安倍政権が発足後に、日本の将来は経済成長を続けることだと言わんばかりに、超金融緩和によって産業を活性化しようとした。
それは円安によって、【弱者と国内企業に犠牲の上】で、グローバル化した大企業の利益を増やして、[GDP]の数字を増加させることで実現しようとする。
しかし、それが継続できる見込みが立たないことに気がつき、政権発足後の500日を経過して、やっと『少子化の問題の中長期対策』を打つ必要があるとし始めている。
なんと怠慢で鈍い感性であるか、根本の人の問題にやっと目を向けたのである。
ところが、例によって人の気持ちも理解できない【世襲型政治家】たちは、自分の感性では頭が働かないので、いわゆる専門家と称する「左脳型人間」の論理頭を借りようとする。
そして、2050年においても人口1億人以上を保つ、といいだして、若者世代、女性層からの反発を受けそうな、「産めよ増やせよ」的な数値目標を言い出す。
結婚をしない、あるいは結婚しても子供を持たない世代の気持ちを、十分に聞き出すことから始めるべき問題を、20年以上も前の感覚で議論している。
少なくとも「特殊出生率」のことを、もっとよく見て「打つべき対策」をすぐにでも始める必要はある。
東京都の特殊出生率が日本最低の1.1(女性一人が生涯に産む子供の数)であることはもはや常識である。
経済的に国が豊かになれば子供を育てやすい筈が、逆の傾向で、「通勤時間が長く保育所は足りず、子供を生むと仕事を続けにくくなる企業が多いコトによる。
夫婦とも正社員が当たり前の地方の県の方が、子供が多く産まれている。
子育てに親世代や社会の支援が厚く、子育て中の収入の確保がし易い地域は、子供が増えている。
経済成長戦略とか、集団的自衛権の議論も重要だが、時間が相当程度にかかる政策であるし、国民の協力と合意が基盤になる必要がある。
その一方で、少子化対策は10年以上前にも検討すると言いながら、自民党政権は野党時代の3年半の間、何もしないで、民主党の失策待ちの怠慢さであった。
政権交代後にはすぐに手を打つべき『少子化対策』の具体策を、ただ経済が好転すれば「若者が子育てに向かう機運がでる」と、あなた任せの無策である。
少子化対策は、最重要で最優先の課題であることに気がつくのが遅すぎる。