日本の課題は、バブル崩壊以後のデフレ経済からの脱却であるが、その原因に一つには、先進国の中でも「生産性向上」が低いことである。
バブル期の金余りの段階で、生産性の向上に向けての研究開発をおそそかにしてきたツケである。
その後の金つまりの段階になって、今度は人手が余り出したので、人件費の削減に走ってしまい、非正規雇用を増やしてしまった。
これは、働く人への配分が減ることは自明であるのに、拡大し続けて、ついには、消費購買力不足を引き起こしてしまった。
安倍政権は、超金融緩和に頼った、一時しのぎの「円安効果でしのいだ」が、本来に課題である生産性向上は、手付かずである。
その一方では、イノベーションが必要だと「3本の矢」として、アピールしておきながら、基礎的な研究の段階を乗り越えられない。
それは、明確な達成目標を示さないで、方向性だけを政府の戦略案で掲げているだけだからである。
つまり「成果を達成するイノベーション」になっていないのだ。
自動車の排気ガス規制の強化段階では、多くのイノベーションが誘発されたことは記憶にあるだろう。
ニュープラスチックのイノベーション誘発には、新技術材料を強制的に一定割合以上を義務つける措置が誘導する要因になる。
努力目標を提示するだけでは、インセンチィブは弱すぎるのだ。