安倍政権の実行している政策は、【少子化の流れ】を止めて国の基盤である人材を厚くする方向にいっていない。
今までに書いた様に、若年世代、女性層にとって、結婚して子供を育てる夢をむしばむことばかりを実施してきたからである。
今になってやっと『保育所の増設』すると、取り繕う後追い政策ばかりである。
今度は、民主党政権も放置してきた、「学童保育」の増強を言い出して、小学生を持った共働き世代への支援をやっと始めた。
学童保育の施設は、昨年の5月時点で2万1482箇所あり、89万人の児童が登録しているが、整備が追い付かず、利用したくても出来ない自動が9000人いる。
潜在的なニーズは、30万人程度はいると厚生労働省はみているが、その分の受け入れ策を用意して、すべての希望者を受け入れることを可能にする。
共働き世帯の増加に追いつく様に5年で進めるとしている。
しかし、この程度の仕事に5年もかけるなどは、低次元の行政能力である。
来年度に、すべての希望者を受け入れるくらいの熱意が欲しいところである。
保育所の不足が長年に渡って言われてきたのに、安倍政権の政策では40万人分の定員を増やすのに、2017年度末までかかる計画の様である。
しかも、この「待機児童解消加速プラン」と称する計画を政権発足後に1年もかかってまとめたが、その予算規模は235億円程度しか計画していない。
土建事業には3兆円以上の予算を回す勢いなのに、肝心の次世代を育成する政策は、けた違いに少ないのが、安倍政権の【人よりもコンクリート】の姿勢だ。
少なくとも、この計画に懸ける費用と人員を増強して、2015年度末までに「待機児童ゼロ」を達成する勢いにしないと、加速プランとは言えない。
共働き世代の子育てを支援することは、『少子化対策の初歩』であり、その達成は必須である。
その上で、2人以上の子供を授かって大切に育てようとする若年世代が増える「安心出来る子育て社会」の構築を、骨太の政権目標に据えるべきである。
それも、共働きできる様に【女性の就労を促進する】ことで産業に奉仕するなどの、目先のせせこましい目的ではなく、将来の優秀な人材育成にある。
安倍政権の政策は、名目的な経済成長ばかりを追い求め、「世界で一番、企業が活動し易い環境を作り」を目標としている。
これは、『世界で一番、子育てがし易い社会環境を創る』に換えるべきである。