+(再生可能資源への代替)を基本原則にして、幅広い大綱を目指す。

単なる努力指針ではなく、2030年目標として、実現すべき数値目標を掲げて、世界の先頭を進む意気込みである。

たとえば、「ワンウエイプラスチックを累積25%排出抑制すること、容器包装の6割をリユース。リサイクルすること、を掲げている。

これは、一回だけしか利用しない「使い捨て製品」の抑制を、具体的に数量を減らす目標を掲げることで、実行を民間に迫るのである。

また、リサイクルができない段階の廃棄プラスチックは、焼却によって熱利用をすることになっているが、CO2を大量に排出してしまう。

それを防ぐには、石油系のプラスチックを、可能な限り、「植物由来のバイオマスプラスチック」に置き換えていくことが必須である。

それを促進する手段として、政策的に誘導をして達成する目標を、2030年に200万トン導入する、と掲げている。

従来の安倍政権の政策目標は、いつも曖昧な綺麗事の羅列であったが、今回からは反省しての、達成目標を具体的に打ち出している。


日本がG20で主導できる課題は限定的に留まる。

2019-06-03 | 環境問題

日本の安倍政権は先進主要国の中では、一番政権の座が長い。

その経験豊富を生かして、今回のG20大阪サミットでは、議長国としての存在感とアピールしたいところである。

だが、世界での最大の問題として浮上している「地球環境問題での気候変動対策」においては、アメリカのトランプ大統領は後ろ向きだ。

トランプ氏は、すでに大統領選のさなかから、「世界の合意を得ているパリ協定」からの離脱を政権公約としている。

これに追従するかのように、日本の安倍政権は、「パリ協定の削減目標設定において消極的」との姿勢で、非難を浴び続けている。

それどころか、温室効果ガスの排出を促進する「石炭火力発電の促進」を国策として、この7年間に日本の評価を落とし続けてきたのだ。

それ故にこの議題にはできる限り触れない方針で、曖昧模糊の扱い方しかできないのが現状である。

世界経済の活性化には、温室効果ガスを削減する「再生可能エネルギー」の協調取組みが必要であるのに、何も提示できる状況にない。

経済の活性化に効果があるのは歴然なのに、これを逃げ続けている日本政府は、世界のお荷物となってしまった。

安倍政権は経済活性化として貿易自由化を一層進めて、金融緩和の継続が必要とするが、世界の主要国では金融緩和は過剰との判断だ。

そこで「海洋プラスチック汚染」を日本が主導すると言い出した。(続)


米中ともに自国の利益優先で権力を保持する狙いだ。

2019-06-02 | 経済問題

中国の北京政府は、政権の権力維持と勢いを鼓舞するために、「一帯一路」の長期戦略を掲げて、中国派遣支配を構築しようとしている。

アメリカはこの動きを分析して、中国は「戦略的競争国」との見方を強めて、中国の攻撃的な攻勢が拡大するのを防ぐ必要を感じた。

トランプ大統領としては、経済的な中国の優位さを抑えることを重点にして、まずは対中貿易赤字の改善から譲歩を迫ったのだ。

アメリカの弱点は、対外的な国際貿易において常に大幅な赤字を続けてきた貿易不均衡にある。

これは日本が経済好調の時代には、安い日本製品がアメリカの消費市場になだれ込んで、当時の貿易赤字の大半を対日貿易で出していた。

日本に対して、強引に為替の調整を強要して、円高基調を解決策として押し付けてきた流儀である。

今回の対中貿易赤字では、中国が為替管理を国家規模で実行して、「元高基調」に転換させたいのだが、中国政府は頑強に抵抗する。

そこでアメリカが取りうる対抗措置は、中国からの輸入品に元高調整に相当する、「貿易関税を中国製品だけに追加」して歯止めをかける。

関税相当分はアメリカ国内での価格上昇によって、アメリカ国民が負担するのだから、中国からの輸出量が減るだけである。

しかし中国はなぜか「輸出価格を下げ」たり、アメリカからの輸入品に対抗的に関税をかける愚策を実行している。

チキンレースに突入だ。


トランプ大統領との対決は経済制裁のチキンレースに。

2019-06-01 | 経済問題

米中の貿易戦争は、アメリカの対中国貿易の慢性的赤字の改善が目標とされてきたが、中国が一切応じない姿勢で過激に対抗してきた。

トランプ政権としては、中国国内の体勢に問題ありと見ているが、そこまでの干渉は無理として、とにかく経済面での締め付けを始めた。

中国との貿易量の差からは、関税引き上げによって、はじめに混乱するのは中国側であり、アメリカは中国以外の貿易国は、選択できる。

一方の中国は、対米輸出の道がふさがれると、中国国内企業の低迷や倒産が相次ぐ事態となるだろう。

習近平の社会主義資本経済では、そのような企業を国家救済することも可能だが、それでは経済発展の道は頓挫するしかない。

アメリカ側は、中国が約束しても実行しない問題で締め付けるだろう。

中国に進出した外国企業に技術移転を強制した問題は、大きく取り上げられて、中国側も少しは控える姿勢に転換せざるを得なくなった。

前例のないサイバー攻撃と、産業スパイの活動を支援した中国に対して、経済制裁の罰を与えるのは、国際世論も後押しする流れだ。

東シナ海や南シナ海での、国際世論を無視した軍事拠点の攻勢には、アメリカ軍の威圧行動を誘発するが、それ以上の経済制裁もありうる。

中国政府が国際秩序を守る姿勢に転じる行動をしない限り、世界経済に悪影響があってもアメリカは経済制裁強化に走り続ける。

中国の暴挙を止めるには、経済制裁のチキンレースをするしかない。