現在の日本の将来における最大の懸念は、少子化問題による人口減少である。
これは経済の縮小の原因になるだけでなく、日本の国内に温存された資源やエネルギー、そして最重要な文化資産を継続して発展させる人材の不足になる。
貿易赤字が拡大して、経常収支までも赤字化してしまう様な、経済運営の失策を止めるには、まず、「少子化問題」の根源に向き合わねばならない。
問題の根源には、多種多様な複雑な要因があるが、能力不足の政権にたいしては、まずは、経済問題とエネルギーの自給化に向けた対応が先決であろう。
政府は、「3・11」以降の原発全停止に対して、火力発電の燃料費の輸入増大を貿易赤字の原因としている。
だから原発を早期に再稼働すべきだ、との方針は、短絡的な思考の典型であり、
国民は将来を見据えた「エネルギー基本方針」を再構築するコトを期待しているのだ。
それを理解しないで、当面の繕い的な基本計画では、誰も政府のするコトに賛同しないで、信用を損なっている。
将来に期待が出来ない段階では、「少子化問題」をさらに加速するだろう。
「再生可能エネルギー」の可能な限りの促進、と謳っていても、いまだに、微々たる普及率のエネルギーだと軽視し、排除しようとする勢力が多数、存在する。
このブレーキ役の守旧派産業界の石頭が、政権の中枢に影響しているので、「エネルギー基本計画」に対する国民の賛同は、まったく得られない状況だ。
しかし、世界はそのような立ち遅れた日本には関係なく、再生可能エネルギーを将来の主力に据える『あらゆる政策を動員して普及促進』の競争段階にある。
その方向に添えて、「シェールガス革命」に対応すべく、天然ガスの普及拡大促進にも、邁進をしなければならない。
この天然ガスは、自前の国産エネルギーの確立ができるまでの、「中間的なエネルギー」だが、他の化石エネルギーに比べて環境負荷が少なく、日本は技術的にも優位にあるから、国の総力を挙げて、普及とコスト削減に取り組むべきだ。
この二方向戦略を確立してこそ、「エネルギー基本計画」に対する国民の賛同が得られて、将来に対する希望も芽生えてくる。
この機運ができることが【少子化問題】の出発点であり、その先には、国産エネルギーの拡大によるエネルギー自立化へのビジョンの提示が必要である。
日本の将来の経済的な基盤を、『自立するエネルギー計画』の上に立てるのだ。